《冒険者は最強職ですよ?》もう負けない 9

「はぁ、あそこまで言えばもう二度と、僕の一人の時間を邪魔されずに済むだろう! ちょっと悪い気もするけど、まぁ僕の一人の時間が作れるなら良いや!」

部屋を出てから、スキップをしながらお風呂場へと進んで行く。

「あ、著替え……まぁ後で取りに行けばいいや。どうせ皆僕には當分絡んでは來ないし。良しっと」

お風呂へ著くと、場で一瞬にして服をぎ捨て、ずかずかと浴場へと向かう。

勢いよく場のドアを開け、「風呂だぁー!」とびながら、浴槽へと飛び込む。高校生だと言うのに、なんと子供じみているのか。

「ふぅ〜、極楽極楽……」

肩まで湯船に浸かり、今日の闘いの事をし振り返る。

「今日の闘い、正直あれがまだ僕の限界……それに、"龍人化"にも限界はある。まだレッドさん達には知られてないし、知ってるのは"赤龍の力"だけ。このユニークスキルの事、いつ打ち明けようか……」

ジンは悩んでいた。これを言おうか言わないか。確かに、言ってしまっても特に、と言うより全然問題は無いのだが、そうなると、また自分に頼られてばっかになると思った。

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ジン以外の皆も、ここまで頑張ってきた。それなのに、自分ばかりが、この力に頼ってしまうと、皆の努力が無駄になってしまうと思った。

「ま、それは自意識過剰か……訊かれたら答えるぐらいでいいか」

ジンはそう決意し、を洗うことをうっかり忘れていた為、を洗いに一旦湯船から出る。

それから再び湯船に浸かり、目を瞑って聲に出さずに考える。

この先、こういう戦闘があと何回続くんだろう……もし、もしもレベッカさん達のうち、誰かがピンチになったら、自分は助けに行けるのか……ダメだこんな事をは考えちゃ。守ると決めたんだ。助ける時は助けなきゃ。

そんな事を考えているに、ジンは眠りについてしまい、暫くの時間が経つ。

「……あっ、うっかり寢ちまった。そろそろ出るか」

場へ向かい、予め置いてあったタオルでを拭く。服を持ってきていないことを忘れており、ジンはつい癖で、いだ服をれる籠に、手をばしてしまう。

「あ、そうだっけ……服を忘れて……あれ? 服がある」

誰だろう、まぁいいや。多分エレンさん辺りだろう。後でこっそり訊いておこう。

ジンはすぐに著替えて、再び自分の部屋へと戻る。

「さすがにもう居ないよな?」

ドアの前で気を探り、中を確かめる。良し、誰もいない。

部屋にり、もう疲れてくたくただったため、すぐにベットに橫たわった。

もう眠い……寢るかな……

そして、ジンは、深い眠りにつく。

翌朝目が覚めると、ゆっくりとを起こし、欠をしながらばした。

「ふわぁ〜! こんな朝はいいなぁ〜! 誰もいないって素晴らしい!」

布をどかし、お腹が空いたため、食卓へと向かう。

「お腹空いた〜お腹空いた〜、腹が減ってはいっくさっはでっきぬ〜」

変な歌を歌いながら、食事部屋へとっていく。そこで、思いもよらぬ景に、ジンは戸ってしまう。

「あ、あのぉ……どうして皆さん揃って正座を……(あ、そうか。昨日僕が怒ったから、それでか……ならば)、んっんん。何か言うことが僕にあるんですか?」

そう訊くと、レッドがもじもじしながら、先陣を切って喋り出す。

『あのだな……昨日は遊んでいて申し訳なかった! それでもだ、皆心のどこかで心配しておったのだ! これは本當だ! 我も心配で仕方がなかった……』

それは顔見れば分かりますよ。このまま続けさせるか……

『でもな、それと同時に期待しておったのだ。お主なら勝てる。お主ならやり遂げてくれる。その期待もあってあの様な行に出てしまったのだ……すまなかった!』

それに続けて、皆も、一言ずつ誤っていき、土下座をしていく。

さすがにここまでされたら、僕も許すしかないよな。これ以上は僕もさすがにいじれない。

「……わかりました。顔を上げてください。……ってえ!? な、なに泣いてんるですか皆さん!?」

なんと、顔を上げさせると、みんな揃いも揃って大號泣していた。ジンも泣くことはないと思っていた。

「え!? ちょっ、えっ!? すいません! 僕が悪かったです! ちょっ、だから泣かないで!? あわわわ!?」

『だっでぇ、だっでぇ、もうジンが、口を聞いてくれないと思ったから……ぐすっ……もうジンが、どっかに行ってしまうと思ったから……ぐすっ……』

「ど、どうしてそこまで話がでかくなってるんだ!? 何処にも行きませんて! 皆の事を置いてどこかに行くわけないじゃないですか!」

『本當か? ……ひっく……』

「本當ですよ! 大好きな皆の事を置いていくわけ……泣き止むの早!?」

その一言に、皆の泣いていた顔が、一瞬にして笑顔になる。

「「「「『『今なんて言った!?』』」」」」

「え、えぇ! 皆の事を置いていくわけ……」

「「「「『『その前よ!』』」」」」

「その前? ……ええっと、大好きって……ちょっ、なんで抱きついてくるの!?」

この後は、皆仲良く朝食をとり、元気に訓練に取り組むのであった……。ジンは鈍すぎて、なんであんなに元気になったのかは、謎のままだった。

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