《異世界はチートなカードで乗り切ろう!?》42.帰還

初めてモンスターを捕まえてから2週間程は帝都で過ごして、お金が無くなりそうになったら依頼で稼いでくる。ということを繰り返していた。

あんまり修行のサボりすぎ…と言うよりもやらなさすぎも良くないのでここらで戻るかな…

借りていた宿の部屋を引き払い、【ロングワープ】でアルフォード家に戻る。もちろん、屋敷の中ではなく屋敷の門の前に…ではあるが。

「うわっ?!は、ハルト様?!と…失禮ながらどちら様でしょうか?おい!誰かベルマーレ様に報告しにいけ!」

いきなり現れたハルトとその一行に驚きつつもしっかりと仕事をこなすあたり、伊達に門番を任されていない、ということなのか。

しすると母親のサーラが妹のイリア、數人のメイドと共に門にきた。

「あらハルトちゃんおかえりなさい。思ったよりも早かったわね…ところで、そちらの方達は一?」

「お兄様にまとわりつくおじゃま蟲が増えた。これは早めに排除した方が…」

何かわからないけどイリアが怖い。とても怖い。周りには聞こえないぐらいで言ったんだろうが俺にはハッキリ聞こえたぞ…容からしてブラコンのヤンデレって位置付けかな。

うん、放置しておくのは良くないけど下手に指摘できない…でも初期の今の段階なら間に合うはずだ…

この時、ハルトはまだ知らなかった。イリアがもう既に(何故か)初期の段階では済まされない程にヤンデレが進行しているということを…

「あっ、この人達は僕が野宿しようとした所の近くにオークの巣があってそこで助けたんです」

「あらそうなの?偉いわハルトちゃん。えっと…」

「まだ自己紹介をしていませんでしたね。アルフォード辺境伯婦人。私は東方の島國から観に來ていた、神薙 詩織と申します」

「あらご丁寧にどうも。それにしても珍しいわね、東方からの観・・・・・・・なんて」

「えぇ、特別な許可・・・・・が降りたんです」

東方の國(未だに國名不明)は江戸時代の日本みたいに鎖國してるのかな?なんか観ってところだったり許可だったりを強調してるからひょっとすると逃げてきたとかそんなじな気がするけど…まあ、いいか。

「私はフェスティリナよ。一応學者をやっているわ」

「私は〜、ソニアって言います〜。森の外に出たら〜、違法な奴隷商に〜、捕まっちゃったんです〜」

「あたしはミツキ。丁寧な言葉遣いとか苦手だからこれで我慢してしいわ。冒険者をやってるわ」

「え、えっと、私はフィミアです!ソニアさんとほぼ同じで、奴隷商に捕まってました!」

フィミアは張するとビックリマークが語尾に著くみたいだ。うん、この話し方になるのは初めて會った時以來だな。

「あらあら、そうなのね……ハルトちゃん、後でお話があります」

ゾワッ!

これまでのフワフワした雰囲気からいきなり険しい雰囲気になる。

えっなになんなの?!俺なんもしてなくない?!悪くないよな?!いきなり怖過ぎない?!

「お返事は?」

「はっ、はい!」

「さ、続きは屋敷の中でお話しましょう」

そう言って全員を屋敷に招きれる。

「…だいたいこんなじです」

「さすがお兄様!オークなんて相手になりませんね!」

うん、近い、イリア、近いから、離れて。

「ハルト様…わたくし、そろそろ我慢するのも限界が來そうですわ…」

なんと、リナがおりましたとさ。しかも、かなりご機嫌ななめだし…

「ハルト…頼むから家から勝手にお金を持ち出さないでくれ…」

「す、すいません。先に報告するべきでした」

「まあ、これはハルトのキマイラ討伐時の報酬から引いておくとしよう…」

「本當にすいません…」

「ハルトちゃん、晩飯が終わったら私の部屋に來るようにしてくださいね」

「は、はい…」

「ハルト、なんでサーラがあんな恐ろしい顔をしてるんだ…?」

「そんなこと僕に言われても分かりませんよ…」

何故かサーラの機嫌が悪いことを不思議に思い、ベルマーレが小聲でハルトに聞いてきたがハルトにもよく分かっていない。

「とりあえず、サーラがあそこまで機嫌が悪いのは珍しいから、注意しておけ…」

その珍しい出來事を思い出したのか、ベルマーレが震いをする。

それを見てハルトはこの後に起きるであろう恐ろしい景を想像することしか出來なかった。

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