《冒険者は最強職ですよ?》魔界に乗り込みます! 16

門の前まで移したジンたちは、何が起こるかわからないため、いつでも戦闘が出來るように、武を裝備した。

特に何も起こることは無く、シーンとしたその辺り一帯は、ジンには何か起こる気がしてならなかった。

ここに來てから、モンスターに殆ど合わないのはなぜだ? 門だけがポツンと置いてあるのは何故? いや、考えすぎも良くないか……。

『著いた。休憩は無しだ、るぞ』

そうこう考えていると、門へたどり著き、レッドが人の姿になり、扉を躊躇なく開く。そして、その門の先に見えるのは……。

『こ、これは!』

「どうかしました?」

扉を開いたレッドが、ものすごく険しい顔をし、何かと思っていると、突然龍の姿に戻り、耳がんばかりの咆哮をし始める。

『この門は口だったんだ!! 魔族が攻めてくるぞ!!』

「ま、魔族? 口? 何が何だか……」

『細かいことは今は訊くな! それよりも流れ込んでくるぞ!』

レッドが後方へ飛び、門から距離を取る。そのあとを続くように、皆も門から距離を取る。レッド以外、何が來るの理解ができない。だが、何となく察しはついた。

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距離をとって數秒後、ようやく門の向こうを見ることが出來たジンは、その景に絶句した。

それは、武裝した魔族やモンスターが無數におり、その者達がこちらへ向かって一斉に走っている景だつた。

それを見たジンや、他のものは、狀況を瞬時に理解し、それぞれのユニークスキルを発し、オーラを纏う。

張し、手が震える。地面は見えない。背景も見えない。ただただモンスターや魔族が見えるばかり。言葉通り、數の暴力というやつだ。

だがそんな時、レッドの言葉に、気持ちが切り替わる。

張はしろ。でも焦るな、冷靜でいろ。大丈夫だ! お主らは何のために訓練した? 何のために強くなった? それをここで思う存分発揮しろ。なぁに、死にそうになったら我が助けてやるわい』

その言葉に、その場の一同は、深呼吸をし、目付きを変える。

モンスター達が門を超えるまで殘り數メートル。そして、レッドのび聲が合図となり、始まる。

『戦爭の開始だぁぁあ!』

門から出てきたモンスターは、一瞬にして目の前視界を覆い盡くす。空を飛ぶモンスターも、同時に現れ、何の躊躇いも無く攻撃を仕掛けてくる。

だが、その視界いっぱいに覆い盡くされたモンスター達は、レッドの魔法で消し飛ぶ。一瞬にして地面が姿を現し、の一滴も殘っていない。

『我を誰だと思ってるのだ?』

だが、止まることをしらないモンスター達は、次々に攻撃を仕掛けてくる。その度、レッドが魔法を使っては消し飛び、また現れ、また消し飛ばされる。それを何度も繰り返し、ようやく門の向こうの景が見え、目に映ったものに驚愕する。

レッドが最後の軍勢を消し飛ばしたのと同時に、皆もそれに気づき、立ち盡くす。

「あ、あの建は、もしかして……」

『そう、そのもしかして、だ。あれが魔王城だ。前とし違うり方だったのだな……』

最後になんて言ったのかは聞き取れなかったが、目の前のが魔王城と知り、溢れ出んばかりの殺気は、門の外からでも伝わってくる。

『さあ、ここからが勝負どころだ。さっき言ったことを忘れるな。では、門を潛るぞ』

皆は頷き、強く一歩を踏み出す。そして、門を潛り、ガラリと変わった目の前の風景に圧倒されながらも、目の前にそびえ立つ魔王城を見上げる。

「これが魔王城……ビリビリ伝わってくるこの殺気。魔王を目の前にしたとしたら……」

『そう怯えるな。ここでこまっていては、魔王を倒すどころか、魔王幹部も倒せないぞ?』

「わかってます」

「怖いわね……でも、もう後戻りはできない」

「そうですよレベッカさん。もう後戻りはできませんからね?」

「そう言うマーシュこそ、手が震えてるぞ?」

「ふ、震えてませんー!」

「いえ、あの、私も震えてるので仲間ですね、マーシュさん!」

「だから震えてないですぅ!」

『そんなお喋りが出來る余裕があるなら心配ないな。ブラック、ホワイト、お主らも大丈夫だな?』

『我は龍だ。怯えるわけがない』

『私もよ〜! サポートは任せてねぇ?』

『ふんっ。まぁそうよな。大丈夫に決まっておるか。ではジン、行くぞ』

「はい!」

待っててください、ラン、神様。今から助けに行きますから。絶対、助け出しますから!

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