《ガチャって召喚士!~神引きからはじめる異世界ハーレム紀行~》第三十三話 ヘルヘイム
モガディシュの捕縛を行った翌日はオフ日に設定した。最近ダンジョンに行けてないのでそろそろ稼ぎに行きたいところではあるが、みんなの疲労……特に俺の疲労が酷いので休まざるを得なかったのだ。
「ユートよ、いくら休みと言えど、食べて寢るばかりでは牛になるのであるぞ?」
今は午後の二時を回ったところだ。正午にみんなで晝飯を食べた後は、各々の時間を過ごしている。
「……レイチェルか。昨日は召喚をフル活用したから疲れがたまってるんだよ。……今日はゆっくり寢かせてくれ」
「ならばロビーではなく自室で寢たほうがよいのではないか?」
レイチェルの言うことはもっともだ。俺は朝からずっとロビーのソファーでぐったりと橫になっている。
「……確かにそうだけど、なんかみんなの顔を見てないと不安な気分なんだ」
「……ふむ? 別にわたしたちは逃げたりせんのだがな」
レイチェルは首をかしげて不思議がっている。……俺は昨日モガディシュに切られた男のことを考えて、し不安になっていた。今日になってもあの時見たのと匂いが頭から離れない。もしこのギルドのメンバーの誰かがあんな目にあったらと考えるとゾッとしてしまう。
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「……いつも以上にボケーっとしておるな。まあここにいるほうが休めるというのなら邪魔はしないのである」
レイチェルはそう言うと部屋に戻っていった。
「――ユート君!? いるわよね?」
レイチェルとれ替わりに、ローザがやってきた。晝過ぎに教會に用があると言って出て行ったばかりなのに、もう戻ってくるなんて何かあったのだろうか?
「……ほーい、ここにいますよ」
俺はソファーに寢っ転がったまま手を上げて返事をする。
「――よかった! ちょっと教會まで付き合ってもらえるかしら?」
「今日は休みたいから無理です」
「まあまあ、そんなこと言わず。ユート君にとって悪い話じゃないから來てくださいな」
ローザはそう言うと、俺の手を引っ張って強制的に起こしにかかった。
「……わかった、わかったよ。……行くから」
俺は渋々立ち上がる。
「……で、何の話なんだ?」
「ごめんね、それはわたしの口からは言えないのよ。――お願い! 騙されたと思って教會まで著いてきて!」
ローザは両手を合わせて俺にお願いしている。……流石にここまでするからには何かわけがあるのだろう。
「……仕方ないなぁ。今度飯でも奢ってくれよ」
俺とローザは一緒に教會に向かった。
――――――――――――――――――――
「――神父様! ユート君を連れてきたわよー!」
教會に著くと、ローザがいつも通り神父を呼び出した。
「うむ、ご苦労であった」
これまたいつも通りに神父が壇上に現れた。
「――神父様、俺に用って何ですか?」
俺が質問すると、神父はし間をおいて話し始めた。
「……ユートよ、昨日最後にエリーが言っていたことを覚えているか?」
「……エリーが言っていたこと? ……異端審問機関がどうとかって話ですか?」
神父はゆっくりと頷いた。
「そうだ。実を言うとな、教會はお主を異端審問機関に所屬させたいと考えている。――簡単に言うと、ユート、お主を勧するために今日は來てもらったのだ」
「――俺を勧だって!?」
予想外の事だったので俺は驚いてしまった。
「近頃はオーブに絡んだ犯罪が増加しておってな。……不當な買い占め、盜難、強奪、教會以外での召喚の儀の実施等、挙げていくときりがないくらいの事件が起きていてるのだよ」
へー、ってあれ!? 召喚の儀って教會でやらなきゃいけないのか?
「あの……、教會以外での召喚の儀ってなんでダメなんですか?」
神父は俺を見ると、咳払いしてから答えた。
「……召喚は便利な反面、犯罪に利用されることもなくないのだ。お主が持っているサルガタナスや、モガディシュの持っていたティンダロスの猟犬などを考えてみればわかるだろう?」
俺はドキッとしてしまう。……そういえばサルガタナスを風呂場での覗きに使ってしまったな。ごめんなさい。
「犯罪が起きたときに誰がどの召喚を所持しているかを把握しておけば捜査は容易くなる。そのため、教會では召喚の儀が行われるたびに厳格に記録を取っているのだよ」
「つまり、教會外で召喚の儀が行われると把握できなくて困るってことか」
「……そういうことだ」
あれ、でもシルヴィアのテテュスの時は確か教會じゃなかったような……。
「……おい、ローザ」
俺は小聲でローザに話しかけると、ローザは頭をコツンと叩いて舌を出した。……ダメだこのシスター、早く何とかしないと。
「……話を戻そう。オーブに関わる犯罪が増えた背景には、ある組織の勢力拡大が関係しているようなのだ。その犯罪組織の名は、――ヘルヘイム。この組織を壊滅させるべく、教會では異端審問機関の戦力となる人員を裏で揃えているところだ」
なるほどな。それで最強の召喚を持つ俺に白羽の矢が立ったってことか。
「うーん、でもその異端審問機関とやらにるメリットってあるんですか? ……なんか危なそうだし」
「……勿論だ。異端審問機関に所屬すれば、毎月百萬ソル以上の給金がでる」
百萬ソル!? ……なかなかにいい報酬だな。でも最近はお金が貯まったところでオーブがほとんど売ってないんだよなぁ。犯罪組織と戦いなんかしたら命も危なそうだし割に合わない気がする。
「……それだけじゃ足りませんね。命の危険すらありそうですし。……殘念ですが今回の話はなかったことに」
俺は神父に斷りの返事をする。すると、神父は焦った様子で引きとめにかかってきた。
「――待つのだ! この話をけてくれれば特別にオーブもやろう!」
「――やります。やらせてください」
俺は食い気味に返事をした。ガチャ、もといオーブは命よりも重いのだ。
「――なに!? 本當にいいのか? ……ローザに言われた通りにやってみるものだな」
神父は自分で條件を出したくせに驚いている。
……オーブの報酬はローザの差し金か。グッジョブだローザ。
「で、俺はどうすればいいんですか?」
「……來週には異端審問機関の定期集會があるのでそこに參られよ。的な日程は後日、ローザから伝えることにしよう」
ふーん、定期集會なんてのがあるのか。面倒だけどけちゃったししょうがないよな。
「わかりました。――で、早速なんですがガチャがしたいんですけど」
「……分かっておる。ローザよ、準備を頼む」
「はいは~い! 任せなさい!」
その後、召喚の儀が行われて俺はまた一つ新たな召喚を手にれたのであった。
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