《異世界はチートなカードで乗り切ろう!?》27.殲滅

さて、ほんとにどこ行こうかな…

ハルトは地理なども分かるのならと頭に叩き込まれたので、ある程度の國の位置や力関係を把握しているつもりである。そして、しばらく考えた後に比較的友好的な関係であるフルベスタ帝國に行こうと思い立ち、すぐに行を開始する。早くしないとフィレリア最強さんが追ってくるという懸念があるためだ。

っても、フィレリア最強さんなら地獄の果まで逃げても追ってきそうだけどな…………考えないでおこう、うん

ハルトはとりあえず、今出てきた考えを頭の中から消し去り帝國へ向かうために西へ【ショートワープ】を使い移する。

王都から國境までは約300kmほどあり、普通なら10日ほど必要とするが、高速移をしているハルトは半日で半分以上のところまで來ていたが、日も落ちかけているので街道からし逸れ、野営の準備にった。と言ってもテントや食料を【アイテムカード】から取り出し、周囲に落ちている木の枝を拾い集め、火打石を使って火を起こすだけだが…

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「いやー、料理までれておけるってほんと、便利だなぁ…」

と、獨り言を言いながら夕食を食べていると、どこからか悲鳴が聞こえた。それも、大人、というより子供の悲鳴が…

「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!だれか!だれか助けてぇぇぇぇ!!」

それを聞いて、そのまま無視できるほど格が悪い訳ではないハルトは周囲に魔力を発して聲の主を特定する。反応からしてオークとそれに襲われているのようだ。この世界のオークも多くのファンタジー小説と同様、が強く、人族、エルフ等のや他の魔のメスを見かけるとし、攫ってみものになる。そうして、種を植え付けられ妊娠してしまえば、モンスターではない限りは子供に腹を裂かれ母は死亡する。なお、オークにも普通にメスはいるのだが、何故か他種族、魔のメスのほうが食い付きがいい。

「クソっ、最悪だ!盜賊なんかよりよっぽどタチわりぃ!!」

ハルトはそう、愚癡を零しながらオークを追いかけて、そして、捕捉する。、と思われる子はオークにしっかりとだき抱えられており、その顔は涙や鼻水でぐちゃぐちゃになっていた。

が、ハルトはどうせなら集落を殲滅しようと考え、気配を殺して後を付いて行った。

20分ほど尾行を続けるとやがて、森の中でも開けた場所にやってくると、ハルトの予想通り、オークの集落があった。

「さて、まずは他にさらわれてる人がいないか調べなきゃ…【ソナー】」

そして、報収集を終えるとハルトは達が囚われている小屋を風の壁で覆う。中にオークが居ないのも、攫われた子が中にれられたのも確認済みである。

「今のところブタが30の攫われた人が5人か…」

いきなり、自分達の縄張りに魔法が張られ警戒を始めるが、

「ピギィッ?!」

「プギャッ?!」

ハルトの投石によりオークが2匹死亡する。仲間を殺されたことで、オークたちは怒ったのか、一斉に雄びを上げる。

「そんなことやってないで探しに來ればいいのに」

ハルトはそう言いながら投石を続ける。そして、8投目にはオークの大半は死んでいた。接近して仕留めにこうとした時に、オークとは異なる、いや、同族ではあるが普通のオークよりも強い気配を複數じ取った。

「ちっ、こんな街道の近くにハイオークでもいるってのか?厄介だな…」

よく考えてみれば、したはずのオークがわざわざ攫ってきたに手をつけないはずがないのだが、そこを、完全に見落としていた。

「どのみち、全滅させるだけだな…」

ハルトは茂みからの狙撃をやめ、困している殘りのオークを処理する。

「ピギィィィィィィィ!!!」

自分達の巣が襲撃され怒っているのかハイオーク達は怒りを顕にした聲でぶ。

「おいおい、そんな怒んなよブタ風が」

ハルトの煽りでさらに怒りが増したのか、ハイオーク達は目を釣り上げ、さらに、ぶ。そんなスキをハルトが見逃すはずもなく、一気に加速し、1匹、また1匹と殺していく。

オークは分厚い脂肪という鎧があるため、相手が初心者、又は中堅以下の冒険者では倒すのにかなり手こずる。それがハイオークならば尚更だが、ハルトはそんなことはお構い無しにダガーで斬りつけていく。

最後の1匹を倒し、これ以上の増援がないことを確認すると攫われた、たちが閉じ込められた小屋に向かう。

(全員が手を出されてなければいいんだけどなぁ…)

そんなことはないと分かっていつつもそうであってほしいと願い、ハルトは扉を開けた。

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