《ドラゴンテイマーにジョブチェンジしたら転生してた件》仲間の今後

コンコンコン。

「ル、ルシエル君、朝ですよー」

ドアをノックする音、朝を告げるの子の聲がする。

それらが僕を目覚ましとなった。

「ふわぁぁぁ……」

僕はを起こして、立ち上がろうとする。

「いてて……」

今日もまた筋痛がする。

特に関節が痛い。

氷の床で転ばないように踏ん張ってたからかな……?

「ルシエル君、起きてますか? は、りますよ?」

ガチャリ。

ドアが開き、リューネがってきた。

「あ、起きてたんですね。おはようございます」

「おはようリューネ」

「もう朝食の時間ですよ。皆さんも集まっています」

「わかった。すぐ行くよ」

そうして、僕はすぐさま立ち上がろうとするが、関節の筋痛の影響で足がもつれてしまう。

あっ、これヤバい……!

「こけそう! リューネ避けて!」

僕はそう言って床に向かって倒れ込む。

「あ、ルシエル君! 危ない!」

……しかし、僕は床に打ち付けられることはなかった。

それどころか、僕の腕にはらかいが……

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「だ、大丈夫ですか?」

「う、うん。ありがとう……」

どうやら、リューネが僕のを橫から抱きしめてくれたようだ。

これにより、僕が倒れずに済んだ。

ほのかに石鹸のいい匂いがする。

意識するとドキドキしてきた……

「あっ、ありがとうね。ちょっと筋痛で足がおぼつかなくて……」

僕がそう言うと、リューネはクスリと笑った。

「ルシエル君もなんですね。実は兄さんも筋痛で転んでたんですよ……」

リュークもか……

いつも僕しか筋痛になってなかったからか、こういうところで仲間ができるのはちょっぴり嬉しい。

あとでこの痛みを共しておこう。

「おーい。リューネ、リーダーは起きてい……?!」

僕達が話していると、リュークがってきた。

リュークが見た景は、僕がリューネに抱きつかれているシーン。

しかも、お互いに微笑んでいて良いじの雰囲気にも見える……

「すみません! お邪魔しました!」

そうして、リュークは慌てて出て行こうとする。

痛の影響か、その足取りは重い。

「に、兄さん! 誤解ですッ!」

「うわっ……ぶふっ!」

リューネが慌てて手を放したことで、僕は床へと突っ込んだ。

「ああっ! ごめんなさい、ルシエル君!」

この後、何とかリュークの誤解を解くことに功。

それから、僕とリュークはおぼつかない足で食堂へと向かったのであった。

▽▽▽

僕達は朝食を食べた後、今日のことについて話し合う。

「とりあえず、僕が考えていた今日の予定なんだけど……」

午前中は、パーティの狀況把握する。

午後ちょうどからは、冒険者の初心者講習をける。

講習が終わり次第、ダンジョンの1階層を様子見する。

日が暮れ始めたら、ここへ帰宅する。

「……ってじなんだけど、どうかな?」

僕がそう言うと、アレスおじさんが口を開く。

「うん。俺からは特にないぞ。ただダンジョンは1階層だけにするんだぞ?」

僕はアレスおじさんに頷いて、リュークとリューネを見る。

リュークとリューネはし不安そうにしていた。

「2人ともダンジョンはまだ不安かな……」

「い、いえ。次こそは大丈夫です。囲まれないように背後には気をつけます」

リュークがそう言って、リューネも頷く。

2人はダンジョンの1階層で、ゴブリン達と戦っているときに背後から奇襲をけて壊滅しかけた。

の扱いもまだ慣れていないので、周囲の警戒がおろそかになっていたという反省點も聞いている。

「うん。周囲の警戒には労力を割こうね。今回は僕とリーチェもれて4人だし大丈夫だよ。……リーチェは基本戦闘には參加しないけどね」

僕達のパーティは、僕、リーチェ、リューク、リューネの4人だ。

ただ、リーチェは僕達の訓練のため、あまり積極的に戦わないということを事前に決めている。

「はい。周囲には気を配るようにします」

「私もちゃんと意識するようにします」

2人がそう言うと、母様が會話にってくる。

「あっ、そのことなんだけどね? もしリューク君、リューネちゃんが良かったらだけど、稽古をつけてもらってもいいのよ?」

「「えっ?」」

母様の言葉に固まる2人。

僕も何も知らない……

「昨日聞いた話だと、リューク君は剣、リューネちゃんは槍を使うのよね?」

僕達3人は母様に頷く。

「剣ならバロン、槍ならアレスお義兄さんから教えてもらえばいいと思うの。こう見えて2人ともかなりの腕前よ?」

「ああ。こう見えて俺のジョブはパラディンだ。バロンもただの執事に見えるが、ジョブはホーリーナイトだからな」

アレスおじさんがニヤリとして僕達を見る。

「す、すごいです。パラディンやホーリーナイトというと、Bランク以上の冒険者でしか見ることがないと言われているジョブですよ!」

リュークはキラキラした目でそう言った。

リューネはよくわかってなさそうだったが、リュークの話を聞いて凄いと思ったのか頷いた。

まあ、冒険者になったばかりだからそこまで知らないよね……

「でも、何度も言って申し訳ないのですが、そこまでしてもらってもいいのでしょうか? 何か僕達にもお手伝いできるようなことがあればやらせてください」

リュークがそう言うと、母様が何か思い出したように聲を出した。

「あっ! バロン。そう言えば、お手伝いを雇うって話をしてなかったかしら?」

あ、確かに言ってた気がする。

母様がドラグヘイムで暮らすかどうかの説得のときに雇うとか雇わないとか……

「そうですね。もうし落ち著いてから、お手伝いを雇うつもりでした。……なるほど、この2人を執事見習い、メイド見習いとして雇うと?」

バロンがそう問うと、母様が満面の笑みで頷いた。

「ええ。それなら、2人も気兼ねなく頼れると思うわ。リューク君とリューネちゃんはどうかしら?」

「やらせてください!」

「私もやります!」

そう言って、リュークとリューネは力強く頷いた。

その後、2人は僕の方を見た。

「うん。大丈夫だよ。バロン、作業容はどれくらいになるのかな?」

「そうですね。掃除、洗濯、買出し、料理、執事とメイドの作法の勉強ぐらいでしょうか? ある程度の作業を分擔すれば、そこまで負擔も多くないと思います」

「わかった。ありがとう! まあ、2人とも無理はせず、きつかったら教えてね? 2人が倒れたら元も子もないし……」

「「はい!」」

こうして、リュークとリューネは、一時的に我が家の執事見習いとメイド見習いとなったのであった。

▽▽▽

ゴーン……ゴーン……

冒険者ギルドに鐘が鳴り響く。

この鐘の音は、午後の開始を告げる音らしい。

「リーチェ、丁度みたいだね」

「ええ」

僕とリーチェは、エントランスから付へと向かう。

付には、昨日僕達の仮登録をしてくれたマリーダさんがいた。

今は晝食時だからか、どの付も並んでいる人がいないようだった。

「マリーダさん、こんにちわ」

「こんにちわ」

僕とリーチェがそう挨拶すると、マリーダさんは笑顔で対応してくれる。

「こんにちわ。ルシエル君とリーチェちゃん。初心者講習の參加ですね?」

「はい! 參加しに來ました」

「……初心者講習は訓練場で実施するのですが、場所はわかりますよね? 昨日、いきなり擬戦をして盛り上がっていたようですし……」

マリーダさんは、ジト目で僕を見た。

これは僕とキースの戦いがバレている。

「うう。すみません……初心から學ぶとか、慎重に活するようなことを言っておいてこのざまです……」

僕は申し訳なさそうに言うと、マリーダさんは慌ててフォローする。

「いえ、私が2人のことを侮っていたというだけなので、そこまで気にしなくてもいいですよ。てっきり、駆け出し冒険者かと思っていましたから……」

マリーダさんは、こほんと咳払いして話を続ける。

「それよりも、初心者講習ですね。訓練場には、犬の獣人のシェードという初心講習擔當がいると思うので、彼に講義をける旨を伝えてください」

犬の獣人のシェードさん。

覚えたぞ。

「わかりました。じゃあ行ってきます!」

僕はそう返事して、リーチェは軽く會釈をした。

「はい。いってらっしゃい」

僕達はマリーダさんに見送ってもらい、訓練場へと向かったのであった。

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