《冒険者は最強職ですよ?》どこまでも強く、いつまでも強く 1

「……って、じで、何とか敵を倒したわけです」

一通り、皆、それぞれ闘った相手のことを話し、自分の合やらなんやらを自慢した。

「まぁ、その話はその辺に。次は、ランを助けに行かなければね」

「はい。地下牢に居るらしいのですが……」

「どんな事をされたのか……場合によっては、最悪の事も……」

「それだけは、無いことを祈ります」

ランを知るものは、皆、きっと酷い狀況にあるのだろうと、そう思っている。ジンも同じだ。

『そのランとやらを探すのはいいが、まず地下に行くための道を探さなければならないのだろ? ここは広いぞ? 手分けして探すか?』

「それがいいかもしれません。ですが、最低三人か4人で組んで貰いたいです。何が起こるかわからないので」

「なら、私は、ジンと……」

「一緒に行きたいのは山々ですが、ここは我慢してください。効率を上げるため、僕は一人で。へレーナさんは、レッドさん、マーシュさん、エレンさんと。レベッカさんは、ブラックさん、ホワイトさんとでお願いします」

『うむ。我も一人で良かったが、仲間が心配だからな。その組み合わせで行こう』

「はい、お願いします! ……へレーナさん、そんなに落ち込まないでください? 落ち込んでるともう一緒に居ませんよ?」

「私頑張るわ!!!」

「その調子です。では、早速きましょう」

それぞれ分かれ、地下を探すために、猛ダッシュで城の中を駆け巡る。

十分、二十分、どんどん時間は過ぎていき、同じ部屋に何度もったりしてしまう。

更に時間が過ぎ、一時間を過ぎようとしていた頃、ジンは頭を抱えながら歩いていた。

「見つからない……気も上手く探れないし、まさか、地下ってめちゃくちゃ下にあるんじゃ……」

『それはあるかもしれないわ。私も、全く気を探れない……』

「ですよねぇ……まぁ、仕方ないので、また同じ場所に著くかもしれませんが、探しますか……」

『そうね……』

「はぁ……どうしてこうも広いん……だ?」

『どうしたの?』

「この部屋、目印が付いてません。まさか、初めて來る部屋か!?」

『勢いよくりましょう!』

「たのもぉぉお!!」

初めて來た部屋に、イキイキとしながらるジンは、その景に言葉を無くす。

「何も、ありませんね。あ、でも、今まで見たどの部屋よりも、狹くじます」

『そう? 私にはわからないわ?』

「まぁいいです。壁に沿って歩きます。ついでに、壁をベタベタれながら行きますか」

そうしてジンは、その部屋を一周してみることにした。ゆっくりと壁を調べ、どこか模様がおかしくないかなど、くまなく探す。

四分の三が探し終わり、殘るは、一面となった時、ジンは、し違和を覚える。

「あれ? なんか、ここの壁の模様だけやけに汚れてる……なんでだ?」

その部分にれると、壁が奧に凹み、ガチャんという音をたてると、ガガガガと床がき始める。

「あらら、なんか當たりだったらしいですね。簡単すぎね?」

『もしかしたら、魔王は頭が悪いのかも?』

床が開き終わり、階段が姿を表す。ジンは、恐る恐る、罠が無いかを確かめながら進む。すると、數段階段を降りた時、何故か、一段の階段が下へ沈み、ガチャんという音をたてる。

「あっ」

気づいた時にはもう遅い。床が閉じ始め、ジンは冷や汗をかく。

『ねぇ、ジン。あなた、阿呆なの?』

「何のことだかさっぱり」

『ばーかばーか。暗くて何も……』

神が喋っていると、階段の壁に付けられていた、蝋燭が火を燈す。

「実は、これを知ってて、わざとスイッチを押したんです。本當ですよ?」

『……馬鹿なの?』

神に散々罵倒されながら、ジンは階段を降りていく。かなり下まで來たが、まだ先は長い。どこまで降りるのだろうか?

更に階段を降り、時間が経った頃、ようやく階段の終わりが見えてくる。

「やっと終わりだ!」

階段が終わり、次に待っていたのは、先が見えない一本道。

「……さ、また歩くぞぉ……」

『ジン、そのぉ……ファイト!』

何も心のこもっていない応援をされつつ、ジンはひたすら一本道を歩く。だが、呆気なくその道は終わり、鉄の扉がある場所へと辿り著く。

「開けますか」

ギギギギと音をたて開く扉。その扉から、隙間ができた瞬間、異臭が鼻を突く。

「うわっ!? くっさ!」

『我慢ね。(臭いをじなくて良かった)』

「今、臭いが分からなくて良かったって思いましたね?」

『な、何のこと?』

まぁいいや。とりあえず、ランを探すかな……。

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