《ガチャって召喚士!~神引きからはじめる異世界ハーレム紀行~》第二十八話 作戦會議
翌日、約束通りにアデルがうちのギルドに訪れた。俺はアデルを迎えれると、すぐにみんなをロビーに集めて作戦會議を開始した。
「みんな、集まってくれてありがとう。……いきなりで悪いのだけど、モガディシュを早く捕まえないとまずいことになってしまいそうだ」
「――なにか向こうできがあったのか?」
俺は間髪れずにアデルに質問した。
「うん、そういうことなんだ。……どうやら今日の晝に、元教會のシスターがうちのギルドのマスタールームに來るらしい。――この意味が分かるかい?」
アデルはそう言って、俺たちの顔を見回した。
「……召喚の儀……ね」
ローザが重々しい表で呟いた。
「――その通り。モガディシュが集めたオーブを使おうしているのは間違いない。あれだけの數のオーブを使えばレアな召喚も手にってしまうだろう。……そうなるとモガディシュの捕獲は今よりももっと難しくなってしまう」
アデルの額には汗が浮かんでおり、焦りがじられる。
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「……のんびりはしてられないってことか。それじゃあ早速作戦の説明を頼むぜ、アデル」
俺はアデルの肩をぽんっと叩いた。
「ああ、わかった。……僕が知る限りでは、モガディシュが今現在所持している召喚は二つ――一つ目はティンダロスの猟犬だ。ユートとレイチェルは見たことあるよね?」
「……むっ、あの異様な風の四つ足の召喚であるか? 煙と共にあやつがあらわれてから、モガディシュとお主が一瞬で消えていなくなったように見えたな……」
レイチェルがしかめっ面をして言った。モガディシュと出會ったときのことを思い出しているのだろう。
「あれはね、煙の中に異次元のゲートが現れて、その中をくぐることで別の場所に移したんだよ。……とても厄介な能力だよね」
レイチェルがほほうと頷くと、アデルは話を続けた。
「――そして二つ目の召喚はアトラスだ。アトラスの加護は腕力の強化でね、モガディシュはこの加護により大剣を自在にっているのさ」
……アトラスか、ギリシャ神話で見た記憶があるな。……たしか、ゼウスから罰として世界を支え続けることを命じられたティターン族の巨人のことだったはずだ。
「――アトラスはともかく、ティンダロスの猟犬による空間移がネックだな」
モガディシュを見つけて追い詰めたとしても、逃げられてしまっては意味がない。
「そうだね。……だけど攻略法がないわけじゃない」
「……どんな攻略法があるんだ?」
俺はアデルに疑問のまなざしを向けて言った。
「さっき僕が言ったように、モガディシュが空間移をするためには異次元のゲートを発生させて、そこをくぐる必要があるんだ。――だから、ゲートをくぐる前にモガディシュのきを止めてしまえばいいのさ。僕か君のオーディンを使えば不可能ではないだろう?」
「……簡単に言ってくれるな。やつはゲートをくぐるだけ、しかも煙で辺り一面が見えなくなるんだぞ」
――その間に止められる自信はハッキリ言ってない。俺は正直な気持ちをアデルに伝えた。
「……君ができないなら僕がやるよ。そうしたら君は援護してくれるだけでいい」
アデルはし殘念そうな顔をして言った。……アデルの言っていることは作戦というほどのものではない。強行突破をすると言っているようなものだ。もうし確実のある方法はないだろうか。――その時、俺はパッと閃いた。
「――不意打ちだ。俺が奴を不意打ちで攻撃するのが一番確実だ」
「……不意打ち? 殘念ながらそれは難しいと思う。モガディシュは普段鍵のかかったマスタールームにずっと籠っているんだ。どうしたって部屋にるときに怪しまれてしまうよ」
アデルは怪訝な顔をして言った。俺はチッチッチと指を振り、
「……それが俺にはできるんだな。――ローザ! サルガタナスのオーブはきちんと部屋に保管してくれているよな?」
ローザに尋ねると、ローザはハッとした表をして答える。
「――勿論よ! 大事にとってあるわ」
「……実は俺にはオーディンやイフリート以外にも強力な召喚がいてな。――それがサルガタナスだ。召喚加護は凄いぞ! なんといったって姿を消せるんだから」
「――姿を消せる!?」
ローザ以外のみんなは驚いた表で俺を見つめる。
「――そうさ、姿を消した後で晝に來るシスターの後をつけていってマスタールームにれば、不意打ちするのも楽勝だろ?」
「……確かにその作戦はよさそうだ。さすがユート、注目度No.1の冒険者なだけあるね」
アデルはようやく笑顔を見せて俺に言った。……注目度No.1? そんなに俺って注目されているのか。悪い気はしないけど、流石に大袈裟な気もするな。
「……そうなると、わたしたちは特にやることもなさそうね」
アリサは何とも言えない複雑な表を浮かべて言った。
「君たちは、モガディシュを捕まえた後に連行するのを手伝ってくれるかな。ユートにしろ僕にしろ、オーディンの効果は長く持たないからね」
「――わかった。シルヴィアとレイチェル、それにローザはわたしと一緒にギルドのり口で待機するってことでいいわね?」
「それでお願いするよ。……僕はユートに共犯のシスターが來たことを伝える係をやろう。――うん、役割は決まったね。それじゃあみんなの準備ができたらすぐにでも出発しよう」
アデルがそう言うと、みんなは一斉に準備を始めたのであった。
【書籍化/コミカライズ決定】婚約破棄された無表情令嬢が幸せになるまで〜勤務先の天然たらし騎士団長様がとろっとろに甘やかして溺愛してくるのですが!?〜
★書籍化★コミカライズ★決定しました! ありがとうございます! 「セリス、お前との婚約を破棄したい。その冷たい目に耐えられないんだ」 『絶対記憶能力』を持つセリスは昔から表情が乏しいせいで、美しいアイスブルーの瞳は冷たく見られがちだった。 そんな伯爵令嬢セリス・シュトラールは、ある日婚約者のギルバートに婚約の破棄を告げられる。挙句、義妹のアーチェスを新たな婚約者として迎え入れるという。 その結果、體裁が悪いからとセリスは実家の伯爵家を追い出され、第四騎士団──通稱『騎士団の墓場』の寄宿舎で下働きをすることになった。 第四騎士団は他の騎士団で問題を起こしたものの集まりで、その中でも騎士団長ジェド・ジルベスターは『冷酷殘忍』だと有名らしいのだが。 「私は自分の目で見たものしか信じませんわ」 ──セリスは偏見を持たない女性だった。 だというのに、ギルバートの思惑により、セリスは悪い噂を流されてしまう。しかし騎士団長のジェドも『自分の目で見たものしか信じない質』らしく……? そんな二人が惹かれ合うのは必然で、ジェドが天然たらしと世話好きを発動して、セリスを貓可愛がりするのが日常化し──。 「照れてるのか? 可愛い奴」「!?」 「ほら、あーんしてやるから口開けな」「……っ!?」 団員ともすぐに打ち明け、楽しい日々を過ごすセリス。時折記憶力が良過ぎることを指摘されながらも、數少ない特技だとあっけらかんに言うが、それは類稀なる才能だった。 一方で婚約破棄をしたギルバートのアーチェスへの態度は、どんどん冷たくなっていき……? 無表情だが心優しいセリスを、天然たらしの世話好きの騎士団長──ジェドがとろとろと甘やかしていく溺愛の物語である。 ◇◇◇ 短編は日間総合ランキング1位 連載版は日間総合ランキング3位 ありがとうございます! 短編版は六話の途中辺りまでになりますが、それまでも加筆がありますので、良ければ冒頭からお読みください。 ※爵位に関して作品獨自のものがあります。ご都合主義もありますのでゆるい気持ちでご覧ください。 ザマァありますが、基本は甘々だったりほのぼのです。 ★レーベル様や発売日に関しては開示許可がで次第ご報告させていただきます。
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