《冒険者は最強職ですよ?》どうしてこうなった? 10

「おい噓だろ!? なんであのへレーナ=ワズさんが隣に男を連れてるんだ!?」

「それも風呂にだぞ!? 數多の告白を蔑ろにしてきたあのへレーナ=ワズさんが!?」

「キャー! へレーナ=ワズ様がお風呂で男と歩いてるわ!」

「あのぉ……これじゃあまともに朝食も食べれないんですけど……」

「こればかりは私もどうすることも出來ないわ」

「「「宿で朝食を取れれば……」」」

レベッカとマーシュとエレンは、小聲で呟く。

―それはし前の事。

「ふはぁ〜。あら、ジン、おはよ。朝早いのね」

「えぇ。なんてったって寢てませんからね……」

「何ですって?」

「なんでもないですよ。それよりへレーナさん。ヨダレがついてますよ?」

「ほえ?」

間抜けな聲を出しながら、口の周りをって確かめる。へレーナの口の周りはヨダレだらけだ。

「ジン。貴方は何も見なかった。いいわね? もし誰かに言ったりでもしたら微塵に吹っ飛ばすからね?」

「もはや脅迫ではなく殺害宣告ですよねそれ!? 絶対に言いません。死んでも言いません!」

「ならいいわ……」

そしてへレーナは、急いでヨダレを拭く。

それから數分後、マーシュも起き上がる。

「……ここはどこ? ……っは、宿か……」

「おはようございますマーシュさん」

「おはよ……すぅ……」

「二度寢した!?」

「私も……」

「へレーナさんも!? 僕も寢たい……のに寢れないっ!」

ジンは悲しくなり、もう時刻も8時を回っていたので、とりあえず自分だけでも朝食を取っておこうと、宿主へ尋ねに行く。が、ここでは朝食だけら作っていないと言う。また何とも珍しい事だ。

仕方ないと思ったジンは、財布を取りに部屋へ戻る。

財布を取り、寢てはいるが、一応聞いてるかもしれないと思ったジンは「朝食食べに行ってきまーす」と言うと、マーシュとへレーナが一瞬で起き上がる。

その數秒後、隣の部屋からは、レベッカとエレンが、早く行こうと言わんばかりの顔をしてやって來る。

「そ、そんなにお腹が空いてたんですね……」

そして、外を歩き出すと、周りの過ぎ行く人は皆、ジン立ちの方を見てざわざわとしだす。

そのざわざわが次第に大聲になり、大事となり、早く店にりたかったジン達は、近くにあった店へる。

―そして今に至る。

「へレーナさん。貴方が原因ですよねこれ……僕こんなにじろじろ眺められるのは嫌なんですけれど……」

「仕方ないじゃない……私、本當に異には疎かったから……」

「じゃあなんで僕に聲をかけたんです!?」

「だって……人通りのないベンチでさ、可い男がさ、座ってたらさ、勇気出して聲かけてみたらさ、いい子だったからさ……」

「いい歳して……160年本當に異とは付き合いが無かったんですね……」

「年齢は関係ないでしょ!?」

「わかりましたよ……そろそろ朝食が來る頃ですね」

「「「私達も會話に混ざりたい……」」」

「なんか言いました?」

「「「お腹空いたなって……」」」

「そうですか!」

レベッカ、マーシュ、エレンは、はぁと溜息をつく。

へレーナは、160年間、一度も験したことの無い験をしており、心底嬉しそうだ。

ジンは、今になって睡魔が到來し、うとうとしていた。

それから暫くして、朝食が運ばれてきたため、朝食を食べる。食べ終わったら、すぐに會計をして店を後にする。

どこへ行こうにも、周りの目が気になってしまい、なかなか自由にけなかったため、夜の時間まで宿で、時間を潰すことにした。

宿へ戻り、五人はジンとマーシュの部屋で円になって座っていた。

「これだと溫泉へ行けませんね……」

「そうね……人気の無い溫泉があればいいですけど……」

「ないことはないわ。ただし……」

「あるんですか!? それはどこですか!?」

「それはね……神の湯という所よ」

「神の湯? ……ってどこにあるんです?」

「ここには一つ、大きな神社があるの。そこは神様を奉る神社でね? そこにこの町の中では最高の溫泉があるのだけれど、そこは神様のために用意したもの。だから私達がることは固くじられてるのよ……」

「「「ん? 神様だって?」」」

「何よ……三人仲良く聲なんか揃えちゃって」

エレンもキョトンとした目でジン、レベッカ、マーシュの三人を見つめる。

「レベッカさんどうしますか……」

「だめよ。これは誰にでも話せるものではない。だから卻下よ」

「私もそれに賛です」

「さすがに今回のは話すほどよ事でもないですからね……へレーナさん、そこは卻下で」

「ま、まぁ最初から行く気はなかったのだけれど……」

へレーナは、どうして三人で話し合ったの? という顔をしているが、ジン達は知らんぷりをする。

まぁなんでかって言うと、神のために用意された溫泉があるなんて言ったら、あのバカ神は調子にのるからなんですけど……

『へっくしょぉぉん! わぁ!? 鼻水が両方の鼻から出ちゃった!?』

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