《冒険者は最強職ですよ?》もう負けない 8

ムルドを倒し、もう周りに敵影が無いことを確認すると、ジンはレッド達が避難した城へと戻る。

"龍人化"を解除し、次に"赤龍の力"も解除する。全から、赤い鱗が消え、オーラも宙へと消えていく。

力を解除した瞬間、にどっと疲れが押し寄せる。それに思わずジンは、膝に手をついてしまう。

「これはやばいなぁ……"龍人化"は本當にピンチの時だけにしよう……」

息も荒く、中々呼吸が整わない。

それでも、歩くだけの力はあったため、ゆっくりと城へと歩いていく。

城へる手前、一度先程まで闘っていた戦場に目をやる。

「あれより強いのがまだいるのか……これで當分は大丈夫だと思うけど」

し安堵し、微笑んでから城へとる。何処にいるかを、気をじて探し、その場所へと向かっていく。

「ここにいるなぁ。……て、何で僕の部屋?」

し疑問に思ったが、ジンはノックすることもなく、堂々と室する。

「皆さん僕の部屋だ何をして……」

扉を開けてみると、中で皆がトランプをして遊んでいた。そして、ジンがってきた瞬間、目が合って、みんな揃って「あっ」という聲をらす。

「ほほぅ? 僕が死に狂いで闘っていたのにも関わらず? まさかのトランプでお遊びをしていたと?」

ジンは怒りを顕にしながらそう尋ねる。皆は、手を止めて沈黙を続けている。

「なんか答えたらどうですか?」

そして、更に沈黙が続き、その場の雰囲気がとても気まずくなる。そして、その沈黙を、レッドが破る。

『違う。これはだなぁ、気を紛らわせるために皆で占っていたのだ。どのカードを引いたら安全か、という占いだ。ほら見ろ? ジョーカーだ。これなら安心という意味の……』

「ほう? そんな言い訳が通用するとでも? 苦しい言い訳ですねぇ?」

『だから言っただろ? これは占い……』

「誰が言い始めたのかを教えてくれたら、その人を許してあげますよ?」

「「「「レッドさんとホワイトさんです」」」」

『『なっ!?』』

「ま、噓ですけど。皆一緒にやってたので同罪です」

「「「「なっ!?」」」」

『『ざまぁみろ!』』

「レッドさんと、ホワイトさん。貴方達はこの四人よりもきついお仕置きをしますから、ご覚悟を」

『『なっ!?』』

「當たり前でしょ? 言い出しっぺが悪いのは當然ですから。その四人は……」

『待てジン。確かに我は、気を紛らわせるために何かをしようとは言った。だがな、このカードをやろうと言ったのはレベッカだ』

「えぇ!? ……ま、まぁ確かに? トランプをやろうって言ったのは私よ。でもトランプを持ってたのはマーシュよ」

「私は……確かに持ってましたよ? でもね、ケースを開けてノリノリでシャッフルし始めたのはへレーナさんよ」

「待って、私にシャッフルを頼んだのは、ジャンケンに負けたエレンよ。私はシャッフル出來ないと言ったから、仕方なくやったのよ?」

「わ、わわ、私は……そのぉ……」

 

「まぁ大わかりました。とりあえず皆悪いんですね? それならもういいです。皆を叱ります。覚悟は出來てますか?」

『私は呼ばれてないからここからおさらばを……』

逃げ出そうとするホワイトの襟を、ジンは摑んで部屋へと連れ戻す。

「何逃げようとしてるんですか? はいそこに正座。ほらほら、早くしてください?」

この時、レッド達六人は、全員確信した。絶対にジンを怒らせてはならないと。

「じゃあとりあえず、今晩は皆さん夕食抜きでいいですね? それと、僕の部屋にはらないでくださいね? もしったら口の中に剣をぶち込んで往復ビンタをします」

『そ、そんなの橫暴だ! 我は師匠だぞ!? 我が隣で寢なきゃ誰がジンの様子を……』

「は? そんなもの僕一人で管理できます。それに、師匠なら、心配して、闘いが終わったらすぐ駆けつけてくれるくらいの事をしてくれてもいいんじゃないんですか?」

『そ、それをしようと思ったら止められたのだ!』

その発言に、レッド以外の皆が口を揃えて、「いいえ、言ってません」と発言する。その発言に、レッドはし涙目になり俯く。

「良し。もう僕は疲れました。お風呂に行ってきます。絶対にってこないでくださいね? 僕、プライベートの時間は邪魔してしくないので」

そう言って、ジンは力強く扉を閉め、ドスドスとお風呂へ向かっていった。

ジンが出ていき、力が抜けたレッド達は、正座を崩し、一言だけ呟いた。

「「「「『『ジン、怒らせるとめんどくせぇ!!!』』」」」」

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