《悪魔の証明 R2》第148話 088 アカギ・エフ・セイレイ(1)
通路にるとすぐに、六號車の様子をうかがった。
クレアスは先ほどの位置におり、その奧にアルフレッドとエリシナの姿もあった。
どうやら、全員が六號車の中に集まっているようだ。
「アカギ君、もういいかしら。そろそろき出さないと、テロリストに先手を取られてしまうわ」
エリシナが、僕の姿を確認するなりそう聲をかけてきた。
「いえ、まだ……」
そう言いながら、首を橫に振った。
「まだ何かあるの?」
怪訝な表をしながら、エリシナは僕に尋ねてくる。
「ええ……あれ、クレアスさん?」
そう言って、すぐにクレアスの背中へと目を移す。
通路のし先にいるエリシナとアルフレッドにいる場所へと、彼は歩み始めようとしていた。
クレアスさん。今その行はまずい――
焦りながら、アルフレッドの位置をもう一度確認する。
アルフレッドは、エリシナのすぐ橫。クレアスからまだ距離はあった。
この配置、今しかチャンスはない。
僕は瞬時にそう判斷した。
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「頼む、クロミサ。僕をサポートしてくれ」
ぼそりと呟くや否や、すぐにクレアスの背中へと視線を送る。
「クレアスさん、止まってください」
と、語気を荒げながら呼びかけた。
僕の聲にクレアスは、ピタリと足を止めた。
そのままこちらを振り返ろうとしたが、それに先じて僕の方からクレアスの元へと駆け寄る。
「アカギ君。いったい、どうしたの?」
クレアスの隣に並んだ僕へと視線を送りながら、エリシナがそう聲をかけてきた。
次の瞬間には、不機嫌そうに腰へと手を持っていく。これ以上我儘は許さないと態度で示しているかのように思えた。
それに構わず、
「遅くなって、申し訳ございません。けれど、僕にもうし時間をください」
と、言葉を返した。
「時間? 何の時間かしら」
眉をし顰めながら、エリシナが確認してくる。
「告白しなければならないことがあります」
僕は素早くそう言い放った。
ちらりと、クレアスの方を見やる。
「クレアスさん。拳銃の用意をしておいてください」
彼にしか聞こえない程度に小聲で囁いた。
これを耳にしたクレアスがこの後どのような行に出るかは不明だが、何も言わないよりはマシであると判斷した。
おそらく芳しくない反応が返ってくることだろう。
案の定、
「え? 何を言って……」
戸いの聲が橫から聞こえてきた。
「拳銃です、クレアスさん」
彼に目を向けず、もう一度小さく言う。
クレアスと僕がボソボソとやりとりしている中、
「告白? この狀況で告白とはどういう意味なのかしら? アカギ君」
エリシナが疑うような聲で訊いてきた。
その後何も臺詞を続けなかったところをみると、どうやら僕の話を聞くつもりはあるようだ。
彼がその機會を與えてくれるか正直不安だったが、これでこの窮地をする第一歩目は踏み出すことができたということだ。
だが、安心するのはまだ早い。僕の推定を披し、クレアスを納得させなければ何の意味もない。
僕は鼻息を荒くしながら、
「そうです。まず、初めにある事実を申し上げなければなりません」
と、応答した。
「いったい何を告白するつもりなんだ?」
今度は、アルフレッドが先を促してくる。
「それは――テロリストの正はいったい誰なのかということです」
結論を急がず、僕はあえて含みのある臺詞を述べた。
「テロリストの正? それはさっき、セネタルだと――」
怪訝な顔をしながら、エリシナが微妙な反応を見せる。
「いいえ、そのセネタルさんはテロリストではありません」
彼の臺詞を遮って、そう斷言した。
「あら? そうなの。それでは、アカギ君。あなたは誰がテロリストであると思っているのかしら」
エリシナが挑戦的な口調で尋ねてくる。
「テロリストは他の人です。間違いありません」
言い返すかのように、僕は宣言した。
「……もしかして、シャノンさんがテロリストであると言いたいわけ? それなら、その通りよ。先程からその可能は指摘していたでしょう」
反論するかのようにエリシナが言う。
「いえ、シャノンさんだけでは不十分です。テロリストはシャノンさんだけではありません。フリッツさんもテロリストです。そして、もうひとり――」
そのままテロリストの正を明かそうとしたが、僕は途中で言葉を切った。
臺詞を邪魔するかのように、
「ちょっと待て、アカギ君。フリッツさんがテロリストだって?」
クレアスが驚嘆の聲を上げたからだ。
「ええ、クレアスさん。その通りです。間違いなく、シャノンさんとフリッツさんはテロリストです。そして、彼らにはまだもうひとり仲間がいる」
フリッツたちを名指しでテロリストと斷定してから、僕は人差し指を前に差し出した。
次の瞬間、
「そんな、まさか……」
クレアスの困した聲が、六號車に響き渡った。
その最中、
「その仲間とは、アルフレッドさん。あなたです。そう、あなたも彼らと同じテロリストです」
僕はアルフレッドの正を告げた。
「アカギ、おまえ。な、何を言っている……」
アルフレッドが狼狽えた聲をらす。
「アルフレッドさん。あなたは今サイレンサー38式をふたつにつけている、違いますか?」
彼の判斷力を鈍らせるため、矢継ぎ早に確認した。
「なぜ、それを……」
そう言いかけたところで、アルフレッドは口を塞いだ。
これを耳にした僕は、
「やはり」
と、鼻息を再び荒くした。
じょっぱれアオモリの星 ~「何喋ってらんだがわがんねぇんだよ!」どギルドをぼんだされだ青森出身の魔導士、通訳兼相棒の新米回復術士と一緒ずてツートな無詠唱魔術で最強ば目指す~【角川S文庫より書籍化】
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