「明日の早朝に作戦開始だ。皆、準備を萬全にしておくように。解散！」

作戦會議が終わった。會議が始まる前は皆、明日への不安をらしていたが終わってみると皆やる気に満ち溢れているように見える。

あの後、アギールは俺達3人が城に侵する作戦や士気を上げる演説を行った。俺を知らないエルフ達もいるわけで、アギールに圧勝した助っ人とアイツに紹介された。皆、驚いていた。アギールの実力を認めているからだろうな。実際、アギールは強い。ステータスの高さや戦いの経験の富さ。一國の騎士団長クラスぐらいはあるだろう。俺の父さんも魔法騎士団の団長だが、あれは次元が違う。現代魔法のみで強くなれる上限を超えてしまっている。

皆、準備が終わり寢靜まった夜。俺も寢床で眠りについていたが、思わず起きてしまった。この國、レグリア國に近づいてくる魔の大群。これだけの気配は初めてじるな。まぁ、そのおかげで事前に気付けたのだが。距離にして3km。あと20分もすればこの國に到著してしまうだろう。

そして、城で行われている古代魔法と思われる魔力反応。――これはまずいな。今すぐアギールを起こして作戦を開始するべきだ。

「おい起きろアギール！まずいことになった」

「ん？どうした」

アギールは眠そうな様子を一切見せず、いつもと変わらぬ平気な顔で答えた。

「この國に魔の大群が押し寄せてきている。それと城で良くない気配をじる。皆を集めて作戦を開始すべきだ」

「――お前が言うならその通りなんだろう。分かった。俺は皆を集めて作戦を開始する。お前はどうするんだ？」

「俺は、國に押し寄せる魔共を始末してからここに戻る。作戦開始までには間に合う」

「よし、分かった。無事に戻って來いよ―――お前ら起きろ！！！皆を起こせ！！！」

アギールは部屋にいる奴らを起こし、皆を起こすよう指示を出した。アギールも部屋を出て、皆を起こし始める。分かりが良くて助かった。俺の噓みたいな報告を信じれる量に服したよ。

俺も部屋、地下、教會と出ていき誰もいないことを確認した後に【テレポート】を使用して城壁の外にやってきた。

いきなり現れた俺に兵士が俺に気付き、警戒態勢にった。俺に剣を向ける。

「お、お前は誰だ！？ここで何をしている！」

し揺している様子が見られたが、すぐさま落ち著きを取り戻した様だ。それでいい。そうでなければ話が進みづらい。

「今からこの國に魔の大群が押し寄せる。俺がなんとかしてやるからお前らは討ちらしを片付けてくれ」

「なっ！？お前はいきなり何を言い出す！そんなことがあるわ・・・」

太鼓が大量に叩かれているような音がじわじわと押し寄せる。それは、平原の奧で影となり形となって現れる。大1kmってところかな。これが城壁を囲むように全方位から押し寄せてきてるんだから、たちが悪い。

「な？言った通りだろ？俺が片付けてやるから安心しろ。だからこのことはに頼むぜ」

「う、うむ。分かった・・・・・・」

周りの兵士も納得したように剣を下ろす。よし、じゃあ片付けてしまうか。

【重力魔法】と【風魔法】を使い宙に浮く【飛行魔法】。上空まで上がっていき、魔の大群を見渡す。結構な數だ。わずかだが、中にはAランクSランクの魔もいるようだ。だが、関係ない。

今から一瞬にして消し去るのだから。『ガロア魔法書』に記載されていた古代魔法。範囲を指定することができ、その範囲における生を一瞬にして凍らす魔法。その名も【絶対零度】。この魔法、実に活用が高い。雑魚相手は、この範囲魔法だけでもいいと思えるレベルだ。魔法創造で新たに魔法を創造する必要がないと言える程に。

全方位から押し寄せてくる魔が全て範囲に収まるように指定する。――指定完了。では、終わらせるとしよう。【絶対零度】

魔達の進行は止まり、辺りが靜まり返る。兵士達は困する。何が起こったのかと。答えは簡単だ。魔が全て凍りついたのだ。そじて、この魔法、後処理も簡単だ。二回目の発で凍ったは々になるのだ。二回目を発し、凍った魔達を々にした。魔の影や形は消え、空へ々になったがキラキラと漂う。

・・・・・・それにしてもありえないレベルの強さだな。普通は、こんな魔の大群が押し寄せたら國は壊滅的な被害をけるというのに。自分が持っている力の大きさを改めて実する。

「魔がき、消えた・・・・・・」

「け、賢者様だ！賢者様！」

兵士達は、俺の存在を賢者だと勘違いする。確かにこんなことをされてもらっては勘違いしても仕方ないかもしれないが。だが、悪いな。俺は賢者じゃなくて反軍の協力者だったのさ。

騒いでる兵士達を無視して、俺は教會に【テレポート】して戻る。魔はすぐ片付けた。あとは、作戦を功させるだけだ。しかし、気がかりなのが城でじた古代魔法の反応。エルフは古代魔法書の解読に功したと考えるべきだ。そうなるとし厄介かもしれないな。