《ガチャって召喚士!~神引きからはじめる異世界ハーレム紀行~》第七話 ギルドにる?
「えー、ユート・アリサ・シルヴィアの三名は、ヤヌアル神殿にてトロールを討伐し、中級冒険者の資格を得たことをここに証する」
神父が証書を読み上げると、まばらな拍手が教會に響く。
「なんか召喚ガチャの時よりめっちゃ人なくないっすか?」
神父の話を聞き流しながら、俺はローザに向けて言った。
「十連召喚の儀とは違って、中級冒険者任命式なんて毎日のようにあるからねー。あまり人は集まらないのよ」
それもそうか、トロールって毎日でるんだもんな。
「てことは冒険者ってたくさんいるんだね。一日三人、年間で千人くらい増えるわけだし」
ローザはし考えて言う。
「たしかに冒険者の數はそこそこいるわね。でもそんな計算通りには増えないのよ。トロールを倒すのは三人パーティーとは限らないし、討伐できない日もあったりするわ。それに、引退者や冒険の途中で倒れる人だっているからね」
冒険してれば死ぬこともそりゃあるよな。俺達はそうならないようにしなくちゃ。
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「ところでさ、中級冒険者になったらご祝儀とかでたりしないの?」
俺は指で円マークを作りながら聞いた。
「そうねぇ、しばらくの間なんとか生きていけるくらいの額なら出るわよ」
「……ガチャが回せたりってことは?」
「召喚の儀? それはないわね」
俺はがっくりと肩を落とす。
「ガチャを回すにはモンスターを倒して稼ぐしかないのか……」
諦めたように俺が呟くと、
「そういえばギルドにはらないの? ギルドに所屬していれば、クエストをけて報酬がもらえたりってこともあるのよ?」
「え!? そうなの?」
「あなたたち三人をけれてくれるギルドだって探せばあるはずよ。冒険のノウハウも教えてもらえるだろうし、るだけのメリットはあると思うけどなぁ」
うーん。そういわれてみるとってもいいような気がしてきた。
「でも折角自由に好き勝手やれてるのに、ギルドって枠に縛られるのは俺的には微妙だなー。……ん、待てよ? 俺がギルドを作るってのは出來ないのか?」
「できるかできないかで言えばできるわね」
俺のギルドならある程度自由にできるはずだ。
ちょっと興味がわいてきた。
「だけど、ギルドを作るには條件があってね――」
ローザは話を続ける。
「一つ目の條件は人數よ。最低でも五人は所屬していなければならないの」
「ふむふむ、二つ目は?」
「二つ目はホームポイントの登録。家を買う必要があるってことね」
「……家っておいくらで買えますでしょうか?」
「どのくらいのレベルを求めるかにもよるけど、ギルドメンバーが全員はいれるようなスペースが必要だし、そうねえ……だいたい十連召喚の儀を行えるくらいの額かしら?」
十連ガチャ分だとっ!? 元居た世界では、三度の飯よりガチャが好きとまで言われていた俺だぞ。諦めるしかないじゃないか。
「……殘念。そんなに高いならギルド無理っすわ」
俺はそういって話を終わらせようとすると、
「なんでそういう結論になるのよ!!」
急に橫からアリサが口を割ってってきた。
「クエスト報酬があるなら、先を見據えてギルドにらないと損でしょ! 今後は宿の保証もないのよ? 稼げる手段はできるだけ確保しておくに越したことはないわ」
アリサはいつも以上に強い剣幕で言う。
「でもガチャ代が……。あ、ガチャって召喚の儀のことね」
「はぁっ!? 儀式をしたからって強い召喚が手にるとは限らないのよ? まずはライフラインを整えることが大事でしょ!」
強い召喚が手にらない? うっ!? 頭が……!?
ソシャゲのガチャで何度も死していたことを思い出す。
「……はい。わかりました。アリサのおっしゃる通りだと思います」
「やけに素直ね。まあ、わかってくれたなら何よりだけど」
アリサはほっとしたように息をつき、言葉を紡ぐ。
「それじゃ、ギルドを作るためにどうするか考えましょうか」
「そうだな、家を買うための金も問題だけど、ギルドメンバーを集めるのも大変だよな。あと一人探さないと……」
俺がそう言うと、ローザが訝しげな顔をした。
「ユート君、わたしの話を聞いてなかったのかしら? ギルドメンバーは五人必要なのよ? あと一人じゃ足りないからね」
「わかってるよ? 俺、アリサ、シルヴィア、そしてローザさん。……探すのはあと一人だろ?」
俺は一人一人を順に指差しながら言った。
「えっ!? しれっとわたしを混ぜても騙されないからね!」
「だってさぁ、ローザさんってぶっちゃけ暇でしょ? 召喚の儀の時も、今日の任命式も見てるだけだったし。それなら俺たちを手伝ってよ」
「暇とは失禮ね! 私だってちゃんと仕事してるってば! 異世界からの放浪者をケアしたり……」
「それって今俺だけだよね」
「くっ!? 他にも々してるんだから……」
「例えば?」
「庭掃除とか庭掃除とか庭掃除とか……」
「他には?」
「あとは、その、あれよ! 教會のマスコットガールよ!」
「…………」
教會の時が一瞬止まった。
「暇なんだな」
「暇なのね」
俺とアリサは目を合わせて頷いた。
めずらしく息の合った瞬間であった。
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