《【書籍化&コミカライズ】勇者パーティーを追放された俺だが、俺から巣立ってくれたようで嬉しい。……なので大聖、お前に追って來られては困るのだが?》265.大賢者が作り出す百億分の一の勝機

『聖さんは追放されたい!~王家を支えていた宮廷聖、代わりが出來たとクビにされるが、なぜか王家で病が蔓延!えっ、今更戻って來い?一般の大勢の方々の病を治すのが先決なので無理です』

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265.大賢者が作り出す百億分の一の勝機

「お前が直接攻撃をしてくるタイミングを待っていたぞ、ナイア」

「ほほう。死ぬタイミングをか? 大英雄。それは殊勝であるな。ではこのまま逝くが良い! あとは我が人類を飼育してやろう。そして、邪魔な上位存在を掃討する尖兵としようではないか、ぬはははは!!!」

俺はその言葉を聞いて、

「フッ」

思わず笑ってしまった。

「何がおかしい、大英雄よ」

邪神ナイアが怒鳴る。

だが、

「仕方ないだろう? 何せ、神の下手な芝居を目の前で見せられているんだ。思わず笑ってしまったのは悪いと思うが、許せ」

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「芝居だと?」

は大鎌に更に魔力を込める。

染めの鮮よりなお鮮やかなるそれは、この無限の領域であろうとも、その全てを吹き飛ばすほどの威力を誇るだろう。

それこそ、宇宙開闢の再現するかのように。

だが、俺は慌てることはない。

なぜなら、

「だってお前はの邪神などではないだろう?」

「なっ!?」

ピタリ、と今まさに振るわれようとしていた鎌のきが一瞬止まる。

同時に、

「「「「「えっ!?」」」」」

たちも驚きの聲を上げた。

「何を拠にそれを言う!」

ナイアが言う。しかし、

「いちおう俺の本職は大賢者だ。世界を見通すことが、本來の俺の仕事だ。世界を救うのはその一環に過ぎん」

ゆえに、

「お前がの邪神ではないことくらい分かっていたさ、そうだろう?」

俺は天に漂う巨軀に向かって言った。

「怠惰の邪神ナイアよ」

「「「「「た、怠惰!?」」」」」

「そうさ。だって、そうだろう?」

俺は滔々と話す。

「奴の攻撃は全て他人や分かす権能に特化している。の邪神と言いながら、俺たちをするような行は一切しない。むしろ、邪神の殻とも言うべき権能が彼を常に守っている。星を砕くほどのコレットの攻撃が効かないのは、それが怠惰たる邪神が『誰もれない邪魔されぬ空間』を作る権能を持つからに他ならない」

「ですがアリアケ様。冥王ナイア様の時はよく働かれていらっしゃいましたよ?」

フェンリルの言葉に、

「ま、そうだな。だが、今も働いている。こうして人類を飼育して、宇宙一の兵士にしようとしているのだからな。だがな、フェンリル」

俺は微笑みながら言う。

「働き者と怠け者は両立するんだ」

「えっ?」

ポカンとするたちに俺は聞く。

「そもそも、なぜナイアは人類を飼育しようなどとしている?」

俺の問いにコレットが答える。

「ナイアが言っている通り、気にらない上司を倒すためではないのじゃ?」

「そうだな。しかし、それは単なる『手段』だろう?」

「のじゃじゃ? つまり目的ではない、というやつなのじゃ?」

その通りだ。

つまり、

「えっ、もしかして。まさかアー君!?」

アリシアが驚きに目を見開いた。

そう。

そのまさかだ。

「ああ。そうだ。邪神ナイアの目的は、自分を使役する上位存在を抹消して自由になることだ。」

まぁ、言い方を変えれば、

「怠惰に耽るために勤勉に至ったということだな」

「そ、それがどうしたというのか!」

俺の言葉に、ナイアが激高する。

「この攻撃で貴様らは終わる! ゆえに我の正を看破したことは賞賛はすれど、幾分の価値もない!!」

「いいや」

俺はレビテーションのスキルをパーティー全に使用する。

「百億の価値がある。なぜならば」

俺は靜かに告げる。

勇者パーティーたちが邪神の分を倒し続け、切り拓き続けてくれている道を通り、薄する。

「怠惰なる神が自からく時、その存在は矛盾に満ちる。攻撃しようとする時がお前が最も弱い時だからだ! ナイアよ!!!」

「愚かな! だとしても、我が『邪神の殻』の権能を破り、玉れることは葉わぬぞ!!! この世界のシステムが許さぬ!!」

「だから、お前が一段衰えるタイミングを待っていたんだ。なぁ」

「なに!?」

ナイアが驚きの聲を上げた。それは余りにも意外なものを見た瞳。

それはそうだろう。なぜなら、

「久しぶりよのう。舊き主様?」

その存在は満足そうな笑みを浮かべて言った。

「あ、あなたは……」

「うむ、そう言う意味ではそなたも久しぶりということになるのかのう? それにしてもちんまいのう」

しい白髪を持つ麗人がそこには二人いた。

形は全く違うが、その二人は明らかに同一の存在であった。

「フェンリルだというのか!? 馬鹿な! ありえぬ! 未來のそなたがなぜここにおる!?」

ナイアが驚愕の聲を上げた。なぜなら、

「な、何をするつもりか! アリアケ!? そんなことをすれば二人とも消滅するだけである!! 同一の時代に同じ存在は、同時に存在出來ぬ!」

だが、俺は微笑みながら言った。

「お前の権能にれていてもか?」

「え?」

そう。

「何事にも例外は存在する。怠惰の邪神ナイア。例えば」

俺はたちに総攻撃のためのスキルを使用した。

「神の権能『絶対防』と世界システム『存在矛盾』が均衡した時などはな」

そして、

「その時、世界は矛盾を解消するためにその『権能』と『制限』を一時的に凍結するだろう!」

パリイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイインンンンン!!!!!!!!!!!!

神の絶対の権能が割れる音が、深層心域スフィアへ鳴り響いた。

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