《異世界はチートなカードで乗り切ろう!?》57.生徒會との模擬戦

「それでは始めましょうか」

クラスメイト達から離れ、臨戦態勢になる。

「ハルト君、使い魔も出してくれるかい?とても珍しい魔がをテイムしているそうじゃないか。可能ならその魔とも戦ってみたい」

「わかりました。ルリ、ハクトウ、出ておいで。久々の運だよ」

生徒會長の要に応え、スライムルリとフィロットハクトウを呼び出す。

「ごしゅじん、ひさしぶり」

「クェェェェ!」

「な、なんでスライムが話してるの?!」

そう、驚くことにこのスライム、この世界の言語を習得したのである。結構知能の高いスライムなのだが、ちょくちょく俺と同じように地球から転生したような気配をじるのである。

「ええ、このスライムは知能が高い特殊個みたいなんですよね。ああ、この二匹もフィレリアさんと模擬戦をしているのでかなり強いですよ」

その発言に生徒會だけでなく聞き耳を立てていたクラスメイト達が絶した表を浮かべる。

「ちょっと、ラヴァール何考えてるの?!」

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リアスがラヴァールに詰め寄り問いただすが、ラヴァールは「ふっ」と力なく笑った後に

「まあまあ、どうせ負けることに変わりはないから。いいじゃないか」

と、敗北宣言をしたのである。

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!なによそれ?!やる前からそんな弱腰でどうするのよ!」

「あ、あの、落ち著いてください。會長と私は一度手合わせをしてるんです。ちなみに戦績は30戦30敗です…」

ルフレールがリアスとラヴァールの間にってそうなだめる。

「いつの間にそんなやってるのよ?!」

「去年の夏休みにアルフォード家に行ってからだな。もうコテンパンにされて心が折れた」

「そ、そう…」

漂う哀愁に毒気を抜かれたリアスはそう答えるので一杯だった。

「それよりもはやくやろうぜ!ラヴァールをボコボコにできるやつと模擬戦ができるなんて願ってもねぇチャンスだしよ」

なかなか始まらない模擬戦にウルヴィエンがしびれを切らした様子で言う。

「そうだね。ハルト君、準備はできているかい?」

「ええ、先輩方がいちゃいちゃしている間にできていますよ」

「それはよかった。それじゃあ、このコインが地面に著いたらスタートね」

そう言ってコインを弾く…と見せかけて叩きつけた。

「ちょ、それはずるくないですか?!」

「なんのことだい?誰もコイントスをするとは言ってないよ。HAHAHA」

この生徒會長マジできたねぇ?!

「ごめんね。ハルト」

「こんな小細工で勝てたら苦労しない」

ハルトに対してサカキが謝るが、トーリがボソッとハルトには意味がないと言いながらも攻撃を仕掛けてくる。

生徒會全員グルか!!

サカキと打ち合っていると、ウルヴィエンがハルトの橫っ腹めがけて大槌を振りぬく。

「ありゃ、これを避けられるのか…」

が、手ごたえの無さに顔をしかめる。

「見かけによらず気配を殺すのがうまいですね!」

ウルヴィエンの強襲を察知したルリの手によって後方に退避していた。

一方、ラヴァール、リアス、ルフレール、ミリアの4名はハクトウの攻撃に苦戦していた。

「なんでこのフィロットは隠れないでラヴァールと打ち合ってるのよ?!」

「クエェェェェッ!」

「ほ、本人曰く『どうせ魔法でバレるなら擬態なんか意味がない!』だそうです」

「そ、そう…」

ルフレールが自の魔道でハクトウの言葉を訳す。

「それよりもあのスライムが邪魔」

ラヴァールと打ち合っているハクトウよりもルリの方が厄介だと言ったのはミリアだ。

「たしかに、あのスライムのせいで魔法支援をしにくいわね…」

先ほどから絶妙なタイミングで魔法の妨害をしてくるのだ。おかげでラヴァールやウルヴィエン等の前衛に支援を行えないでいる。

「牽制用の魔法なら妨害されないけどそれ以上になると発前に消される」

「うぅ、今回もダメそう…」

「弱気にならないの!あんたの弓は撃てるんだから私たちの代わりにしっかり援護してやりなさい!」

「ミ、ミリア達はどうするんですか?」

「あたしたちはあのスライムを直接たたきに行くわ!ミリア、行くわよ!」

「ん、わかったちゃんと合わせる」

何かを言いたげなルフレールを殘して2人はルリのもとへ向かった。

その頃、ハルトと打ち合っていたウルヴィエン達は、3対1で圧倒的に有利なはずなのに攻め切れていなかった。

「くっ、お前らの弟強すぎないか?!」

「ハルトだからなしかたないさ」

「空間魔法は抑えているから優しいほう」

「あれで優しいのかよ…」

「その気になれば一瞬でやられてる」

「ちゃんと試合として立させないと面白くないですからね」

「その余裕崩してやらぁ!」

「あっ、バカやめろ!」

ハルトの余裕な態度に腹が立ったのかウルヴィエンのきが直線的になる。それを狙っていたハルトは即座に側面に回りウルヴィエンのを吹き飛ばす。

「ぐおっ?!」

そのまま壁に後頭部を強打し気絶する。それを見たサカキとトーリは「また挑発に乗りやがって…」という表をしていた。

「くっ、ハルト君と打ち合いたいのにこんな鳥に苦戦するなんて…」

「クェェェェッ!」

ウルヴィエンが戦闘不能になった頃、ラヴァールはいまだにハクトウを攻略できずに焦っていた。ハクトウはフィロットとしてのもう一つの種族特である瞬足を活かし、一撃離に徹しているため、なかなか攻撃を當てられないうえに一方的に攻撃が刺さり力を消耗している。

「ラヴァールさん、右に避けてください!」

しかし、どうにか持ちこたえているのはルフレールのおかげである。

ルフレールに言われたとおりに右に避けると直前まで自分がいた場所に矢が飛んできた。そして、ハクトウは完全に死角から放たれたはずのそれを攻撃しようとしていた足で摑むとルフレールの方に投げ返す。その威力は弓でったものには劣るが、人にけがを負わせるには十分な威力のものだった。

「きゃっ!あのフィロット厄介過ぎません?!」

「さすが、ハルトの使い魔としか言えないね」

ハクトウの攻略法を考えていると、いきなり青い手に吹き飛ばされた。

「なにっ?!おぐぇ!」

さらにハクトウからの追撃が加わり、壁にめり込む。

「ラヴァールさん?!ウッ!?」

ラヴァールが吹き飛ばされたことに気が向いていた隙にルリの麻痺毒がルフレールに撃ち込まれる。

「後は兄さん達だけですね。【抜刀】」

ガキィィッ!!

「あっぶな!前より威力上がってんじゃん!」

「でもサカキ兄さんもけ止められているではないですか」

「いつまでも弟にいいようにあしらわれていては格好がつかないからね!」

キィンッ!

「やっぱりだめだった」

「トーリ兄さんは気配消すのがホントにうまくなりましたね」

「人に教えられるくらいにはね」

「じゃあ、ウルヴィエンさんの気配消しって…」

「頼まれたから教えた」

模擬戦の結果が気になるのか、クラスメイト達がこちらを覗いているが普通に會話をしながら激しい打ち合いをしている様子を見て唖然としていた。

「なんであんな話しながらあの速度でやりあってんだ…」

「ハルトに隠れて霞んでるけど、アルフォード辺境伯家の面々って普通に強いんだよな。再認識させられたわ」

「あら、そろそろ終わりそうね」

「そうですか?私にはそう見えないんですけれど」

「いいえ、フィーリア、よく見てごらんなさい。だんだんハルトに弾かれて飛ばされているでしょう?」

「た、たしかに…」

「あの2人は力がもう限界なのよ。あ、ほら終わった」

シストリナがそう言うと、サカキとトーリの2人が空高くに舞っていた。

「3対7で勝っちまったよ。ほんとにこの學園でかなう生徒いないだろ…」

模擬戦が終わったハルトは生徒會の面々を起こし(若干1名は壁から掘り出し)、演習場の外に出る。

「はぁぁぁぁぁぁまた負けた…!」

「うぅ、やっぱりダメでした…」

「あのスライムなんなの?!おかしすぎでしょ!」

「最後に何をされたのか全く分からなかったな!ガハハハッ」

「それじゃあ、ハルト君、あとは好きなように使うといい。我々はカフェで反省會をすることにするよ」

生徒會長はイケメンスマイルを殘して去っていった。

そして、クラスメイト達の方に振り返ったハルトは…

「それでは、これから本當の魔力上げをやっていきましょうか」

と、いい笑顔で言った。

「「「「ひえっ」」」」

1年以上ぶりに登場したスライム君とフィロット君。皆さんは覚えていたでしょうか?

私は數週間前に思い出しました(;^ω^)

作者としてどうなんでしょうね…

スライム君達のお話は番外編で書こうと思います。はい(多分)

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