《冒険者は最強職ですよ?》魔界に乗り込みます! 2

『でも近々と言っても、あと二、三週間してからだ。今は準備に躍起になっている。まぁなんで分かるかって訊かれたら、それが我の力だとしか言えん』

「魔王軍……それは、どれくらいの數ですか?」

『わからん。だが、一つだけ言えることは、今までの比じゃないくらいの數は來ると思っておけ。そうだなぉ……數萬は覚悟しておけ』

「そ、そんなにですか!?」

『あぁ。それも、かなり強化されたモンスターや、魔王に改造された奴もおる。其奴らは厄介だ……それに、多分魔王の側近が來る。奴は強い。我では勝てない』

「ブラックさんでも勝てない……そう斷言出來るほどに強いんですよね?」

『あぁ』

「そうですか……」

その軍の中に、もしも……もしもランと神様がいるのなら―

そう考えるが、みは薄いだろうとジンは考える。それもそのはず、わざわざ手にれた貴重なものを、みすみす手放すわけが無い。そう思うと、ジンは今にもし落ち込む。

『……ジンよ。そう落ち込んだ顔をするな。なに、我がおるだろ? それに他の仲間とおる。なら心配はいらぬだろ?』

「はい、そうですね!」

そう勵ますレッドの気持ちは、素直に嬉しい。だが、違うのだ。それだからジンは心配なのだ。

違いますよレッドさん……仲間がいるから心配いらない、ではなく、仲間がいてしまうから心配なんです……もう、絶対失いたくない。だから、誰か一人でもここから離れてしまうと困るのです……

レッドや、レベッカ達はワイワイやって笑顔だが、ジンだけはどうしても笑顔にはなれなかった。その橫顔を、ブラックは橫で見ていた。そして、聲を掛ける。

『ジン。お主は本當に良い冒険者だ。そして、良いリーダーだ。その気持ち、絶対に忘れてはならぬ。皆が思ってなくてもお主だけは思っておけ。だが冷靜さは欠かすな。それが出來れば、お主なら皆を助けられる。だろ?』

「ブラックさん……そうですね、僕は絶対に忘れません。だから、時間までびっちり特訓して、しでもレッドさんに近づけるよう、努力したいと思います」

『そうか……頑張るが良い。ここから二週間から三週間、我も共に特訓に付き合ってやる。お主の力も気になるしの?』

「本當ですか? なら、是非ともお願いします!」

『あぁ。今は飯だ。腹が減ってはなんとやらだ。食って寢て英気を養うんだ』

「そうですね!」

そうして、ジンは走って食卓へと向かう。その背中を、ブラックは見て小さく呟く。

『お主なら、何かをし遂げてくれそうだな……もしかしたら、魔王なんてあっという間に蹴散らして、世界に平和を齎してくれるのかもな……』

そうして、今日一日が終わる。

翌日、ジンは早朝からレッドに引きずられ、特訓部屋へと連れていかれる。まぁいつもの事だ。もう慣れた

部屋にると、そこにはストレッチをしたブラックの姿がある。

「あれ、ブラックさんも參加するんですか?」

『ん? あぁ、我もやるぞ。お主の力が気になるからなぁ?』

「それじゃあ、僕と組手をするって事ですか?」

『そうなるな。我は全力でいく。レッドには遠く及ばないが、ホワイトとはそれなりにやりあえるぐらいだからな。まぁそう期待はせんでくれ』

「いやいや、ホワイトさんも充分に強いですよ!? 何度がやらしてもらいましたけど、僕は本気だったのにホワイトは、ニコニコしながら闘ってましたからね!?」

『ほう? ちなみい言っておくがな、奴はそれが本気の証拠だ。ニコニコ笑ってる時は大抵本気の時が多い。そこまでさせるとは、これは我も負けてはおれんな』

「まぁブラックさんの力は僕も気になってましたし、いい機會です! 正々堂々、バチバチにぶつかりあって闘いましょう!」

『あぁ。楽しみだ。おいレッド! お前は審判を頼む! それと、お主も混ざりたかったら適當にれ。それでも構わんだろジン?』

「はぁ!? ブラックさんとレッドさんを両方相手にするとかむ……」

『おぉ! それは名案だなブラック! 我もジンとやりたくてたまらなかったのだ! というか、最初から混ぜてもらうわい! それと、我も本気で行くぞ?』

「はぁぁあ!? ちょっ、まっ、えっ!? 本気!? 今までは僕に合わせてくれてたのに、今は本気!?」

『當たり前だろうが! ブラックが本気と言っているのだ! 我も本気でやらなくてどうする!』

「いやいや、そんな自信満々に言われても!」

『では始めるぞ! おらぁぁ!』

「まだ心の準備が……あああああ!!」

そこから、ジン対ブラック、レッドの闘いが始まりった。

    人が読んでいる<冒険者は最強職ですよ?>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください