《ドラゴンテイマーにジョブチェンジしたら転生してた件》講習からの合流

訓練所に著くと、冒険者っぽい団がいた。

その冒険者達の奧には、犬の耳と尾をつけた男がいる。

おそらく、この人が講習擔當のシェードさんだろう。

僕達は、シェードさんらしき人のもとに向かう。

「あの、すみません。シェードさんでよろしいでしょうか?」

「ん? ああ、俺がシェードだよ。……君達も初心者講習をけに來たんだよね? 名前を教えてくれるかな?」

よかった。

この人がシェードさんで合ってるみたいだ。

「はい。僕はルシエルで、こっちのの子がリーチェです」

僕達の名前を聞いたシェードさんは、名簿のようなものを確認する。

「えーと……お、あったあった。じゃあ、君達も適當にこの辺でいてね。もう講習を始めるから」

「わかりました!」

僕達は団の端の方で待つことにした。

その後、殘り數名がやってきたところで、シェードさんが大きな聲を出した。

「よし! 全員集まったので、これから初心者講習を始めるよ!」

その聲を聞いて、集まっていた冒険者達がシェードさんの方へ向く。

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「最初は実技の講習で、その後に座學の講習だよ。みんながテキパキとやってくれたらすぐに終わるから集中して頑張ろう! ……あっ、自己紹介がまだだったね。俺の名前はシェード、今はギルド職員をやっているけど、し前まではAランク冒険者だったよ!」

シェードさんがAランクだと言うと、辺りからどよめきが起こった。

「まあ、実技って言っても、訓練用の武で打ち込んできてもらって、俺がいくつか指摘するぐらいなんだけどね。……じゃあ、順番に呼んでいくよ! まず……」

そこからは、冒険者の名前が順番に呼ばれて、シェードさんと打ち合っていった。

僕達をれて大12、3人ぐらいの人が集まっていて、その半分ぐらいが終わった頃に僕の名前が呼ばれる。

「次、ルシエル! 使う武を選んでね」

「はい!」

僕はみんなの前へと出て、訓練用の武を選ぶ。

ここに置いてあるのは、剣、槍、斧、短剣、弓と矢だ。

鞭は無い。

僕は、その中から訓練用の槍を手に取る。

僕が槍を構えたのを見て、シェードさんも訓練用の剣を構えた。

「おいで」

「いきます!」

僕は初撃でへの突きを放つ。

ガキンッ!

「勢いはいいね! ただ、攻撃するところが視線でばれるよ!」

僕の攻撃は、シェードさんに軽々といなされてしまう。

最初にチラッとしか見てないのにばれたのか……

さすがはAランクと言われるだけはあるな。

アレスおじさんやバロンと戦ってるときみたいだ。

その後、何度か打ち合って、僕の番が終了となる。

「うん。かなり良かったよ! どこかで槍を教わってたのかな? ……例えば、アレス・クリステーレからとか」

「えっ……!? なんで僕の叔父を知ってるんですか?」

僕の驚いている顔を見て、シェードさんはくつくつと笑う。

「そりゃあ、名簿にクリステーレって書いてたからね。僕とアレスは同じパーティを組んでいたことがあるんだよ。……君の槍の扱いはアレスと似ているね。特に最初にへの突きを放つのもそっくりだ。……指摘があるとするとそこかな? 確かに相手のへの突きは有効になりやすいけど、速さが足りないと簡単に防がれてしまうよ? 突きのきも読みやすいから、カウンターを合わされる可能もある。そこだけ注意してね」

言われてみたら、アレスおじさんを真似ていたからか、突きを多用している気がする。

僕の場合は、速度も威力もまだまだだから、あまり多用しないほうがいいのかもしれないな。

使うなら、コンパクトな素早い攻撃で、コンボをつなげてからのほうがいいかも。

弱、弱、強ってじで。

「ありがとうございます! し考えてみます」

僕はお禮を言って、もとの場所へと戻る。

「次! リーチェ!」

僕とれ替わりになるようにリーチェが前に出てくる。

その際、僕は小聲で注意しておく。

「やり過ぎないようにね……」

「ええ。わかっているわ」

僕は不安になりながらもリーチェを見送った。

數分後……

「いやあ! 驚いたよ。特に何も言うことがない! 君なら問題なくダンジョンに送り出せるよ!」

「ありがとうございます」

リーチェとシェードさんの打ち合いは、見ごたえのあるものだった。

リーチェの流れるようなきと軽やかな剣さばきは、まるで踴っているように見えた。

相手をしていたシェードさんも、空に舞う羽のようにひらひらと全ての攻撃を回避していた。

他の冒険者達もこれが講習だということを忘れたように見っていたようだ。

「じゃあ次は……」

シェードさんが次の人を呼び出した頃には、リーチェが僕の橫に戻ってきた。

「どうだったかしら?」

「すごかったよ。踴ってるみたいで綺麗だった」

「……そう。よかったわ」

リーチェはし照れたようにそっぽを向く。

そんなじで、僕達は実技の講習を終えたのであった。

▽▽▽

一方、魔導船の甲板では……

「えい!」

「リューネ! まだまだだ! もっと素早く、コンパクトに突け!」

「は、はい! えいっ!」

「いいぞ。その調子だ! 槍は間合いが重要だぞ! 今の突きの間合いに慣れるんだ!」

「はい!」

「……ほら、リュークも負けてられませんよ。さっき教えた通りに剣を振ってみてください」

「はい! はあっ!」

「もうし、踏ん張って剣を振り下ろしましょう。腕だけで振ってしまっています」

「わかりました! はあぁぁぁ!」

「もうし、足腰を使ってください」

「はい! やってみます」

バリボリバリボリ……

「アステルちゃんは、本當によく食べるわね……ほら、クッキーまだしい?」

「クー」

バリボリバリボリ……

「ふふふ。味しそうに食べるのね。お母さんもちょっと食べようかな?」

「クー!」

「えっ? ダメって? しょうがない子ね……ほら、あーん」

「クー」

バリボリバリボリ……

「あっ、そろそろ時間ね。みんなー! そろそろ待ち合わせの時間よー!」

「ん? もうそんな時間か……リューク、リューネ、稽古はこれぐらいにしておこう」

「「はい! ありがとうございました!」」

「坊ちゃんが、ダンジョン探索用の道をまとめているので、忘れずに持っていってくださいね?」

「はい。自分が持っていきます! 行こうリューネ! では、行ってきます!」

「う、うん。みなさん、行ってきます!」

「おう! 気をつけてな!」

「いってらっしゃい」

「いってらっしゃいませ」

「クー」

バリボリバリボリ……

▽▽▽

竜王國ドラグヘイムのダンジョン。

それは、ダンジョン街の中央から、空高くの雲の向こうまで真っすぐとびていた。

ダンジョンのり口付近には、パーティの募集やアイテムや裝備を売る店などがずらっと並んでいる。

「リーチェ、これすごく大きいね……」

「ええ。近くで見たら迫力があるわ……倒れてきたら大參事ね」

「そんな騒なこと言わないでよ……」

僕とリーチェは、待ち合わせ場所であるダンジョンへのり口付近で待機していた。

店からはし離れている。

もうししたら、リュークとリューネが來るはずだ。

「リーチェ、ダンジョンを壊したりしないでね?」

僕がそう言うと、リーチェが不服そうな顔をする。

「あなたは私を何だと思っているの? さすがにこれを壊すほどの力はないわよ」

「ははは。冗談だよ冗談」

そうだよね。

ダンジョンは神が創り、神しか壊すことができないと言われている。

……いくらリーチェでもできないよね?

「それよりも、座學の講義の容は頭にってるのかしら? 結構量があったけれど……」

「あ、それに関しては大丈夫だよ。ゲームの設定と似通っているものが多かったし」

そう、前世で遊んでいたMMORPG『スカイ・アース・ファンタジア』の設定と共通しているものが多かったし、ある程度はカバーできている。

知らない部分も結構あったけど、僕達はまだ関係なかったので後回しにしておく。

「リーダー! リーチェさん! 遅れて申し訳ありません!」

「ご、ごめんなさい。遅れました!」

そう考えていると、リュークとリューネが到著したようだ。

2人は頭を下げて、僕達に謝ってくる。

「大丈夫、大丈夫! 僕達も今さっき來たばかりだから気にしないで」

「そうよ。そんなに気にしなくてもいいわ。私達はパーティなのだから」

僕とリーチェが気にしてないことを伝えると、リューク達は頭を上げる。

「そう言ってもらえると助かります……」

「ありがとうございます……」

リューク達は安心したように微笑んだ。

そこで、リュークが持っている荷が目にった。

「……あ、荷持ってきてくれたんだね! ありがとう!」

「あ、はい。バロンさんが忘れないにと……」

僕はリュークから荷け取って背負う。

これで準備萬端だ。

「じゃあ、これからダンジョンにるけど、みんな覚悟はいい?」

僕は3人が頷いたのを確認する。

「よし! じゃあ行こう!」

さあ、記念すべき初ダンジョンだ!

中はどんなじなんだろう? ワクワクするぞ!

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