《ガチャって召喚士!~神引きからはじめる異世界ハーレム紀行~》第二十五話 伝わる溫もり
「――へっくしっ!!」
俺がくしゃみをすると、暗い部屋の中に大きな音が響き渡る。この部屋はさっきまでアリサ母が雪を俺にぶちまけていただけあって寒いのだ。
「……もうっ、うるさいわね」
ベットの上からアリサの文句が聞こえてくる。
「仕方ないだろ? 寒いものは寒いんだよ」
生理現象には逆らえないのは人類の常識である。
「……そんなに寒いのなら……ベッドにってもいいわよ」
「えっ!? いいの」
アリサが一緒のベッドに寢ることを許してくれるなんて、なんというか意外だ。
「勘違いしないでよね! あんたのくしゃみがうるさくて眠れないって言ってるのよ!」
「はい、今日のツンいただきましたー!」
「……馬鹿なこと言ってるとれてあげないわよ?」
正直なところアリサに許可されたとしても、ベッドでの子と一緒に寢るのは張する。
ましてやシングルベッドである。
俺の中の野獣が目を覚ましてもなんらおかしくない。
でもこの寒さには耐えられないので、ここは甘えるとしよう。
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「……本當にいいんだな?」
「――いいっていってるでしょ!」
「それじゃ、おかまいなく! とうっ!」
俺はジャンプしてベッドに飛び乗る。
「まったく……。あんた子供ね」
「ああ、子供さ! 子供で結構! ――ママー! 抱っこして―!」
俺はそう言うと、アリサに抱きついた。
「――ちょっと! バカ! やめなさい!」
當然のようにアリサは反撃をしてきて俺の間にアリサの膝蹴りが當たる。
「――うっ。……お前の金的はもはや蕓の域にまで達しているな」
「そんなもの他の蕓に対して失禮すぎるでしょ! ――次わたしに近づいたら、二度とその末なものをつかえなくしてあげるから」
ふっ、俺のものが末かどうかなんて、見たことのないお前にはわからないだろう。しかしそんなことを言ってしまうと床に蹴落とされそうな気がしたので心にしまっておく。
「アリサ、ありがとな」
「……なによ、突然?」
アリサは俺の反対側を向いたまま返事をする。
「うーん、なんだろう。お禮が言いたくなっちゃってさ、今布団にれてくれたこともそうだけど、それだけじゃなくて々あったからな」
アリサはし黙ったかと思うと、
「……お禮を言うのはわたしのほうよ。あんたがいなければ、中級冒険者になることなんてできなかっただろうし、そもそも冒険者を続けられていたかどうかもわからないわ」
最後の方は聲が小さくなって良く聞こえなかったが、謝してくれてるってことでいいのかな。
「お、今日は珍しく素直だな。今度は正真正銘のデレ期到來か! まあ俺ってお前の婚約者らしいしな!」
俺は気恥ずかしくなって、冗談をえて返事をする。
「……もうっ。いいからさっさと寢るわよ」
アリサはまくらを抱えて顔をうずめてしまった。
……俺もそろそろ寢るかな。
――――――――――――――――――――
――だめだっ! 寢ようと思ってもなかなか眠れない。すでに眠ろうとしてから一時間は経過している。
そもそもこの狀況で何もしないで寢ることってできるのか? もしかして何もしないことは逆にアリサに失禮なんじゃないかとさえ思えてきた。
でもそんなことしたらアリサの超モンスターペアレンツの目論見通りになっちゃうし、一どうしたらいいんだ!
俺はベッドの中ゴロゴロと転がって心を落ち著かせる。すると、橫で寢ていたアリサが俺の方に向けて寢返りを打ってきた。
「――アリサ!?」
アリサの返事はない。……眠っているようだ。月明かりに照らされて、アリサの寢顔が俺の瞳に映る。
「……黙ってれば本當に人だよな」
アリサに聞かれたら毆られそうな言葉を呟いた。こんな人と添い寢できる男なんてこの世界、いや、前の世界を含めてもほとんどいないだろう。
アリサが寢返りを打ってからは俺との距離はほとんどなくなり、布団の中ではアリサの溫がじられる。
布団の隙間からは下著をつけたアリサのが見える。アリサと出會ったときに一度だけったことがあるけれど、あの時は出會ったばかりだしただのでしかなかった。
――でも今は、一緒に冒険をし、一緒に生活をしてきたことであの時とは全く違うが沸き起こっている……本當の意味でアリサにれてみたいと心から思ってしまった。
「ごめん、アリサ」
俺はアリサのに手をばすと、アリサは熱っぽい表で俺を見ていた。
「アリサっ、起きていたのか!?」
「當り前じゃない、こんな狀況で寢られるわけ……ないでしょ!」
「ま、そりゃそうか。じゃあお互い気持ちの昂ぶりを抑えるためにキスしよっか」
「はぁ!? なんでそうなるのよ」
アリサは呆れたようにジト目で俺を睨む。
「でもさ、キスくらいはしとくと明日ご両親に想を聞かれたとき答えやすいんじゃないか? 俺も暴にはしないからさ!」
俺はちょっとずるい作戦でアリサを追い込む。
本當はもっとストレートにお願いしたいところだが彼は絶対に拒否するだろう。ついさっきも拒否されたばかりだし。
実はずっと俺はアリサの薄ピンクのみずみずしいに目が奪われているのだ。正直我慢の限界だ。
「わかったわよ。……まあユートなら」
そこまで言って言葉を止める、決心をつけるのは難しいのだろう。その時、
――ドンッっと扉の開く音がした。
「……ユート! ……お姉ちゃん! ……たすけに……來た」
スコップを持ったシルヴィアが部屋にってきた。俺たちの部屋が雪でふさがれているのを見て助けに來てくれたのか。ありがたいことではあるんだけど、なんともタイミングが悪いな。
「ユートと……お姉ちゃん……何かしてた?」
シルヴィアが首を傾げて俺たちに聞いてくる。どう答えればいいのだろか。
「……べ、別に何もしてないわよ」
アリサはまだ火照ったような顔をしている。
「……それなら、シルヴィアも一緒に寢ても……いい?」
シルヴィアは一人で寢るのが寂しかったのだろうか?
「ほら、おいでよ、シルヴィア」
俺はシルヴィアに呼びかけた。
「……うん」
シルヴィアはトテトテと歩いてきて俺とアリサの間にった。……シングルベッドに三人だから、大変だ。
「アリサ、今日の続きはまた今度な」
「何言ってるのよ馬鹿っ! あんた本當馬鹿でしょ!」
俺は聞こえないふりをしてそのまま目をつぶる。
今日は本當に々あったな。
明日この狀況をアリサの両親がみたらどう思うだろう?
まあそんなこと考えてもしょうがないか。
俺は考えるのをやめて、眠りにつくのであった。
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