《ガチャって召喚士!~神引きからはじめる異世界ハーレム紀行~》第十七話 スーパールーキー
「ごめんくださーい」
俺とレイチェルがギルド集會所の門をくぐると、中には気怠そうな顔をしたお姉さんがカウンター越しに座っていた。彼が付だろう。
「いらっしゃい。クエスト希の冒険者かい?」
「はい、俺たち今日初めてクエストをけるんですけど……クエスト一覧でしたっけ? 見せてもらえますか?」
俺がそう伝えると。付のお姉さんは手元にあるクエストの一覧表を俺たちに向けて見せてくれた。
「殘念だね、今日は面白いクエストはってないんだよ。町の見回りか、清掃活かのどちらかしかないよ」
一覧表をみると、見回りの報酬は五千ソル、清掃活の報酬は三千ソルと書かれている。
なんか俺が思っていたクエストとちょっと違うな。もうし冒険者らしいことをするのかと思っていたけど、バイトみたいなじなのか。
「……それじゃあ見回りをしたいんだけど、レイチェルもそれでいいか?」
「うむ、我が力を発揮するにはちょうど良いであろう」
Advertisement
レイチェルはやる気満々といったじで返事をした。
見回りも清掃も退屈そうだし、嫌がるかと思っていたけど結構乗り気なんだな。案外真面目だったりするのかもしれない。
「というわけでお姉さん、見回りのほうでお願いします」
「はい、見回りね。そしたら名前をここに書いてもらえる?」
俺が二人分の記を済ませると、付のお姉さんから地図が手渡されてクエストの説明が始まった。
「その地図に線が引かれているところが巡回ルートになるんだ。そこを二周回って、道中で不審者を見つけたら捕まえてくれればいいし、もめ事があったら仲裁してほしい。簡単だろ?」
俺とレイチェルは頷いた。
「最近は店や家屋に保管してある召喚のが盜まれる被害が相次いでいてね。……なんでも組織ぐるみの犯行みたいで、盜んだを使って儀式を行うためのシスターも絡んでいるって話さ。そういうわけだから、しっかり見回り頼んだよ。あと巡回の際にはこの腕章を著けること」
付のお姉さんから腕章を渡されると、俺たちはすぐに裝著して見回りに出かけた。
それにしても盜んだオーブでガチャを回す輩がいるなんて許すまじだな。見つけたらとっ捕まえてやる。
――――――――――――――――――――
見回りを始めてから二時間は経過しただろうか。今のところ町に異常は見られず、道端では子供が追いかけっこをして遊んでいる。
「……なんというか、平和だな。盜難事件があるなんて噓みたいだ」
「平和で結構ではないか。我が魔力を見せられないのはちと殘念であるが」
レイチェルと呑気に會話をしていると、道の向こうから見覚えのある人影が近づいてきた。
重々しい鎧にを包み、漆黒の剣を攜えるその姿は……モガディシュだ。その橫には、長尺の槍を抱えた爽やかな青年もいる。
「久しぶりだな、ユート。新人冒険者がクラーケンを倒したというのは専らの噂だぞ」
「……そいつはどーも」
俺は軽く會釈をしてそのまま通り過ぎようとする。
「まあそう急ぐな、ここで會ったのも何かの縁だ。うちの新人を紹介しようじゃないか。おい、アデル!」
モガディシュに言われて、橫にいる青年――アデルが俺に挨拶をする。
「君がユートだね、一度會ってみたかったんだ。僕はアデル、先週から冒険者稼業を始めたんだ。よろしくね」
そういうと、手を差し出して握手を求めてきた。
どうやら彼は俺とモガディシュが険悪なのを知らないみたいだな。
「……よろしく」
俺は困しながらもアデルに握手を返した。
すると、レイチェルが両手を上げて存在をアピールし始めた。
「これ、わたしを無視して話を進めるでない!」
「すまなかったね、お嬢さん。君はユートのお仲間かな。よろしく」
そういって、爽やかな笑顔を崩さずにレイチェルにも手を差し出した。――その瞬間モガディシュが聲を上げる。
「待て! アデルよ。ユートはともかく、そのような小娘に挨拶する必要はない。貴様は選ばれた人間なのだから、その自覚を持って行しろ」
相変わらず差別思考を持っているようだな、救えない奴だ。
俺はうんざりして、レイチェルの手を引き先に行こうとすると、レイチェルは納得していない様子で文句を言う。
「待つのだユート! おい、モガディシュと言ったか。この稀代の魔導士レイチェル様に向かって、よくそんなことがいえたものであるな。……くく、々お仕置きをしてやるのである」
レイチェルはニタリと笑ってヴルトゥームを召喚すると、巨大なに巨大な羽、そして二つの頭を持つドラゴンが現れた。
「――こ、これはツインヘッドドラゴンか!? こんな上級モンスターを呼び寄せるとは、貴様! 何奴だ!」
モガディシュはそう言うと、剣を構えてジリジリと後ずさりを始めた。明らかに焦っている様子で、額には汗が浮かんでいる。
「聞こえなかったのであるか? 今度はよく聞くのだぞ。……我の名はレイチェル! 大魔導士レイチェルである!」
レイチェルがまたハッタリを言っているが、モガディシュの野郎には通用しているみたいだ。……いいぞ、もっとやれ。
「ふーん。面白いね」
橫で見ていたアデルが呟くと、すました顔をして槍を構え召喚を呼び出した。――こ、これは!? 俺にとっては見覚えがある――というよりはいつもそばで見ている。
アデルが呼び出した召喚はオーディンだった。
「こいつ、俺と同じオーディン使いか!?」
俺が驚いたのも束の間、アデルは一足飛びにツインヘッドドラゴンの頭上に浮かんだと思ったら槍をクルクルと回し、右の頭に一閃、左の頭にも一閃――ほとんど同時に二つの突きを繰り出した。
「……おやっ?」
アデルは突きの手ごたえのなさをじたのか、フフッと笑いレイチェルに語り掛ける。
「お嬢ちゃん、いたずらは良くないよ」
「むむっ……先に無禮を働いたのはそちらであろう」
レイチェルがふくれっ面で言い返すと、
「それもそうだね……。モガディシュさん、このドラゴンは幻覚です。警戒する必要はありませんよ」
アデルはモガディシュに振り向いて言った。
「くっ、小娘が。俺をおちょくるとはいい度だ……。ユートよ、貴様も覚えておくとよい! オーディンはお前だけの専売特許ではないということをな。アデルのオーディンが最終開放されれば、お前など足元にも及ばなくなるわ!」
モガディシュはそう言った後にティンダロスの猟犬を呼び出し、アデルと共に姿を消した。
「なんだったのだあやつらは……」
レイチェルは肩をすくめて言った。
「どこの世界にも変な奴はいるもんだな……。それにしてもレイチェル、ナイス幻覚だったぜ! モガディシュの野郎があんなに焦ってるところ、初めて見たよ」
「そうであろう、そうであろう。我が魔力の神髄であるな」
レイチェルは褒められて気をよくしたのか、笑いながら答える。
「ああ、それじゃあ気を取り直してちゃっちゃと殘りの見回り終わらせちゃおうぜ!」
俺はレイチェルの手を引いて歩き出した。
「むっ……!? 慌てるでない! 自分で歩けるのである」
俺たちは先程の出來事がなかったかのように、見回りに戻った。
しかし、俺はレイチェルと會話しつつもアデルのことを考えていた。アデルの鮮やかな槍捌き。あいつのオーディンは最終開放されていないにもかかわらず、あんなきができるなんて……。
俺は空恐ろしさをじ、俺ももっと強くならなければいけないと、焦りを覚えたのであった。
迷宮宿屋~空間魔法駆使して迷宮奧地で宿屋を開きます~
迷宮、それは魔物が溢れ出るところ。 冒険者は魔物を間引くが、殘した死體を糧に魔物はさらに強くなった。 それでは意味は無いと、魔物の死體を持ち帰るようにするも……荷物持ちが大変すぎて攻略が進まない。 そんな時、光を浴びたのが『空間魔法使い』だった。 孤児院育ちのマリーロズ。初めは使えない空間魔法に絶望するもコツコツとレベルをあげて夢を見つけ、葉えていくーーー。 Bkブックス様にて一巻発売中!書籍化のタイトルは『迷宮宿屋 ~空間魔法使い少女の細腕繁盛記~』になります。 7/1第三部スタートになります。毎朝8時に投稿致しますのでよろしくお願いします。
8 147【書籍化作品】自宅にダンジョンが出來た。
【書籍化決定!】BKブックス様より『自宅にダンジョンが出來た。』が2019年11月5日から書籍化され発売中です。 西暦2018年、世界中に空想上の産物と思われていたダンジョンが突如出現した。各國は、その対応に追われることになり多くの法が制定されることになる。それから5年後の西暦2023年、コールセンターで勤めていた山岸(やまぎし)直人(なおと)41歳は、派遣元企業の業務停止命令の煽りを受けて無職になる。中年で再就職が中々決まらない山岸は、自宅の仕事機の引き出しを開けたところで、異変に気が付く。なんと仕事機の引き出しの中はミニチュアダンジョンと化していたのだ! 人差し指で押すだけで! ミニチュアの魔物を倒すだけでレベルが上がる! だが、そのダンジョンには欠點が存在していた。それは何のドロップもなかったのだ! 失望する山岸であったが、レベルが上がるならレベルを最大限まで上げてから他のダンジョンで稼げばいいじゃないか! と考え行動を移していく。 ※この作品はフィクションです。実在の人物・団體・事件などにはいっさい関係ありません 小説家になろう 日間ジャンル別 ローファンタジー部門 1位獲得! 小説家になろう 週間ジャンル別 ローファンタジー部門 1位獲得! 小説家になろう 月間ジャンル別 ローファンタジー部門 1位獲得! 小説家になろう 四半期ジャンル別 ローファンタジー部門 1位獲得! 小説家になろう 年間ジャンル別 ローファンタジー部門 7位獲得! 小説家になろう 総合日間 1位獲得! 小説家になろう 総合週間 3位獲得!
8 142骸街SS
ーーこれは復習だ、手段を選ぶ理由は無い。ーー ○概要 "骸街SS(ムクロマチエスエス)"、略して"むくえす"は、歪められた近未來の日本を舞臺として、終わらない少年青年達の悲劇と戦いと成長、それの原動力である苦悩と決斷と復讐心、そしてその向こうにある虛構と現実、それら描かれた作者オリジナル世界観ダークファンタジーです。 ※小説としては処女作なので、もしも設定の矛盾や面白さの不足などを発見しても、どうか溫かい目で見てください。設定の矛盾やアドバイスなどがあれば、コメント欄で教えていただけると嬉しいです。 ※なろう・アルファポリスでも投稿しています! ○あらすじ それは日本から三権分立が廃止された2005年から150年後の話。政府や日本國軍に対する復讐を「生きる意味」と考える少年・隅川孤白や、人身売買サイトに売られていた記憶喪失の少年・松江織、スラム街に1人彷徨っていたステルス少女・谷川獨歌などの人生を中心としてストーリーが進んでいく、長編パラレルワールドダークファンタジー!
8 55種族ガチャ
主人公の蘆汝遊矢は最新VRMMOのゲーム〔アーカイブオンライン〕をクジの景品で當てたためはじめてみるかとゆう。ちょっとした興味から始まる、初めてのゲームの世界をまったりレア種族でいろんな人とゆっくり遊んでいくはずの物語。 ※VRmmoからは途中から離れて、いっときしたら戻ります。
8 82ラノベ獨學の最強スキル3つを選んでみた。~チートって一體~
ラノベ1萬冊を読破した友達がいないラノベマスター(自稱)玉田 大輔は、ある日、ちょっとした不慮の事故で死んでしまう。 だが行き著いたのは天國でも地獄でもなく暗闇の中。 そこで現れた女によって最強のスキル三つを手に入れたラノベマスター(笑)。 さぁ行け!新たな世界の幕開けじゃ!
8 181転生しているヒマはねぇ!
異世界で転生する予定になり、チキュウからマタイラという世界の転生界へと移動させられた『カワマタダイチ』。 ところが、控え室で待たされている間に、彼が転生するはずだった肉體に別の魂が入れられ、彼は転生先を失ってしまう。 この大問題を、誤魔化し、なおかつそうなった原因を探るべく、マタイラ転生界の最高責任者マーシャが彼に提示したのは、冥界に來た魂を転生させるこの転生界の転生役所で働くことだった。 ニホンでやる気を持てずに活力なく生きていたダイチは、好みの女性陣や気の合う友人に勵まされながら、少しずつ活力を取り戻し、それでも死んだままという矛盾に抗いながら、魂すり替え事件やマタイラの冥界と現界を取り巻く大問題と、わりと真面目に向き合っていく。
8 76