《ガチャって召喚士!~神引きからはじめる異世界ハーレム紀行~》第七十八話 クリスタルオーブ
お別れ會の翌朝、さやかはアトゥムを召喚した。
目の前の空間に真っ暗闇の大きなが現れて、その中には先が見えないほど長い階段が続いている。
その中にさやかは足を踏みれ、俺たちに最後のあいさつをかわした。
「それじゃあお別れね。本當みんなには謝してるわ」
「ああ、元気でな。弟さんにもよろしく言っといてくれ」
さやかのが暗闇の空間の中に全部るとは消えてなくなった。
噓のようにあっけない別れだ。
「行っちゃったわね」
アリサが名殘惜しそうに呟く。
「そうだな。でも昨日も言ったけどまた會えるさ、召喚の可能は無限大だからな」
「そうそう、ユート君、それにみんな。召喚について新しい事実がったので共有しておくわね」
いつになく真面目な表でローザがみんなに言った。
「最終開放をするには同じ召喚を必ず五回以上引く必要があると思われていたんだけど、実は他にも方法があることが発見されたのよ」
「――なんだって!?」
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みんなが一様に驚いて見せた。最終開放は召喚の加護を著しく上昇させることができる。
今までの召喚ガチャで五回引くという條件はかなり厳しかったから、それ以外の方法があるなんて革命的な発見だ。
「その方法とはね、あるアイテムを使うのよ」
ローザは手提げの袋をごそごそといじってオーブを取り出した。
「じゃーん! これがそのアイテムよ」
「……それってオーブだよな?」
「そうだけどこれはただのオーブじゃないわ。クリスタルオーブよ」
青のオーブに似た輝きを放っているが、よく見るとそれは球ではなく面が全て五角形になっている正十二面だった。
「このクリスタルオーブを他のオーブに合わせるとね、解放段階が一つ上がることがわかったのよ」
「それは凄いな。これがあれば昨日言ったアトゥムの最終開放も実現可能かもしれない」
もっともアトゥムに関しては誰も持っていないので召喚ガチャで一つは手にれる必要があるのだが。そこは持ち前の運でなんとかなるだろう。
「そのクリスタルオーブってのは今ローザが持っているしかないのか? どこで手にれたんだ?」
「今の時點で所持しているのはこのクリスタルオーブだけよ。でもね、教會ではこのクリスタルオーブの出現場所をバッチリ調査済みなのよ。明日には全冒険者にこの事実が公布される予定なんだけど……」
ローザは悪い笑みを浮かべながら俺の肩を叩く。
「今日のうちならまだ教會員以外はこのことを知らないから、クリスタルオーブ取り放題かもね~」
そう言ってローザは彼方を見上げて口笛を吹く。
こいつ、こんな大事な報をばらしちゃったけど何かあっても責任取るつもりないな。
でも俺にとっては報を橫流ししてくれるのはありがたい、さすがローザ。
俺の見込んだ仲間なだけはある。
「でかしたローザ! それでその場所はどこなんだ?」
「ここから北西に行ったところにあるクマラヤン岬の巖場よ。ここからはちょっと遠いけど、馬を借りていけば一日でいけない距離じゃないわ。クマラヤン岬は上級冒険者以上のクラスじゃないとることが出來ないけど私たちなら問題ないわね」
「あれ? エリーとローザはシスターだからいいとして、レイチェルは中級冒険者じゃなかったっけ?」
話をずっと黙って聞いていたレイチェルが飛び出してきて俺のお腹をポコポコ叩いてきた。
「昨日話したではないか! モガディシュ討伐の功績とサモンランドの功績を合わせて、わたしも上級冒険者への昇格が認められたのである」
「すまんすまん、酔っぱらってたので覚えてなかった……」
「くぬぅ……。まあ良いのである。今日は上級冒険者となったわたしの活躍を見せてやるのである!」
レイチェルはパンチの素振りをしてやる気を見せている。
「よし、これで障壁はなくなったな! みんな急いで準備してクマラヤン岬に出発しよう!」
その時、思いもよらぬ人が現れた。
「……話聞いちゃいましたよ」
槍を攜えていつも笑顔を崩さない青年、アデルだ。
「ちょっ!? アデルがなんでこんなところにいるんだよ!」
「僕もしだけどさやかさんと面識があったのでお別れのあいさつにと思ったんだけど。どうやら遅かったようだね……それよりもローザさん……」
笑顔のままローザのほうを見て無言の圧をかけるアデル。
「な、なによアデルくん……。その、教會の極報をばらしたりなんてするわけないじゃない!」
ローザがテンパってるのは珍しいな。一番れられてはいけないことを自ら口にするなんて。
「大丈夫ですよ。別にクリスタルオーブの報をらしたなんて言いふらしたりしませんから」
「何故アデル君がクリスタルオーブのことを!? ちゃっかりわたしたちの話を聞いてたのね!?」
「僕は何も聞いてませんよ。でもなんだか今日はクマラヤン岬に行きたい気分だな。なんでかわからないけどギルドメンバーをって行ってみようかな」
アデルはこれが口止め料だと言わんばかりに獨り言をつぶやいた。
「……わかったわよ。止めはしないわ。うちのギルドとどっちが先にクリスタルオーブをたくさん回収できるか勝負と行こうじゃない!」
「ありがとうございます。ローザさん、ご協力謝します。それではまたクマラヤン岬で」
にくらしいほどの爽やかな笑顔を向けてから、アデルはさっさと自分のギルドへ戻って行ってしまった。
「よし、準備は最小限にして俺達はすぐにでかけよう。今すぐ行すればアデル達よりも先にクマラヤン岬にたどり著けるはずだ。オーブのセットだけは忘れるなよ!」
みんなは「おーっ」と掛け聲を上げてからすぐに部屋にオーブを取りに向かう。
教會非公認のクリスタルオーブ爭奪戦が今始まった。
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