《冒険者は最強職ですよ?》魔界に乗り込みます! 9

翌日、目が覚めると、目の前に陣がずらりと並んでいた。まだ昨日のかくれんぼが続いていたらしい……

「な、なんです?」

「貴方、昨日なんでずっと隠れてたんですか?」

「いや、それはレベッカさん達が追いかけてくるから……」

「ふーん……貴方、本當に神様の救出方法を教えないのね?」

「教え……はぁ、もう分かりましたよ。しつこいのは嫌なので、もう教えますよ」

「初めからそうしなさい?」

なんで上から目線なんだ? って言うか、その事で僕を捕まえようとしてたのか……ちっちゃ人達だなぁ……

「これは、神代行のエルさんに教えて貰ったんですけど、どうやら、神様を助けるには、僕のキスが必要らしいです。そうすれば、正気に戻るって言ってました」

「えっ!?」

それを聞いた陣は、皆同じ顔をし、同じ反応をした。

「き、ききき、キスですか!?」

なぜ顔を赤くするレベッカさん。それに皆も。まぁレッドさんは特に変化なしか。まぁ毎日してるから今更どうでもいいのか。

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「そうです。分かりましたか? これでもう僕を追いかけなくてもいいですよね?」

そう訊くと、何故か皆で円になって會議が始まった。なんだなんだ?

數分後、意見がまとまったのか、レベッカが代表してその答えを言うらしい。

「あの、レベッカさん?」

「ジン……」

そこまで言うと、レベッカは顔を赤くして、近寄ってくる。

何をされるかと顔を見ていると、突然を奪われる。訳が分からん。それに、何故か陣は、皆、驚いた顔でこちらを見ている。

「ちょっとレベッカ! 話が違うじゃない!?」

「ファーストまではいきませんでしたが、セカンドは私のものです。はっはっはー!!」

『それは我も許さんぞぉ!』

おいおい! レベッカさん、そんな強く抱きつかないで! む、がぁ!

「次はわたしよぉー!」

へレーナさんが飛び込んで來た!? レベッカさんがぶん毆られて飛んでっただと!? うっ、うう……まさかこれ、全員にキスされるんじゃ……

それからは長かった。ジンは結局、陣全員と、無理やりにさせられてしまった。最古の方では、ジンはもう意識が半ば飛びかけていた。

する事が終わると、陣は「よっしゃ頑張るわよ〜!」と人聲掛けながら部屋を出ていった。

もう何でもいいや。助けて、ブラックさん……

その後は、特訓をして、晝食をとって、また特訓をして、夕飯を食べ、風呂にって寢ると言う生活が続いた。時々、陣と試合形式で闘ったりしたが、全てジンの勝利だった。

そして、時は経ち、魔王軍襲來が明日となる。

ジンは、気持ちを落ち著かせるために、ベランダに出て、空を眺めていた。

「みんなは寢たな……ま、僕は目が覚めただけなんだけど……。はぁ、遂に明日か〜……果たして上手くいくのだろうか……」

正気、ジンは怖かった。自分が闘う事に恐れているのではない。仲間を失う可能がある事が怖いのだ。もう二度と、失わないたくない。その気持ちがあるからこそ、失うのがとてつもなく嫌なのだ。

「みんな、絶対に生き殘ってしい……これは我が儘か……全ては自分次第、守るのも守られるのも。魔王軍は皆手強い。でも……」

ジンは空を見上げ、無數に空に広がる星を眺め、吐息を吐く。

ダイコさん、ネイン、見ていますか? 僕達は明日、魔王軍との全面戦爭が始まります。正気怖いです。ですか、僕は挫けません。なので、天國で応援していてください。その応援が、僕達の力になります、希になります、勇気になります。だから……

そしてジンは、目を瞑り、願い事をする。願い事が終わり、目を開け、大きな欠をする。どうやら眠気が來たらしい。

「よし、寢るか……」

ジンは自室に向かい、就寢する。

―そして、決戦當日、

「良し、みんな揃ったな……」

それぞれに、必要最低限の道と裝備を持ち、皆で頷いて意思確認をする。

「では、出発します。絶対にチームでいてください。もし、誰かが重癥を負ったなら退避、即座に治療魔法です。いいですね?」

大雑把に容を確認し、皆、頷く。そして、ジンのチームと、レッドのチームに別れ、ジンチームはブラックの背中に、レッドチームはホワイトの背中に乗る。

『では、出発するぞ』

そして、ジンたちは目的地目指して飛び立つ。

皆、それぞれの思いをに、戦場へ向かうであった。

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