《最強になって異世界を楽しむ!》魔王軍幹部
「冒険者登録とやらを終わらせてきたのじゃ」
「お疲れ様」
ゴーレムを破壊して王都に戻ってきた翌日、3人はマリーの冒険者登録のためにギルドに來ていた。
珍しくリナは休暇を取っているようで、付は見慣れないの職員だった。
「これでわしも依頼をけられるようになったんじゃな。ほれ、わしのステータスじゃ」
「俺たちのも見せるね」
冒険者登録が終わったあと、3人で冒険者カードを渡し合いそれぞれ確認する。
ワタル Lv.267
ステータス
筋力:763
技量:552
敏捷:542
耐久:678
魔力:341
スキル
神の加護
召喚【デスペリアスライム】
守護
仲間を守る際の一時的なステータス強化
エレナ Lv.12
ステータス
筋力:226
技量:183
敏捷:1462
耐久:172
魔力:26
スキル
人狼
マリー Lv.1
ステータス
筋力:56
技量:121
敏捷:63
耐久:51
魔力:2083
スキル
収束
魔法の収束、解放を可能にする
賢者
あらゆる魔法への適正
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「想像はしてましたけど、偏ったステータスですね」
「魔法の鍛錬は欠かしたことがないが、それ以外はなにもやってないやらのう。杖はしばかり扱えるが」
マリーのステータスはエレナと同じように、一點特化で魔力の數値が異常だった。
ゴーレムを破壊したあの発でそこそこだと言うのだから、この數値も納得だろう
「気になっていたんだが、マリーのその杖は特別なものなのか? マリーほどの魔力に耐える杖となれば、簡単には見つからないはずだが」
「ほう、よくわかったな。魔の里に、世界ができた時から存在するという大木があるんじゃが、その木の一部を削って作ったものじゃ」
自分の長とほぼ同じ大きな杖を掲げ、ドヤ顔で杖の説明をする。
「そんな貴重な木を削るって、金額にしたらとんでもなさそうだね」
「本來は削るなど絶対にダメじゃからな。無斷で自作した」
「お前が他の魔に邪険にされているのはそのせいじゃないのか……」
そんな何気ない雑談をしつつ、依頼を探そうといつものように掲示板を覗きにいくと、そこはいつもより人が集まっており、ざわざわとなにかを話していた
「魔王軍幹部の討伐だってよ」
「報酬もすごいな。俺行ってみるか」
「やめとけ、命の無駄だ」
近付いて話の容を聞くと、魔王軍の幹部が王都から離れた廃墟に現れたらしく、その幹部の討伐依頼が出ているらしい。
無駄な犠牲を避けるため、実力者限定とのことだ。
「エレナ、魔王の幹部についてどれぐらい知ってる?」
「私が知っているのは人數ぐらいだな。數は6人で、滅多に顔を出すことはなかった」
掲示板から離れ、人がいない場所に行きエレナに幹部のことについて聞く。
「現在王都を除いて、ほとんどの都市で魔王軍が優勢なんだが、それは幹部の力が大きい。1対1で幹部と戦える人間は恐らくいないだろう」
「魔王軍の幹部というのはそれほどなのじゃな」
「ワタル、お前の目的は魔王討伐だろう。となると、幹部との衝突は避けられない」
「うん、わかってる。あの依頼けよう」
目立たないように冒険者が減る明日の朝、依頼をけてそのまま目的地まで行こうという話になる。
リナが付にいないため、依頼をける時にワタルの実力を聞かれると答えられない、という理由もあった。
「マリー、どこか行きたいところはある?」
「わしか? そうじゃな……街をまわりたい。初めて來る場所じゃからな。見てまわりたいのじゃ」
「私もまだこの街はあまり知らないな」
「そうだね。それじゃあ、3人で街を見てまわろうか」
まだ時間は正午過ぎで時間が余っているため、エレナとマリーの案も兼ねて王都を見てまわることにした。
エレナがスイーツを見て店の中にってしまったり、マリーが勝手に歩きいて迷子になったりというアクシデントはあったが、楽しく時間を過ごすことができた。
「人間の作る食べは味しいな。特に甘いものは最高だ」
「迷子になったのはわしじゃなくてお主らじゃからな。しっかりせんか」
「はいはい、わかってるよ」
日も沈み始めたところで王都観をやめ、3人で家へと戻る。
マリーも同じ家に住んでいるが、部屋はまだまだ余っているので余裕だった。
「あれ? ワタルさんじゃないですか。依頼終わったんですね。お疲れ様でした」
帰り道の途中、買いをしていたのか両手に袋を下げたリナがこちらに手を振って駆け寄ってくる。
「はい、無事に終わりました。それに、その魔も仲間になってくれたんですよ」
「魔が仲間なんてすごいですね。どんな人なんです……マリー?」
「久しぶりじゃな、リナ」
マリーへと目線を向けたリナは、言葉の途中でマリーの名を呼ぶ。
マリーもリナに親しそうに名を呼び返す。
「依頼の魔ってマリーだったのね。何年ぶり?」
「10年ぐらいじゃろう。お互い変わらんな」
「2人は知り合いだったのか?」
笑顔で話している2人に、エレナが聲をかける。
まさか2人が知り合いだったなど思っていなかったようで、ワタルもエレナも混していた。
マリーはエレナにそう聞かれ、チラリとリナに視線を向ける。
それにどんな意図があったのか、リナは頷きマリーが話し出す。
「リナはわしと同じ忌の魔じゃ。本當に言ってよかったのか?」
「ワタルさんは信用できるから大丈夫。どうかしましたか?」
「どうかしましたじゃないですよ! いきなりそんなこと言われてはいそうですか、なんてなる人いませんよ」
「それもそうですね。時間も丁度いいですし、うちで話しましょう」
頭の中を整理できないまま、リナに連れられ王都の住宅街へと連れられる。
その宿の1室に住んでいるらしく、3人は中へと案され、座って話を聞く。
「私とマリーは同じ忌の魔で、一時期一緒に生活していたんです。今まで言えなくてすみません」
「隠したいことなんて誰にでもありますし、気にしてませんよ。でも、リナさんが魔なんて想像もしなかったので驚きました」
「ワタルさんは何度か私の忌の技みてますよ?」
「え、覚えがないんですけど」
「ワタル、お主は手をかざしただけで魔法を消せると思うか?」
「できないの?」
「絶対に無理じゃ。しかもリナは、発途中の魔法も破壊するからな。厄介極まりない」
「そういうことです」
魔法の特訓中に見たものを思い出し、ワタルは納得する。
「それにしても驚いたな。こんな近に魔がいたとは」
「私が魔だって知ってるのはギルドマスターだけですよ。いざとなれば戦えますし、付嬢としても人気なんですからね」
「1人で人間として生きていくと聞いた時は驚いたが、上手くいっているようで何よりじゃ」
それから夜が更けるまで4人でリナの料理を食べる楽しく話し、時間が過ぎていった。
「そういえば、王都から離れた廃墟に魔王軍の幹部が出たらしいですね。ワタルさんたちはあの依頼けるんですか?」
「はい、3人で相談してけることにしました」
話題は変わり、今ギルドで話題になっている魔王軍の幹部討伐の依頼へと移る。
「そうですか。明日からまた私が付にいますから、依頼書を渡してくれたらすぐにけられるようにしますよ」
「ありがとうございます」
「……ワタルさん、幹部というのは本當に強いです。それこそ、ワタルさんのステータスでも負けるかもしれません」
「リナは心配しすぎなんじゃ。わしやエレナも付いておるし、杞憂じゃよ」
「マリーは自信過剰すぎるの。油斷だけしたらダメよ」
「あはは、もう遅いですしそろそろ帰ろうか」
「そうだな。リナ、楽しかった。また話をしよう」
「私も賑やかで楽しかったですよ」
言い合いを始めそうになるリナとマリーのやり取りに苦笑し、帰り支度をする。
玄関まで來たところで、真剣な表になったリナがワタルに聲をかける。
「ワタルさん、危ないと思ったらすぐに逃げてください。どうか、死ぬのだけは避けてくださいね」
「もちろんです。また4人で楽しく話しましょう」
リナの心配する言葉に笑顔で答え、リナの家をあとにする。
初めての魔王軍幹部との戦闘。
次の日の朝ギルドで依頼をけ、3人は目的地の廃墟に向けて歩き始める。
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