《冒険者は最強職ですよ?》どうしてこうなった? 9

「ただいまー!」

「あ、おかえ……り? そちらの方は……えっ!? もしかしてへレーナ=ワズさん!?」

「そうよ。よろしくね!」

「ど、どうしてここに!?」

「ま、まぁそれには深いわけが……」

何故へレーナがここに居るのかを、ジンは一から説明する。

「そ、そうなんですか……一応質問なんですけど、私達の部屋では寢ませんよね?」

「當たり前じゃない。さすがに男がいる部屋では寢れないわ……って言うと思った? 私この子と話したいことがたくさんあるの。だからここで寢るわ」

「えぇぇ……うそーん……」

『せっかくの二人きりがまさかのへレーナさんに邪魔されるなんて……』

マーシュは涙目になりながらも、この部屋で寢ることを承認する。

ジンは、とりあえず室れ、三人で円になる形で座る。

「それで、僕と話したいことってなんですか?」

「そうね……まずは、ジン、君は私が見た限り職業は冒険者だ。なのになぜ君の周りには上級職の子達がいるのかしら?」

「そ、それはですねぇ……」

マーシュの方を見ながら助けを求める。

マーシュさん、どうか助けてください。

「嫌だわ」

「聲に出しちゃうの!?」

「噓をついたときは魔法で無理矢理にでも喋らせるわよ?」

「えぇ!?」

仕方ない……所々で偽って話すしかないか……

「わたりました……それはですね……」

それからは、自分のステータスの事についてや、どこに住んでいるのかを偽り、あとは本當の事を話す。

「そうだったのね……まぁいいわ。噓じゃないことはわかったわ」

ふぅ。なんとか誤魔化せたな……まだ何か訊いてくるのか?

「じゃあもう一つ。これは質問と言うより頼みに近いんだけど……」

「頼みですか? できる範囲なら引きけますよ?」

「それを聞いて安心したわ。なら単刀直に言うけれど、私異の方とお風呂にったことがないの。だから私とらない?」

「……ほえ?」

「だーかーらー、私と溫泉に行こうって言ってるのよ?」

マーシュは口を開いたまま直し、ジンは何を言ってるのか考えるのに必死で直する。へレーナの顔は、しだけ赤くなっている。

この人は何を言ってるんだ? 僕と溫泉に行きたいって言ったか? なんで僕? っていうかまずなんで僕? あれ? なんで僕?

「……早く答えを出しなさいジン! 行くの!? 行かないの!? ちなみに行かないって言ったら殺すわよ!?」

「行きます!」

「ならよし! あ、それと補足なんだけど、の子は付いてきちゃダメ! これはプライベートだからね?」

「はぁ!?」

「「はぁ!?」」

「レベッカさんにエレンさんの聲が!?」

そう思い、聲がした玄関の方を見ると、とんでもない顔をしたレベッカとエレンが口を開けて立っていた。

「何よ!? 私は今日初めて全く知りもしない男に聲をかけたのよ!? この長い人生、聲はかけられたことはいくらでもあるわ! でも斷り続けて160年。ついに私から聲をかけた子がとても優しい子だったから、この子と話したいと思ってお風呂にっただけよ! 何か悪い!?」

「「「……いえ何も……」」」

へレーナの乙チックな本音に、レベッカ達は迫力に負け、何も言い返せなかった。

ジンはただ、なぜへレーナにお風呂をわれたのかを、ひたすら考える。が、鈍なジンには到底理解し難いものだった……

その後は、ジンとマーシュの部屋で、五人全員で話し合ったり、用意してあったカードゲームをしたりして、へレーナとの友を深めた。

數時間遊び、ジンを除いた全員が寢落ちしてしまった。

「あらら……全員寢ちゃった……ってもう十二時過ぎてる! そりゃあ眠たくなるか……仕方ない。部屋まで送るか……」

まずは、レベッカをお姫様抱っこする、

「レベッカさん軽いな〜。それにいい匂い……っと、危うく変態発言をするところだった……」

起こさないようにゆっくりと運び、敷いてあった布団に寢かせる。

次にエレン。

「エレンさんも軽い! それに尾が気持ちよすぎる……っと、エレンさんが寢てる時にこれはまずいな……」

そして、エレンも布団へ寢かせる。

「よく頑張った。僕と僕の抑止力」

そしてジンは、その部屋を後にする。

あとは、マーシュとへレーナを布団へれるだけだ。

「ここ二人部屋だから布団が二つだけなんだよねぇ……」

仕方ないと思い、自分が寢るはずだった布団へへレーナを寢かせ、マーシュはその隣の布団へ寢かせる。

「僕は壁際で座って寢ればいいか……」

壁際までより、壁に背中をもたらせかけ、目を瞑る。が、全く眠れない。

「寢るれねぇよな……なんとかして寢るか」

だが、この後試行錯誤し、寢るための工夫をするが、気づいた時には既に、外で鳥が鳴いていた……。

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