《ドラゴンテイマーにジョブチェンジしたら転生してた件》特訓の

晴れた日の朝、僕達は甲板に集まっていた。

全員揃ってアレスおじさんの見送りだ。

「ルシエル、リューク、リューネ、ダンジョン攻略頑張れよ!」

僕達3人は頷く。

「リーチェ、ルシエル達をよろしく頼む! アステルもいい子に育つんだぞ!」

「はい。おじさまをお気をつけて」

「クー」

リーチェはいつものように微笑む。

リーチェにつつかれたアステルも、タイミングよく鳴いた。

「ラスティナ嬢とバロンもみんなを頼むぞ!」

「ええ。アレス義兄さんも頑張ってね」

「アレス様のご武運をお祈りします」

母様とバロンは、アレスおじさんを心配そうに見ている。

「アレシア……あんまり話せなくてごめんな。また今度いっぱい時間を取るからな? マリーシア、アレシアを頼むぞ。お前には苦労をかけてすまん」

「いいえ。私はいつまでもお待ちしています。いってらっしゃいませ」

マリーシアさんは優しいまなざしで見つめ、アレシアは目を潤ませて頷いた。

「よし! じゃあ、行ってくるよ! なあに、すぐに戻ってくるさ!」

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アレスおじさんはそう言って笑い、魔導船を下りて行く。

その背中には、聖騎士のカイトシールドが太けて輝いていた。

……最後の最後に死亡フラグっぽいのを立てていったな。

本當に大丈夫なのだろうか?

▽▽▽

晝食を食べた後、僕のパーティは甲板へと集合していた。

ダンジョンへと再び挑戦するためだ。

そのため、僕も前回と同じ裝備をに著けている。

使い込んだ皮の裝備の上にシャドウコートを羽織り、背中には槍を背負う。

ベルトには、鞭代わりのロープをぶら下げている。

「さて! アレスおじさんが言ってたように、僕達はダンジョン攻略を頑張っていこう!」

僕はそう大きな聲を出して、パーティメンバーたちを見る。

「今度はゴブリンに好き勝手させません! 自分に任せてください!」

リュークはやる気に満ち溢れている様子だ。

リュークの背中には、チラチラと大剣が見えていた。

結局、リュークは片手剣ではなく大剣を使うことにしたのだ

この大剣は、々お高くなったが、やや軽くて丈夫な代らしい。

し短いが腹が広いため、ガードしやすくなっている。

まあ、短いと言ってもリュークの長と同じくらいはあるんだけどね。

145cmぐらいかな?

「私もゴブリン達の矢を防いで見せます!」

リューネのやる気もリュークに負けず劣らずといったところだ。

リューネの背中には、槍と大きな盾がある。

この盾もリュークの大剣と同様に軽くて丈夫なものとなっている。

上半を覆うくらいの大きな盾だが、そこまで重くないらしい。

こうして見るとカメの甲羅を背負っているようにも見える。

「私は今回も後ろから見てるわね」

リーチェは今回もアドバイス役だ。

一応、第1階層を踏破したら、リーチェにも戦ってもらおうと思っている。

もちろん、弱い魔法だけで戦ってもらうけどね。

じゃないと、僕達がついていけなくなっちゃうし……

ちなみにリーチェの服裝も冒険者っぽくなっている。

母様が々と買ってくれたらしい。

僕はリーチェをよく見てみる。

白のブラウスの上に茶のコルセットを著け、青いスカートからは綺麗な足がびていた。

ヒールの靴もブーツへと履き替えているようだ。

「そんなに見ないでよ……どこか変かしら?」

「いや、冒険者ってじがしていいと思うよ。よく似合ってる」

「リーチェさん! よく似合ってますよ!」

「自分もそう思います!」

僕達がそう褒めると、リーチェはし恥ずかしそう笑う。

「そ、そう。よかったわ」

「クー」

ちょっと騒がしかったのか、アステルが鳴き聲をあげた。

アステルはし眠そうにしているが、今回は一緒に來てもらう。

テイマーのときは、同行しているテイムモンスターに僕の獲得経験値が分配されていた。

なので、たぶんアステルにもるはずだ。

なんにせよ、準備はばっちり。

裝備も整っているし、やる気も十分だ。

「じゃあリベンジと行こうか!」

「「おー!」」

僕の掛け聲にリュークとリューネは乗ってくれる。

そんな様子をリーチェは微笑ましそうに見ていた。

▽▽▽

窟のような土でできた通路。

壁のところどころに埋め込まれた明るくる結晶。

ジャイアントラットを狩りつつも、僕達は前回奇襲をけた場所のし前までやってきた。

「よし。この辺りからカンテラの魔道を點けておくよ。おさらいもしておこう」

まず、ゴブリン達に矢を飛ばさせて、僕達は耐えてやり過ごす。

その後、矢をつがえる隙をついて、一気にゴブリン達を対処していく。

主にリュークとリューネが攻撃擔當で、僕は暗い辺りを照らしつつロープで援護だ。

そのことを確認すると、2人とも真剣な表で頷いた。

「じゃあ行こう……あっ、その前に」

僕はインベントリからマックスライフポーションを2本取り出す。

なにがあるかわからないし、急用のポーションを持っておいてもらおう。

その様子を見ていたリューネは不思議そうな顔をする。

「あ、あの、ルシエル君。前々から気になっていたんですが、どこからを出しているんですか?」

「こら! リューネ、それは見てないふりをしようって言っただろ?」

ああ。そういえば、リュークとリューネにはインベントリについて言ってなかったな。

今までは見てないことにしてくれてたのか……

2人は信用できるし、別に言ってもいいんだけどね。

「これは僕とリーチェのスキルみたいなものだよ。異次元にを出しれできるんだ」

それを聞いたリュークとリューネは目を輝かせる。

「すごいです! それならダンジョンで大きな荷を背負わなくてもよくなりますね!」

「買出しも楽になりそうです……」

リュークは冒険者視點、リューネは主婦視點で格が出るな。

ちょっとほっこりする。

「ははっ、そうだね。一応、緒にしておいてね?」

「「はい!」」

頷く2人にポーションを渡して、僕達は攻略を再開する。

暗い通路をカンテラので照らしながら奧へと進む。

前衛にリュークとリューネ。

中衛に僕。

後衛にリーチェとアステル。

という前回と同じ隊列で進んでいく。

しばらく歩くとゴブリンの姿が見えた。

前回同様に弓を持ったゴブリン達だ。

既に矢を引き絞っていた。

「ギャギャギャ!」

そして、その聲と共に複數の矢が飛んでくる。

……だが、この攻撃は予習済みだ。

リーチェには、もっと數が多い氷の矢を飛ばしてもらったからね。

僕は矢を躱しながら、辺りを照らし続ける。

リュークは大剣で、リューネは盾で上手く防ぎつつ矢が盡きるのを待つ。

僕は矢が全て飛んできたことを確認して、前進しながら聲をあげた。

「今だ!」

その聲にリュークとリューネも前進する。

僕が進んだ分だけ、ゴブリン達の狀況と戦力が明らかになっていく。

通路は一本道。

僕達の前には、弓を持った6のゴブリンが集して固まっていた。

そいつらの後ろに1の剣と兜を裝備したゴブリンが……

「ゴブリンが6とゴブリンリーダーが1だ! ゴブリンを優先!」

僕はそうびながら、ゴブリン達へとロープを投げた。

矢をつがえている時に何かが飛んで來たら、驚いてきが鈍るだろう。

しでも時間を稼げたらラッキーだ!

そう思って投げたロープは、思った以上の効果を発揮してくれた。

「ギャッ!」

「ギャギャッ?!」

投げたロープは、1のゴブリンに絡まった。

そのゴブリンは、急にロープが絡まったことに驚いて暴れる。

他のゴブリン達は、いきなり暴れた仲間にビックリしてきを止めた。

その間にも、リュークとリューネは接近を終えて攻撃に移る。

「はあぁぁぁッ!」

「ふっ!」

リュークの大剣が數のゴブリンを薙ぎ払い、リューネの槍が殘ったゴブリンを仕留める。

「ギャギャギャッ!」

その景を見て、ゴブリンリーダーは駆ける。

その勢いでリューネへと剣を振り下ろす。

「見えてます!」

ガキィン!

リューネはそれを盾でしっかりとけ止める。

し押され気味だが、しでも時間が稼げれば問題ない。

「くらえッ!」

他のゴブリン達を倒して駆けつけたリュークが、ゴブリンリーダーへと大剣を振り下ろす。

リューネに気を取られていたゴブリンリーダーは、その一撃を躱せるはずもなかった。

ズドォン!

リュークの全重をかけた振り下ろしは、ゴブリンリーダーの頭から橫っ腹にかけてを切り裂き、ダンジョンの地面にめり込んだ。

ゴブリンリーダーはそのまま後ろに倒れて消滅する。

「よし! それで全員だ。援軍もなし! よく頑張ったね!」

辺りを警戒していた僕がそう言うと、2人は安心したのかへたり込んでしまった。

「や、やりました! やりましたよリーダー!」

「ちゃんと防げてよかったです……」

そんな2人にリーチェは近付いて微笑んだ。

「ふふっ。2人ともお疲れ様。特訓した甲斐があったわね」

「「はい!」」

そのやり取りを聞きながら、僕は魔石を拾っていく。

明の小さな魔石が6つとそれらよりしだけ大きい魔石が1つ。

ジャイアントラットよりは大きいかな?

誤差だとは思うけど……

「よし! じゃあ、この調子で進もう。ゴブリンの不意打ちには警戒してね」

そうして、僕達はさらに奧へと進んでいくのであった。

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