《ドラゴンテイマーにジョブチェンジしたら転生してた件》魔導船での生活 続
ドラゴンテイマーの朝は早い。
ベットに寢転がったままをばすと、節々に痛みが走る。
これは昨日の特訓のせいだ。
「あぁ~筋痛がジンジンするんじゃあ~」
僕は痛みに耐えつつも、今日も日課である二度寢をする。
「まだ寢れる……」
「いや、起きなさいよ」
背後から聲がした。
僕は寢返りをうって反対側を見る。
「あいたたた……」
「大丈夫? ……そんなに筋痛がひどいの?」
聲がした方を向くと、リーチェが心配そうにこちらを見ていた。
「いや、大丈夫だよ。それよりもどうしたの?」
「昨日はしやりすぎたかなと思って、様子を見に來たのよ……」
そう言われて、僕は昨日の良い出來事を思い出す。
「あっ! 特訓のことなんだけどね……? 実はリーチェとの特訓のおかげで、レベルが1つ上がってたんだ! これでレベル2だよ!」
そう、僕のレベルが2となったのだ!
基本的にレベルは、魔を倒すことで上がっていく。
だが、魔を倒さなくてもジョブに関連した行をすると、レベルが上がることがあるのだ。
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例えば、戦闘系のジョブだと、武を素振りや打ち合いなどでレベルを上げることができる。
非戦闘系のジョブの商人だと、渉や買いをすることでレベルを上げられる。
僕のドラゴンテイマーの場合だと、使役しているドラゴンが強くなったり、戦ったりするとレベルが上がっていくと思う。
もちろん、既にテイムモンスターのリーチェが戦っても、僕のレベルを上げることができる。
ただ、僕のためにならないから、リーチェが主導で戦うことはあまりないと思うけどね……
僕がそう喜んでいるのを見て、リーチェは微笑む。
「おめでとう。じゃあ、レベル10を目指して今日もたっぷり訓練しないとね? 最初のスキルは何かしら……?」
「うっ。そ、そうだね。まあそれは置いておいて、僕の最初のスキルかぁ……」
人は皆、レベル10毎にスキルを授かることできる。
確か、ゲームの頃だと……
レベルが10、30、60、90の場合は、ジョブ固有のスキル。
レベルが20、40、70、80の場合は、プレイヤー行に応じたスキル。
レベルが50の場合は、ジョブ固有のレアスキル。
レベルが100の場合は、プレイヤー行に応じたレアスキル。
というようなじだった。
ちなみに僕は、レベル50で異次元牧場、レベル100で言語翻訳のレアスキルをゲットした。
ジョブ固有のスキル以外は完全にランダムなので、狙っていたスキルが取れなかったら最初からやり直すというプレイヤーもいた。
いわゆるリセマラだ。
さすがに僕はそこまでする気はなかった。
取れたレアスキルも結構面白そうだったしね。
「……多分、最初のスキルはテイムかなぁ。テイマーの時も最初はテイムだったし」
僕がそう言うと、リーチェは昔を懐かしむような笑みを浮かべた。
「そうね。言われてみれば、プチフェアリーだった私がテイムされたのは、レベル10ぐらいだったわね……」
そんな過去のことまで覚えているのか……
リーチェは僕のことをどこまで知ってるんだろう?
「リーチェは僕のことをどれだけ知ってるの?」
リーチェは難しそうな顔をして下を向く。
「うーん……あなたのパーティメンバーとして加わっていた時の記憶はあるわ。それ以外のモンスター預り所や異次元牧場での待機中は、ずっと眠っていたわね……」
なるほど……
僕はリーチェをほぼスタメンにしていたから、大の戦闘やクエストの容は、リーチェも把握しているということだな。
何か思い出せないことがあったら、リーチェに教えてもらうこともできそうだ……
「リーチェさん。僕がゲームの時のことを思い出せなかったときはお願いします……」
「……しょうがないわね。その時は私に任せておきなさい」
そう言って、リーチェは呆れた顔をしつつも、最後には微笑んでくれるのであった。
……この後、話も一區切りついたので、僕は二度寢しようとするのだが、リーチェに洗面室へと引きずられていくのであった。
▽▽▽
「あら? 2人ともおはよう。ルシエルちゃんとリーチェちゃんは本當に仲がいいわね」
洗面室で顔を洗っていると、母様がってきた。
母様は、そのまま僕とリーチェはギュッと抱きしめる。
「おはようございます。お義母様」
「おはよう母様……」
「うふふ。ルシエルちゃんは眠そうね。まあ、まだ日が出てすぐですものね……」
「まだそんなに早い時間なのか……それよりも母様は大丈夫なの? ずっと縦してて疲れてない?」
母様は昨日からずっと魔導船を縦していたはずだ。
縦するのもブランクがあったようだし、大丈夫なのかな……
僕の心配していることが表に出ていたのか、母様は安心させるように笑う。
「まだまだ大丈夫よ。外が暗いときはずっと停止してるし、便利な魔道もいっぱい備え付けているから、そこまで負擔はないわよ? 強いて言えば、ずっとお空を見ているから、退屈になっちゃうのがつらいかな?」
母様はおどけたようにそう言った。
「……では、お義母様を退屈にしないよう、様子を見て遊びにいくことにしますわ」
「そうだね。僕達で良かったら話し相手になるよ」
「本當?! リーチェちゃんありがとね! いつでも遊びに來ていいからね? もちろんルシエルちゃんもね?」
母様はそう言って僕達をより強く抱きしめる。
「あっ、でもアレスお義兄さんとバロンは呼ばないでね? あの2人はすぐ意地悪するから」
「いやはや! 滅相もございません! そのようなことは致しませんよ」
「きゃっ?! ……バ、バロン! 驚かせるのはやめてよ! びっくりしたでしょ?!」
洗面室のり口に振り返ると、してやったりという顔のバロンが立っていた。
驚かされた母様は、ジトっとした目でバロンを睨む。
「バロンいつからいたの? 僕、全然気が付かなかったよ……」
僕がそう驚いていると、リーチェが口を開く。
「お義母様がまだまだ大丈夫って言ってた辺りから、り口のところに隠れていたわよ?」
「リーチェお嬢様にはバレバレでしたか……私もまだまだ進が足りないようですね……」
バロンがしみじみと呟く。
一何を進するのだろうか……?
「リーチェちゃん……気付いていたなら教えてよぉ……」
「ごめんなさいお義母様……バロンが驚かすのも面白そうだと思ってしまって、つい……」
リーチェは申し訳なさそうに笑った。
「ルシエルちゃん! みんながお母さんをいじめるの! ルシエルちゃんはお母さんをいじめたりしないわよねっ?! ねっ?」
母様がぐわっと僕の足に縋りつく。
「大丈夫だから! 僕は母様の味方だから! だから足を摑まないで! 倒れるから倒れ! うわっ!」
僕は母様に足を摑まれて派手に転ぶ。
倒れた先にはリーチェが。
僕はリーチェに覆いかぶさるようにして床に倒れ込む。
「で、では、朝食の準備がありますので、私はこれにて失禮します」
そう言ってバロンが姿を消す。
母様は依然として、僕の足をロックしている。
そして僕は、リーチェのをクッションにするかのように顔を埋めてしまっていた……
ねえ? どうするのこれ?
これ、顔を上げたら絶対ヤバいやつだよね?
こんな時はどう対処すればいいんだ?
僕は思考をフル回転させて、前世のゲームを思い出す。
思い出せ……選択肢をイメージしろ……
①素直に顔を上げて謝る
②バロンの後を追って逃げる
③このまま気絶したふりをする
僕は選択肢を選ぶ。
ここまでまだ1秒も経っていない。
僕はすぐさま実行に移す。
「……」
僕は息を潛める。
顔をリーチェのに埋めたまま、眠っているかのように深く呼吸をする。
そう、気絶したふりだ。
「すぅぅぅはぁぁぁ……」
(さすがのリーチェも、気絶した相手には攻撃できまい……)
「ねえ……?」
(いける。僕ならいける。さっきまですぐ寢れそうだったし、あと5秒もあれば寢れるはずだ)
「すぅぅぅ……はぁぁぁ……」
「ねえ?」
(大丈夫だ。まだリーチェは気付いていない……あと3秒あれば寢れる! 僕の勝ちだ!)
「……私があなたの思考を読めること、忘れてないかしら? 起きてるでしょ?」
「すぅ……はぁ……?!」
「こうなったのも、私が原因でもあるから特に何も言うつもりはなかったんだけど……」
「ごめんなさいッ!」
「今更遅いわよッ!」
「たわばっ!!」
僕はリーチェに思いっきりビンタされて、吹っ飛んでいった。
母様はさりげなく手を放していた。
ひどいよ母様……
……その後、僕はリーチェに甲板まで引きずられていった。
僕が甲板に転がされた後、逃げたバロンも僕同様に甲板へと転がされてきた。
「あなた達、おいたが過ぎたわね。……さあ、特訓を始めるわよ?」
リーチェは、僕達を見下ろしたままそう言った。
「あ、悪魔だ……」
僕は震える聲でそう呟くしかなかった。
ここからリーチェの地獄の特訓が始まった……
ちなみにこの特訓は半月とし続き、僕は何百何千と転がされながらも、ついにレベル10へと到達したのだった。
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