《ガチャって召喚士!~神引きからはじめる異世界ハーレム紀行~》第一話 召喚ガチャ

いつもスマートフォンを片手にゲームに勤しむ。

時にはアニメを見ながら、時にはSNSをしながら、

時には食事をしながら、時には買いしながら。

そう、押上おしがみ 優斗ゆうとはソーシャルゲームに生活の全てを注ぎ込む、所謂ソシャゲ廃人だった。ゲームのイベントに合わせて生活し、大事なイベントがある際には大學のテストすら欠席してゲームをしているほどである。……そして今まさにその狀況だったりする。

「ラッキー、今日引いた十連ガチャSSRエスエスレア3枚も出たじゃん!」

そんなことを言いながらネット上の仲間に自慢するために、畫像付きのスクリーンショットをSNSにあげている。案の定一部の引けてない人たちから叩かれるのだが、それもまた快であった。

そのままイベントを進めていたが、さすがに午前三時ともなると眠くなる。気力を振り絞ってゲームを続けようとするが、いつしか夢の世界へと落ちていった。

――――――――――――――――――――

どうやら寢落ちしてしまったらしい。欠をしながら目を開けると、何かがおかしいことに気付く。

「あれ!? スマホがなくなってる、やばい!!」

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パニックになって驚いたが、よく見ると他にも驚くべきことがあるようだ。

まずいる場所がおかしい。家のベットで橫になりながらゲームをやっていたはずなのに、なんかここは中世ヨーロッパのような街並みである。目の前にある噴水からはチロチロとしだけ水が流れている。

それにしてもまだほとんど眠れていない。夜中まで起きていて、明け方に目が覚めているんじゃ當たり前だ。

……周りの狀況は気になるけど、俺のほかに人は見當たらないしとりあえずここでもうひと眠りするか。明るくなって人が集まってからのほうが探索もはかどるだろうし。――よし、寢よう!

そう考えてから、実に一分以に再び眠りについてしまった。

次に起きたときには俺の周りに人だかりができていた。もうすっかり日は昇っている。

「これって異世界から來た人間か? おーい! 異世界からの冒険者君、こんなところで寢てるなんて命が惜しくねえのかよ! 危ないぞ!」

「一晩中この広場で眠っていたのか!? いつダンジョンから流れてくるモンスターに襲われてもおかしくないってのに……」

しガラの悪いおっちゃんと、ひ弱そうな兄ちゃんがそんなことを言ってきた。

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「俺、押上おしがみ 優斗ゆうとっていうんだけど、この世界の事全然わからなくって……。よかったらどんなとこなのか教えてほしいんだけど」

「オシガミユート? なんか長ったらしくて呼びにくいな。ここの町に異世界から來た人間は大冒険者になっているぞ。……冒険者はいいぜ! 稼げるしな。今度話を聞かせてやるからうちの酒場で一杯飲みに來いよ。えっとオシガ……なんていったっけ?」

「あ、俺の事はユートでいいですよ。……俺は冒険者を目指せばいいってことですね! 何をすればいいのかよくわかりました。ありがとうございます」

冒険者ってなんだろうってちょっと思ったけど、こういう展開はラノベで見たことがあったからなんとなくわかる。

きっとクエストをやったりモンスター退治をして賞金を稼いだりして、うっはうはになるやつだろう。

その後も俺は広場に集まった人たちと話を続け、すっかりこの世界の人たちと打ち解けてきた頃に、人だかりを分けって進む如何にもシスターですって人が現れた。

「異世界からの冒険者が來たっていう噂は聞きつけたわよ。君がユートね? 私は異世界からの放浪者の案役を務めてるの。……異世界から人が來るなんて二年ぶりだわねぇ。それにしても見た目も可いし、お姉さんテンションあがってきちゃったわよ! ユート君はわたしがビシバシ指導してあげる! 取りあえずついてきてもらえるかな。――あ、私の名前はローザだから」

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「ローザさんですか。どうも……。実際何もわからないから何でも教えてもらえると助かります」

なんだろう、やたらテンションが高い人だな。

「え、何でも!? うーんエッチなこととかはねー、君がもうししっかりしてきたら考えるかなー」

「え、あ、はい……。善処します」

し呆れた聲で返事をした。この人ちょっと変な人なのか? そんなつもりで言ったんじゃないのに。面倒くさいぞこのシスター。でも何もわからない狀況を打開するためには、とにかく報! 報を聞き出さなければ。

「まずはユート君、あなたはダンジョンで戦うにはちょっと弱すぎるのよ」

「そりゃそうですよね、剣とか魔法とか全然やったことないっすから。ステータスとかあるなら下の下もいいとこですよね」

虛勢を張ったところで実際に弱いのは隠し切れないと思うので、ここは素直に認めるしかない。

「君のステータスはさっき遠めから確認させてもらったけど、確かに平凡だったわ。でもそんなことは重要じゃないのよ。……今のあなたは、ダンジョンで冒険するためのスタートラインにも立ってないの」

「と、いいますと?」

「この世界の住人は皆召喚を裝備しているのよ。例えばほら、見ててね」

そういうとローザは小さなオーブを取り出し祈りを捧げた。その直後、ローザの腰の高さくらいはある小さなユニコーンが現れたのだ!

「なんだこりゃ!? これが所謂魔法ってやつですか?」

「ちょっと違うわね。このルーペを掲げてユニコーンのほうを見てみなさいな」

ルーペが渡されたのでとりあえずローザのおっぱいを覗き込んでみる。

「どう、ちゃんと見えた?」

「ふむ……ローザさんのおは大きすぎて見れないレベルだわ。お餅級だわ」

「あのねぇ、そのルーペを君にプレゼントしようと思ってたけど、取り上げるわよ! 超重要アイテムなんだけどな~」

「え、くれるの? そりゃありがたい。謝るので取り上げるのは勘弁してください」

俺は今度はちゃんとユニコーンのほうを見てルーペを覗き込んだ。すると、文字が浮かんできた。

『Aランク召喚獣 ユニコーン』 ●〇〇〇〇

額の中央に一本の角が生えた馬。一角獣。

ユニコーンの持つ癒しの力で加護をけたものは

ヒーリングレベル3が使えるようになる。

【召喚持続時間:三十分】

なんだこれ、これが召喚の説明ってことかな? 試してみるか……。俺は右手の指を前に出して言った。

「ローザさん、俺、昨日転んで指りむいちゃったんだけど治してくれない?」

するとローザは無言でこちらに近づき、俺のりむいた指に手をあてた。

その瞬間うすぼんやりとした白いが発生したかと思ったら、指の傷は完治していた。

「すげー! ありがとうございます。本當に俺、異世界に來たんだなぁ。実するわぁ」

「ま、これでわかったでしょ。この世界では召喚獣を呼び出して加護をけることで々できるようになるのよ。初級冒険者は攻撃と防のスキルの加護を持つ召喚獣を引き當てることが大事なのよ!」

「引き當てる? 俺、何も持ってないんだけど……。どうすれば召喚って手にるのさ?」

「それはね、召喚の儀っていうのを教會でおこなって、君専用の召喚獣を呼び出してもらう必要があるのよ」

「召喚の儀? なんか仰々しいけど、それってただで出來るのかな?」

「あなたは異世界から來た記念すべき人だからね! 一度きりだけど、十連召喚の儀をただでけさせてもらえるはずよ!」

「またまたぁ、初回無料に味を占めさせて、最終的には課金して回す中毒者にさせるつもりでしょ?」

「……何を言っているのかよくわからないけど、普通なら十連召喚の儀をけるお金があれば、庭付きプール付きの豪邸が買えちゃうくらいなのよ? それなのにやらないっていうのならそれでもいいけど」

「――やります! やらせてください! この男、押上おしがみ 優斗ゆうとは十連ガチャを引くためにこの世界に呼ばれたんだと思います」

「……調子いいわね。あと十連召喚だからね。十連ガチャってなによ」

「ハハッ……。方言みたいなものですよ」

――――――――――――――――――――

その後もローザにこの世界のレクチャーをけながら歩いているうちに、目的の教會に到著した。……ここで十連ガチャ、もとい十連召喚の儀をけることが出來るのか。

異世界からの冒険者が十連召喚の儀を行うという噂はこの短時間でかなり広まっていたようで、教會にはすごいひとだかりができていた。

「なんでこんなに人がいるんですか?」

「そりゃ、あなたが召喚の儀をうけるのを見に來たんでしょうよ。十連召喚の儀に使うのオーブはとってもとっても貴重だから、滅多におこなわれないのよ。そんな特別な儀式をけられるんだから、栄に思いなさい?」

「へぇ……」

ここまで人が集まるとちょっと張するな。俺は期待と張を半分ずつに、儀式の時を待った。

程なくして神父が壇上に現れた。両手に抱えているのは煌びやかなオーブだ。バスケットボール程の大きさはあるだろうか。

「さて、これより十連召喚の儀を行う。儀式をけるもの、ユートといったかな? 壇上にきたまえ」

下で見ているだけじゃダメなのか…。渋々と壇上に行き、事が始まるのを待った。

「ユートよ、君はオーブをずっと見つめてくれればいいから」

神父は俺にそう言うと、オーブに手をかざして召喚の口上らしきものを言い始める。

「森に眠りし霊よ、天地を治める神々よ、どうかこのものに力を貸してくれたまえ……!!」

神父がそう唱えると、オーブの輝きが増して俺とオーブの間にの線が結ばれた。

「さーて、一目は何がくるかねぇ」

興味本位で見ているとしか思えないローザが呟いた。お前シスターなんだからなんかするんじゃないのかよ。

オーブから発せられるが徐々に形作られていく。……この形は、カボチャ!? ジャック・オー・ランタンかな? 俺はすかさずさっきもらったルーペで覗き込んでみる。

『Cランク召喚獣 ジャック・オー・ランタン』 ●〇〇〇〇

カボチャの形をした、鬼火のような存在。

火の加護により、周りを照らすことが可能。

【召喚持続時間:五時間】

便利そうだけど攻撃とか防向けの加護じゃないから微妙そうだなー。俺がちょっとがっかりした顔を見せると、ローザが聲をかけてきた。

「……直接戦闘に役立たなそうだからがっかりした? でもこういうサポートできる能力の召喚はパーティーで重寶されたりするものよ。ちなみに召喚は一人につき三まで裝備できるから、日ごろから々な加護を持つ召喚を集めておくことが大事なんだからね」

「ふーん、そういうものなんですか……」

その後も儀式は行われた。――ここから四目までに召喚された召喚獣の訳は『Dランク召喚獣 スライム』『Bランク召喚獣 ピクシー』『Eランク召喚獣 鬼』といったものである。

加護の容は、化するとか、ヒーリングレベル1とか、毒の息がだせるとかそんなもの。ヒーリングはよさそうだけど、ローザさんのユニコーンはヒーリングレベル3だったし、はずれが否めないよなー。

――そして運命の五

『Sランク召喚獣 イフリート』 ●〇〇〇〇

格は獰猛かつ短気で、厳つい顔をしている。

炎を自在にれると云われている。炎の加護により、炎弾を放てるようになる。

【召喚持続時間:三十分】

これは……!? Sランク召喚獣ってことだし強いんじゃないかな!? 俺は期待を込めた目でローザさんを見つめると、ローザは満面の笑みでぐっと親指を上げて返してくれた。

「新參者からベテランまでの幅広い層の冒険者に役立つ、超攻撃的な加護を持つ召喚よ! これは文句なしに當たりね!」

くーっ! やっぱりガチャはこういうのがあるからやめらんないなぁ。そういえば元の世界のゲームのイベントは放棄することになっちゃったけど……、まあいいか!

――そして続く六

『SSランク召喚獣 オーディン』 ●〇〇〇〇

魔槍グングニルを持つ、偉大で崇高な神。

しかし、一方で禍わざわいを引きおこす者とも言われている。

神の加護により、全ての能力が1.5倍にアップする。

【召喚持続時間:三分】

教會ではざわめきが起きる。「あのオーディンが來たかー」と呑気にしゃべっている者もいれば、「ユートってやつの報を調べろ、鍛えればうちのギルドで活躍できるかもしれない」と言って慌ただしく勧の準備を始める者もいる。

――それだけすごい召喚獣、つまりは大當たりってことか。……でも俺の能力が1.5倍になったところで、そこら辺にいる屈強なおっさんのほうが力とかありそうだけどな。

俺がオーディンを引いたことで喜んでいいのか悩んだ顔をしていると、ローザが喋りかけてきた。

「オーディンはね、効果は短いんだけど発力がものすごいので、ダンジョンにいる大――所謂ボスを倒すために重要なのよ。オーディン持っている人がいるのといないのでは討伐難易度が大きく変わる程にね。今はまだ実できないかもしれないけど、ユート君にも後々実できるときがくるはずよ」

なるほどね、瞬間火力を出すために重要な召喚ってところかな。……さて、目を離してたけど召喚の儀はどうなってるかな。

――七目『オーディン』、八目『オーディン』

會場が再びざわついた。

「ローザさん、ちょっと聞いていいかな。こんなにSSランクって出るもんなの? しかも被っちゃってるんですけど」

「……これは前代未聞ね。普通は十連召喚の儀の間に一でも出ればいいほうよ。ちなみに同じ召喚獣は同時にはセットできないからね。……でもこれはひょっとすると」

ローザは何か言おうとして口をつぐんでしまう。……同じ召喚獣が出るとそれははずれってことか。今まで調子よかったっぽいのに、俺の運もここまでかな。

――九目『オーディン』

何故か會場では皆が黙りこくってしまい、最後の一が召喚されるのを待っている。――はずれを引きすぎてみんなが俺に同しているのか?

「――糞神父!! お前本當は召喚対象を選べるんじゃないのか!! 俺にも、もっといいのをよこせ!」

靜寂をかき消すかのように野次がとんだ。

「……私も時々召喚の儀で司祭を務めるからわかるんだけど、十連召喚のオーブから現れる召喚は本當に何が來るのかわからないんだけどね」

ローザが肩をすくめてぼやいた。そして最後の一が出現する。

――十目『オーディン』

最後の召喚――五目のオーディンが姿を現すと、會場にいる人たちは一斉に鬨の聲を上げてユートの周りに押し寄せた。

「おめでとう、君ならうちで活躍できるから、なんならお家のサポートとかもしますから!」

「一緒に戦おう、俺たちは超優秀なギルドだから序盤の進行もスムーズになるぞ」

「頼むからうちにきてくれ! 君が來ればうちの救世主になれるよ!!」

必死の勧だ。ローザがそれらの人々を抑えて、俺が教會の裏部屋まで逃げ込むのに一時間はかかってしまった。

――何故こんなことになったのかわからない。オーディンが一ならともかく、五も被るなんて完全にはずれだろうに。俺が怪訝な顔をしていると、

「わからないのも無理ないわ。――実はね、召喚獣は五させると真の力を発揮できるようになるのよ」

ローザが衝撃の事実を教えてくれた。

「まあ、とにかくやってみなさいな。召喚のった小さなオーブは貰ったでしょ? そこからオーディンのオーブを全て集めて呼び出せばできるはずよ」

「なるほど。えーっとこれがオーディンで、これもオーディンで……。よし、集まったぞ。召喚!!」

オーディン五が現れていき、それらが合わさり、ひとつになる。特に大きさが変わったわけではないが、とても禍々しいオーラを放つようになったな。ちょっとルーペで覗いてみるか――

『SSランク召喚獣 オーディン』 ●●●●●

魔槍グングニルを持つ、偉大で崇高な神。

しかし、一方で禍わざわいを引きおこす者とも言われている。

神の加護により、全ての能力が10倍にアップする。

【召喚持続時間:五分】

「――十倍だって!? さすがにこれは強すぎだろ!! チート能力を手にれちゃったのか!? もしかして!」

「そうなのよ! 五させた狀態、これを最終開放というんだけど、その中でも最強の最終開放と言われているのがこのオーディンよ。多分今これを持ってるのはユート君だけのはず……。こんな幸運をつかんじゃったんだから、しっかり討伐に勵みなさいよ!」

いきなり最強の召喚を手にれることができたってことか……。ワクワクしてきたぜ。

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