《異世界転生の特典は言語理解EXでした〜本を読むだけで魔法習得できるチートスキルだった件〜》第十四話「野営をした」

陸竜車を走らせ、レグリア國へ向かう俺たち。移中、特にこれと言った會話はなく陸竜が地面を叩く音だけが響き渡っていた。

空が赤くなり、日が沈もうとしている。そろそろ野営の準備をする必要がありそうだ。

「そろそろ野営の準備をしましょうか。日も沈んできていますし、先にある森の中よりこの平原で野営をした方が安全ですから」

ミカエラが陸竜車を止めて野営の提案をした。森の中だと魔から襲われる可能が高くなる。それに比べ、平原は辺りを容易に見渡せるため、脅威に気づきやすい。

「そうですね。アレン様もそれでいいですか?」

「ああ、賛だ」

陸竜車から降りて辺りを見渡すと、先には森が生い茂っている。焚火をするための火は、あそこから拾ってくればいいだろう。ちなみに、レグリア國はこの森を抜けた先に位置している。この森を抜ければすぐだ。明日の夜ぐらいに著くぐらいじゃないだろうか。

「では、テントは私とルーシェ様で準備しておくのでアレン様は薪を集めてきてください」

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「わかった、前にある森で燃えそうなやつ適當に持ってくるわ」

焚火をするため、森に薪を集めに行く。適當な太さの木の枝を斬り、薪を集める。途中、魔の気配を察知した。しかし、魔は襲ってこず遠ざかっていくのが確認できた。魔の気配がしたところには、川があるっぽい。どうやら水を飲んでいただけなのだろう。

木の枝を斬るのが楽しくなってきて気づいたら結構な量になってしまった。要らない分は、【アイテムボックス】に収納しておこう。

ルーシェ達の元に戻ると、テントが二つ完していた。

二人は、用意していた食材を食べやすいサイズに切っているようだった。

「薪持ってきたぞ」

「あ、アレン様お疲れ様です!そこにかまどがあるので、火を起こしておいてくださいー」

ルーシェが野菜を切るのを一度止めて言った。

「おう、任しとけ」

ルーシェが言っていたかまどを見る。コの字型で石が並べられているところがそうだろう。

持ってきた木の枝を細くし、それをかまどの中心に積む。その上に太い木の枝を軽く積んだ。こういう風に積めば火は長く燃えるため調理がしやすい。

魔法で薪に火をつけて完だ。薪の量などで火力は調整できるが、めんどくさいので魔法で調整することにした。

「火を起こしたが、今日は食べるつもりなんだ?」

「調味料に塩や胡椒があるので、スープを作る予定です」

「・・・・・・スープだけ?」

「えっ、そうですよ?」

ルーシェは首を傾げていう。彼達はこれで足りるのだろう。なんでもエルフは、1カ月飲まず食わずでも生きていけると聞いたことがある。長壽なのが影響してるだとか。

なんてこった、スープだけとか腹減るに決まってんだろ。舐めてんのかコイツは。と一人で怒っても仕方ないので森の中にあった川に魚でも捕まえに行くか。

「そんだけじゃ腹いっぱいになりそうにないから、魔でも捕まえてくるわー」

「あっ、すみません・・・・・・配慮が足りてませんでした。なんでしたら私の分のスープ、アレン様にあげましょうか?」

「いえ、ルーシェ様。それでしたら私の分のスープをアレン様に」

「おいおいお前ら気にすんな。量もし問題だが、スープだけじゃ味気ないだろ。森の中に川があったからすぐ見つけられる」

「分かりました・・・・・・。気を付けて行ってきてくださいね」

「アレン様、お手數をかけます。私たちの分も出來ればお願いします」

「ったく、ちゃっかりしてんな。適當に1匹捕まえれば3人分ぐらいにはなるだろ」

ミカエラはついでと言わんばかりに自分たちの分も要求してきた。案外図々しい奴なのかもしれない。いや、間違いなく図々しい。真面目キャラだと思ったらこういうキャラだったなんてびっくりだ。

森の中にり、川の音がした方向に向かう。川に行けばさっきのように水を飲み來る魔や川に住んでいる魔がいるからな。大きい木々の枝の上を爽快に駆けていく。こういう風に移していると忍者にでもなった気分になるな。

川辺に著いた。この近くに中々でかいモンスターの気配をじる。・・・・・・アイツか。

バカでかい熊のモンスター。≪ジャイアントベアー≫がそこにいた。こいつは、Bランクモンスターで森の中に住む魔で一番強いと言われている。初級、中級の冒険者がよく≪ジャイアントベアー≫で命を落とすと聞く。

≪ジャイアントベアー≫は、どうやら魚の魔を食べている最中のようだ。俺は気配を消して近づく。ドラゴンと戦ったときのように一瞬で決めてもいいが、あれは魔力を結構使うため多用できない。

≪ジャイアントベアー≫は俺に気づく素振りを一切見せない。俺は後ろから≪ジャイアントベアー≫に飛び込む。手に持つ剣で奴の首を切斷した。まさに一瞬の出來事だ。≪ジャイアントベアー≫も何をされたか分からないままあの世行きだ。結局、魔法を使わずとも一瞬だった。

≪ジャイアントベーア≫のは、質が高くて味しいと評判だ。焼いて良し、スープと一緒に煮込んでも良しだ。≪ジャイアントベアー≫を【アイテムボックス】に収納して帰った。

「わぁー、すごいですね!Bランクモンスターの≪ジャイアントベアー≫じゃないですか!豪勢な食事になりそうですねー!」

「さすが、アレン様。この短時間で≪ジャイアントベアー≫を狩ってくるとは、恐れりました」

キャンプ地に戻ると、ルーシェとミカエラが≪ジャイアントベアー≫を見て驚いている。二人は、かまどで野菜スープを煮込みながら楽しそうに喋っている。

「川に向かったら運よく居たからな」

「じゃあ、この≪ジャイアントベアー≫も一緒に野菜スープと煮込んじゃいましょう!いい出が出そうです」

「あとは焼いて食べようぜ。適當に火魔法で焼き上げよう」

「分かりましたー」

そんなこんなで味しい食事を楽しんだ。余った分は、【アイテムボックス】にれて明日食べることにした。

その晩、暗殺部隊の副隊長から手にれた報を二人に話した。報は下の3つだ。

・首謀者は國王陛下

・レグリア國の軍の者たちにルーシェが反を企んでいることがバレて味方は誰一人いない

・レグリア國の城門付近はいつにもまして厳重に警備されているため、國が容易ではない

「そんな・・・・・・お父様が・・・・・・」

ルーシェは、手を額に當ててひどく落ち込んでいるようだった。しかし、落ち込んでいても狀況は良くならないのを理解しているようだ。

々と話し合い、これからの方針を決めて俺たちは眠りについた。一つのテントで俺が寢てもう一つのテントでルーシェとミカエラが一緒に寢た。

翌日、野営の片づけを早々に終わらせ早朝から陸竜車を走らせた。今日のうちにレグリア國に到著したいからだ。

天気は曇り。このペースで行けば、今日の夕暮れにはレグリア國につくとのことだ。いよいよ國を救う闘いが幕を開けるわけだ。パパっと救って、レグリア國にあるという古代の本を読み漁ってやるぜ。

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