《冒険者は最強職ですよ?》決戦の始まり 3

「これで全員、各々の敵の元へと行ったかな?」

『余裕ぶるのもいいですけど、そんなに隙だらけだと私に呆気なく殺されてしまいますよ?』

「そう言って殺しにかかってこないだろ?」

『フッ……まぁいいです。時間も掛けたくないので、ちゃっちゃと始めましょう。行きますよ、神』

『…………』

やはり神様か……でも返事も何もしない? まだ意識があって、なんとか抵抗しているのか? なら、まず優先するべきなのは……。

神様の救出!」

ジンは地面を蹴り、ハルッドの目の前まで一瞬で移し、剣で、鋭く斬りにかかる。が、ハルッドは難なく避け、カウンターを狙って、右手に持つ杖を、顔に向けて振るう。ジンは、その攻撃を、もう片方の剣でガードし、一歩下がる。

下がると同時に、橫から乗っ取られた神が、凄い勢いで、斬りかかってくる。

神様にはあまり手を出したくない……!

ジンはギリギリで躱し、し加減をして、ハルッドの方へと蹴り飛ばす。

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そして、蹴りをした瞬間、ハルッドはそこにはおらず、ジンは見失う。

どこだ!? ……後ろ!

気づいたがそれは遅い。剣で背中を守ろうとするが、間に合わず魔法を背中に食らう。

「クッ……」

凄い勢いで飛んで行くが、壁に當たる寸前、勢を立て直し、壁を足場にして跳ね返る。

『なっ!?』

そのあまりにも予測不可能の行に、ハルッドはワンテンポ反応が遅れる。

ジンの斬撃は、ハルッドのから腹にかけて斬り、が吹き出す。

『うわぁぁあ!!』

ジンは、著地し、すぐに振り向き、両手剣を構える。その出だと、すぐに死ぬだろう。そうジンは思った。だが……。

『なーんちゃって?』

「は?」

痛がった振りをしていたハルッドは、ジンの方へ振り返ると、傷口をわざと見せびらかす。

「おいおい噓だろ?」

『現実ですよぉ? まぁ最も、し魔王様から力を頂いているのですが?』

その傷口は、キレイさっぱり塞がっていたのだ。服は確かに破れている。だが、傷口は一切なく、ハルッドはピンピンしている。

「…………」

『ビックリして何も言えませんか? そうでしょうそうでしょう。何せ、傷口が塞がってしまうのですから? 戦意喪失するのもわかりますよ?』

ジンが立ち盡くしている間に、ハルッドは神(魔族のの姿)に指示を出し、ジンへと攻撃を仕掛ける。

『呆気なかったですね。もうし楽しめると思ったのですが』

そう言って、ハルッドは持っていた杖を両手で橫に持ち、左右逆の方へと引っ張ると、鋭く尖った刃が現れる。

そう、仕込み刀だ。その刀を高く振りかざし、縦一戦に切り下ろす。ジンは綺麗に二つに斬られ、死んだかのように見えた。

『抵抗もしない……いや、が無かった。っと言うことは……』

「後ろだ」

ジンは突然、ハルッドの後ろへ現れ、ハルッドを真っ二つ両斷する。

「お前が斬ったのは俺の殘像。僕も甘く見られたものだな……」

ぼとりと、ハルッドの上半が落ち、下半も力なく崩れ落ちる。が、すぐに再生を始めようと、下半が勝手にき出す。

うわ気持ち悪ぅ! ゴキブリより生命力あんじゃねぇの!?

真っ二つにしても死なないとわかった以上、今しかチャンスはないと思い、神救出へと向かう。

神(魔族のの姿)を探すと、何故かぽつんと立ち盡くしており、一歩たりともこうとしていなかった。

今がチャーンス! もうここしかない!

ジンは即座に武をしまい、神(魔族のの姿)の元まで行き、言われた通りにする。

カーッ! こんな戦場でこんなことしてるなんて恥ずかしいぃぃぃ!!!

ジンは勢い任せにキスをし、「神様早く戻ってきて!」と心すごく思いながら続ける。

すると、魔族のの目が白目を向き、全の力が抜け落ちる。それと同時に、口の中からの玉の様なものが突然出てきて、ジンは後に退く。

「め、神様なの!?」

そのの玉は、ジンの口の中へと勢い良くって行く。

それから數秒後、の奧底から力が湧き出し、赤いオーラが更に大きさを増す。

『戻ってきたわ! べ、べべ、別に、さ、寂しくなんか無かったんだからね? こ、怖くなんか無かったんだからね!?』

神様だぁぁぁぁあ!!!」

『ただいま、しきジン!』

「おかえりなさい! 我らが神様!」

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