《異世界で鬼になったので”魅了”での子を墮とし、國を滅ぼします ~洗脳と吸に変えられていく乙たち~》11 あなたをするために、両足を腐らせましょう

どうせ魅了するのなら、その過程も楽しみたい。

そんな余計なプライドさえ捨ててしまえば、虜にすること自はそう難しいことではありません。

鬼の力、”影”の扱い方もわかってきた今となっては、建に侵するのも容易いこと。

暗い影の中に姿を溶け込ませ、誰にも見えないようにする――そんな蕓當ができてしまうのですから、吸鬼が夜の王と呼ばれるのも當然のことなのかもしれません。

そんな力を使って忍び込んだのは、市街の北に住むリンドフォーグと呼ばれる貴族の屋敷でした。

特に私が用があったのは、その家の長、アイネリンネ・リンドフォーグ。

親しい相手からは”アイ”と呼ばれているそうですが、そう呼んでくれる相手は1人か2人しか居ないのだとか。

なにせ、彼はきつい貴族の典型のような格をしていて、平民どころか、自分よりしでも格が下の貴族を見ると問答無用で見下すのです。

縦ロールでブロンドなツインテールの髪型も相まって、もはや漫畫の中のキャラクターなのではないか、と錯覚してしまうほどでした。

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そんな彼も――眠ってしまえば可らしいもので。

解いたブロンドヘアを見ているとナナリーを思い出しますが、アイネリンネも吸鬼にさえなれば、しはしおらしくなってくれるのでしょうか。

そんな期待を寄せながら、私は眠る彼の手を握りました。

とくん、とくん、とくん。

れ合わせた瞬間に、アイネリンネの中に私から力が送り込まれていきます。

は、夢を見るように私にをする。

目を覚ました時、そこに私はいないでしょう。

しかし顔も知らない誰かへの思いが、いつの間にかの中に宿っているのです。

それは一種の弾とも言えましょう。

私の姿を見た瞬間に、ぜたようにが溢れる、とても困った弾なのです。

「アイネリンネ……ううん、アイ。あなたは私に、どんないじらしい姿を見せてくれるんでしょうね」

私はそのまま、夜が明ける寸前まで彼の手を握り続けました。

虜になった印が浮かび上がるのは、明後日、あるいは明々後日か。

手を握るだけというのは実に退屈な時間でしたし、屋敷に來る前に別の場所にも立ち寄っていましたから、いくら半吸鬼デミヴァンプの私でもちょっと疲れてしまったんですが。

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そんな狀態でも、私にけた表を見せてくれる未來のアイの姿を想像すると、あっという間に時は過ぎていくのでした。

◇◇◇

翌日の朝、教會に戻ってきた私は、エリスと共にソファに沈み、じゃれあいながら、おそらく暇になるであろう今日一日をどう過ごすか思案していました。

さすがにレリィも、昨日はあまり力を注げませんでしたから、そんなに連続では教會を訪れないでしょうし。

いっそこのまま、エリスとれ合うだけで1日を過ごしてしまいましょうか。

私が顎の下をでると「にゃあん」と鳴いてくれる彼に和んでいると――コンコン、と昨日を思わせるノック音が鳴り響きました。

姿を表したのは、もちろんナナリーです。

「主さま、レリィが來たようですが、如何なさいますか?」

「む……また來たんだ」

ふたりきりの時間を邪魔されたエリスは不満げですが、対照的に私は満足げに微笑んでいました。

昨日のあのやりとりで、思っていた以上に彼の信頼を得られていたようです。

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まさか連続で來てくれるとは。

さすがに今日も手を握っていれば多心は彼の中に芽生えるでしょうし、そうなればもうレリィは私から離れられません。

でるも、壊すも、私の自由。

エリスに後の埋め合わせを約束し、私の代わりにナナリーと抱き合いをまさぐりあい始めた2人を置いて、私は禮拝堂で待つレリィさんの元へと向かいました。

神には祈らず、長椅子に座って私を待つ彼は、『連続で來たら迷と思われないかな』と不安がっているのか、暗い表をしています。

そんな彼のネガティブなを拭い去るため、私は隣に座るなり言いました。

「こんなにすぐ會えるなんて嬉しいです、レリィさん」

「迷じゃなかった?」

「そんなはずありません、今日は會えないのかと思って寂しく思ってたぐらいですから」

自然に手を握りながら言うと、彼はホッとをなでおろしました。

「そういえば、昨日は他にも相談事があると言っていましたが、今日はそれを伝えに?」

「ええ、チグサさんに話したって仕方ないことなのかもしれない。けど、誰かに聞いてしくて」

「まさか、どなたかにディックさんとの結婚を反対されているのでは?」

「へっ? あれ……なんで知ってるの? ナナリーにも言ってないはずなのに」

「レリィさんのことを考えていたら自然とわかりました」

「私のことを……」

もちろん噓です。

ナナリー以外の人から報を仕れていたのですが、この際、真偽などどうでもよいのではないですか。

レリィさんが喜んでくれて、その信頼さえ勝ち取れるのなら。

「なんか、チグサさんって私のこと全部見かしてそうよね」

「まさか、そこまで聡明じゃありませんよ」

「また謙遜しちゃって。まあ、気持ちを理解してくれる人が居たほうが、私としても気が楽だから助かるわ」

「抱え込むより、吐き出した方が心は軽くなりますからね」

「うん……やっぱそうだよね」

レリィさんは自分に言い聞かせるようにそう呟きました。

話すべきか――つまり私を巻き込んでいいのか、まだ葛藤があるのでしょう。

私は彼の背中を押すために、握る手に力を込め、らかく微笑みました。

『何もかもれますよ』と言う言葉を表に込めて。

するとし悩んでから、レリィさんは真剣な顔で語り始めます。

「実はね、私とディックの結婚に反対してるのは、あっちの家の母親とお姉さんなの」

「つまり義母と義姉ですか。父親は?」

「賛してくれてるみたい。平民と結婚することで勢力をばす算段がついているからだ、ってディックは言ってたわ」

要するに、素直に結婚に賛してくれる人はだれもいないのですね。

當然と言えば當然です、貴族側に平民と結婚するメリットは無いのですから。

むしろレリィさんの得るものが多すぎる。

「きっとお金目當てで結婚するんだと思われてるんでしょうね」

「違うのですよね?」

「うん……」

返事はあまりはっきりとしていません。

それもそのはず、なぜならレリィさんには、お金を必要とする理由があるのですから。

レリィさんには、ミリィさんという妹が居ます。

小さい頃から病弱で、今もずっと、ほぼ一日中自宅のベッドで過ごすような狀態なのだとか。

その治療費は馬鹿にならず、一家は貧乏な生活を迫られてきました。

しかし、レリィさんが貴族となれば暮らしは一変するでしょう。

おそらく、彼がディックさんとの結婚を承諾したのは、ミリィさんが理由では無いはずです。

純粋にをして、生涯添い遂げたいと思っていた。

ですが――”金目的で結婚した”と思われかねない事がそこには存在していた。

義母と義姉が疑うのも仕方ありませんし、何より――レリィさんは、自分自を疑ってしまった。

本當はお金目的だったのではないか、妹の治療費を得るためにディックさんとの結婚を決めたのではないか、と。

つまりそれが、彼のマリッジブルーの原因でした。

理由がわかっているのなら、あとは弱みにつけ込むだけ。

エリスやナナリーの時を考えればそうするべきなのでしょうが、私はあえて、違う道を選びます。

……し、今までとは異なる遊び方をしてみたくなったのです。

「ですが心のどこかで、自分が本當はお金目的でディックさんに近づいたのではないかと思っている」

「なんで……そこまで、わかるの?」

「レリィさんは優しい人ですから、もしかしたらと思ったんです。やはりそうでしたか」

「優しいだなんて……違う、私は淺ましいからこそこんなことを考えているの!」

「本當に淺ましい人は、罪悪すら抱きませんよ。そうやって苦しんでいるのが、レリィさんが優しい証拠です」

「そんな……」

これでもまだ納得しないのなら――と、私は立ち上がり、レリィさんの頭をに抱きしめます。

「ちょ、ちょっと、またこんなことっ」

さすがに彼も慌てている様子です。

我ながら強引だとは思いますが、私のことを信用している彼になら、十分有効な手段となりうるはずです。

さらに彼を納得させるため、私は頭をでながら、優しく語りかけました。

「ディックさんは貴族ですから、目がえています。そんな彼に見初められたレリィさんが、お金目的なわけがないじゃないですか。きっと、誠意を忘れずに説得を続ければ、お義母さんもお義姉さんもわかってくれますよ」

「そう……かな」

「ええ、それでもダメなら、貴族のくせに見る目が無かったということです。教會で貰ってあげます」

「なにそれ、養ってくれるの? 冗談のつもりでも、行く場所が無くなったら本當に頼っちゃうかもしれないわよ?」

「レリィさんならいつでも大歓迎です」

その言葉が最後のひと押し。

レリィさんは私の背中に腕を回し――ようやく、完全に心を開いてくれたようです。

ああ、本當ならこのまま部屋に連れ込んで、もっとれ合わせてしまいたいのですが。

今の深度ならばあと2時間もあれば墮とせるでしょうか。

婚約者への裏切りからくる背徳を震わせながら、それでも素でる私の指には逆らえず、踴るようによがりぐレリィの姿を想像するだけで、私は――

しかし、この道を選んだのは私自

ここで我慢できずに事を進めてしまうと、下準備が無駄になってしまいまうのです。

我慢しなければなりません。

「ありがとね、チグサさん。おかげで元気出てきた!」

「禮には及びませんよ。私もレリィさんとこうしてお話をして、元気をもらっています」

「ほんとぉ? さっきから私にとって都合のいい言葉ばっかり選んでない?」

「とんでもない、私は本心からそう思ってます。だって、レリィさんことが好きですから」

「私も、チグサさんのことは好きよ。もしよかったら、相談事が無くても會いたいんだけど……いいかしら」

「いつでも待っています。あまりに會いにこないと、私の方から押しかけるかもしれません」

「じゃあ私はそれを待ってようかな」

気づけば、私たちはお互いのくだらないジョークに自然と笑いあっていました。

何気ないことでも楽しくじられる、そういう相手はとても貴重で。

なくとも、私がこの街に來る前ではあり得ないことでした。

得たものは大きく、だからこそ獨占したい。

例え私たちを想う気持ち以外の全てが壊れてしまったとしても、私たちにとっての彼の価値は、等しくしてくれることだけなのですから。

あとし、もうし。

そう自分に言い聞かせながら、私は今日も、教會を笑顔で去っていくレリィさんを見送りました。

◇◇◇

今日も市街での用事を終えた私は、深夜にこっそりとアイネリンネ・リンドフォーグの寢室へと忍び込みました。

そして手をにぎると、立ったままでじっと彼の顔を見下ろします。

お手れも完璧で、きめ細やかでなめらかな素

ふいにれてしまいたい衝に襲われます。

レリィのことで我慢を重ねているので、求不満なのでしょう。

収穫の時にはまだ早い、味しく食べるにはその時を待たなければならない。

私は息を潛めてアイの手を握り続けました。

そして、かれこれ3時間ほど経った頃――

「ううん……」

アイが、寢苦しそうな聲を出しました。

確かに今日はじめっとしていますから、あまり良い寢心地とは言えないかもしれません。

私は、不満げに口をヘの字に曲げるアイの寢顔を観察していたのですが、彼はふいに、何の前れもなく、目を開いてしまいました。

ぱちりと開いた視線の先には、もちろん私の姿があります。

「だっ……」

”誰なの”とぶ寸前に、私は自らのを使い、彼を黙らせます。

「んっ……ん!? んー! んーっ!」

もちろんアイは抵抗してじたばたと暴れますが、影に拘束した手足では離は不可能。

私はしっかりと彼の顔を両手で固定して、ひたすらに彼の粘をかき混ぜ続けました。

すると、どうやら”私が私であること”に気づいたようです。

じきに抵抗はなくなり、やがてアイはうっとりと目を細め、自ら舌を絡め始めました。

やはりの子は素直な方が可いですね。

「んふ……ちゅぷ、あぅ……はっ、んく……」

流れ落ちる涎を飲み込むと、アイの溫が一気に急上昇します。

それがでわかるのです。

自分の唾で彼が興していると思うと、私のボルテージも上がっていきます。

そのせいか、念に口の隅々までを舐めしゃぶり、二度と忘れられないようなキスを、延々數十分間続けてしまいました。

ようやく口を離すと、アイは恍惚とした表で問いかけました。

「あなたは……誰ですの?」

「私はチグサ。見ての通り、あなたのする・・・・・・・吸鬼です」

「よくわからないわ、でも……私は、あなたのことが、好き。何をされても、嬉しい……どうして? どうしてこんなに、初めて見るあなたのことがおしいの?」

細かいことなどどうでもいい、と言わんばかりに私は再び彼を奪いました。

そして纏うネグリジェをがせていきます。

私の指先が彼の素でる頃には、アイの頭から私に対する疑念など吹き飛んでしまったようでした。

まるで娼婦のように腰をくねらせながら、「もっと、もっとぉ!」とねだるアイを、私は印が浮かび上がるまでで――夜が明ける頃、私は誰にも見つからぬよう、ひっそりとリンドフォーグ家を出ていきました。

部屋には、ベッドの上でぐったりと倒れるが1人だけ取り殘されています。

は、アイネリンネであっても、もはやアイネリンネ・リンドフォーグではない。

は白く、瞳は赤く、牙は鋭い、吸鬼と化した、私の家族。

首に牙を埋められ、狂しながら産聲をあげた、私の娘。

これでレリィさんを墮とすお膳立ては整いました。

あとはアイが私の指示通りにき――弟であるディックさんと、その人であるレリィさんの結婚を認めるだけ。

それで、彼は私のものになる。

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