｢それじゃあまずは軽い準備運からしようか。ハルトはいつものメニューね｣

｢えっでm｢ね？｣…はい｣

｢さて、僕の稽古に慣れてるハルトは別メニューだけど、最終的には模擬戦をしてもらうよ。ハルト1人対みんなでね｣

渋々いつもの準備運をしようとしたハルトは固まった。

｢待ってください。それはおかしいです。さすがに無理です｣

｢全力を出すのを許可してもかい？｣

｢ここが半壊するかもしれませんよ？｣

｢その辺は調整できるようにならないとだねぇ。まあ、見たところここにいる全員を相手にしても全力を出す必要が無さそうだけどね｣

｢いや、勘弁してくださいよ…それよりクラスメイトのが持ちませんよ｣

｢その辺は手加減するから大丈夫大丈夫｣

｢そうですか…まあ、なんだ、みんな頑張ってね｣

｢え？私達もあのメニューやらされるの？私は嫌よ！あんなのについていける訳ありませんわ？！｣

｢やだなぁ、あそこまで激しくする気はないって。この後模擬戦もやるんだしその分の力は殘させるって｣

シストリナとフィレリアのやり取りを聞いて何も知らないクラスメイト達は首を傾げることしか出來なかった。

｢ほらそこ、集中力切れてるよ！｣

｢は、はいぃ！｣

｢構えがあまい！ハルト、サボるなぁっ！｣

｢なぜバレたし？！｣

｢罰として【グラビティ】2倍で場10週追加ね｣

｢ひぇっ？！｣

｢ほらそこスピード落ちてるよ！｣

｢も、もう無理です…｣

…演習場は現在進行形で修羅場と化していた。いたる所でフィレリアの叱咤しったが飛び、意地でも食いつこうとするもそのキツさ故に倒れていく者達がいたる所に倒れていた。

｢あの、フィレリアさん、これはさすがにやりすぎじゃないですか？｣

｢あれ、罰ゲームはもう終わったの？｣

｢はい、あともう全にかけてる【グラビティ】解除した方が良くないですか？｣

｢んー、そうだね。そろそろ休憩させないと模擬戦できそうにないしね。模擬戦は絶対にやるから｣

｢｢｢できればこのまま帰りたいです｣｣｣

フィレリアが模擬戦は絶対にやると言うと、全員が口を揃えて帰りたいと言っていたが…

｢僕と殺りあうのとハルトと模擬戦するのどっちがいい？｣

｢｢｢模擬戦します！｣｣｣

見事にハモった綺麗な返事だった。

｢よろしい｣

まあ、勝ち目のない殺し合いをするよりもひょっとしたら…本當にひょっとしたら勝てるかもしれない相手と模擬戦をするのとだったら後者を選ぶのは當たり前なのだが。

｢それじゃ、ちょっと魔法使うよ。【ヘルスリカバリー】｣

｢うぉ？！｣

｢す、すごい、力がみなぎってくる…！｣

｢こんな魔法まで使えるのか…｣

｢あれー？フィレリアさん、僕には何もなしですかー？｣

｢あと、君らには特別に【マナ･トランスファー】｣

｢フィレリアさーん？聞こえてますかー？｣

｢何言ってんのさハルト、別にこれくらいのハンデがあっても大丈夫だよね？むしろ、負けたら練習量増やすよ？｣

｢ゑ゛？！｣

｢これくらい余裕だよね？｣

｢あの、せめて魔力回復だけでも…｣

｢ダ☆メ☆｣

｢いやマジでそれはむりぃぃぃぃ！｣

｢じゃあ僕と殺りあうかい？｣

｢模擬戦やってやろうじゃねぇかよぉぉぉぉぉぉぉぉ！！｣

フィレリアは鬼であった。いや、鬼すら逃げ出すような鬼神とも言うべき存在であった。

｢それじゃあ早速始めようか。あ、雙方共にマジックアイテム使ってもいいよ。危なそうなら僕が止めてあげるから全力でぶっぱなしちゃえ！｣

｢｢｢っしゃああああああああぁぁぁ｣｣｣

｢ハルトに勝ってやるぜ！｣

しかし、彼ら（シストリナを除く）はまだ知らない。ハルトのカードが如何に規格外であるかということを…

｢それじゃあ、始め！｣

フィレリアの合図とともに1対25の模擬戦が始まった。

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｢ゑ｣これ読めた人いるのだろうか…