《異世界はチートなカードで乗り切ろう!?》68.(過去編)アレが食べたいがために東へ①

あけましておめでとうございます。(大遅刻)今年も本作品をよろしくお願いします。

今年は何かと忙しく月一投稿すら怪しくなるかもしれません。

今後は過去と現在とを行ったり來たりしていく予定です。過去の話をする場合はタイトルに(過去編)とつけておきます。

今回のお話の時系列は【42.帰還】のし後になります。

これはハルトが6歳だった頃の話である。日本人であればあるものがしくなってきてしょうがない頃とも言えた。

「米が食いたい!!」

ドォン!

と、そんな音喩が聞こえてきそうなほどに切実な訴えをした。

「…ふむ?パンでは不満か?」

それを聞いたベルマーレは首を傾げる。

「不満という訳では無いのですが、元日本人としてはお米がしくて仕方ないのです。それに聞いたところによると昔の日本と似た文化を持った國が東にあると聞いたのでお米への思いが発しました」

「そ、そうか。しかし扶桑皇國は鎖國していて易がわずかしかないから米とやらを手にれるのは難しいぞ」

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ハルトのよく分からない熱意に若干引き気味のベルマーレであったが、流がないことを指摘する。

「それなら問題ありません。変裝して詩織さんの記憶を読み取って【ロングワープ】で國します」

それをさも當然かのように言っているが國がバレればとんでもないことになるのでやめてしいと思うベルマーレは難を示していた。

「いや、さすがに無斷という訳には…」

「お米があると分かっていて行かないという選択肢はありません」

「何故そうかたくなに行こうとする…」

日本人ではないベルマーレにハルトのお米にかける謎の熱意は理解できなかった。とはいえ、このままでは何も言わずに扶桑皇國に行きかねないので渋々、國王様に報告してからなら行っていいと許可を出した。つまりはハルトの制を國王に放り投げたのであった。

「…というわけで扶桑皇國に行ってきます」

「まてぇい?!何がどうして扶桑皇國へ行く?!」

「お米が食べたいので扶桑皇國に行ってきます」

「いや、あの國は我が國との易がないうえに、あったとしても國は困難だぞ?」

「えぇ…なので【ロングワープ】で國をしてし観して帰ってきます」

國の許可を出すわけがなかろう?!」

その後、ハルトをどうにか行かないよう説得を試みるも失敗し、渋々扶桑皇國行きを許可した。

「面倒事を持ち帰ってくるのだけはするでないぞ?面倒事に巻き込まれても自分で解決してから帰って來るようにな?いいな?絶対じゃぞ?」

「は、はい」

あまりの圧にハルトは若干引き気味で応じながら詩織の元へ向おうとしてシストリナに呼び止められる。

「私わたくしを置いていく気ですの?」

「さ、さすがにリナ様が不法國するのはマズイのでは…」

「またそう言って私わたくしを置いてお1人で楽しむのですね」

よよよ、と泣き真似をしながらハルトに訴えかけるシストリナに父親であるレスティアが止めた。

「さすがに娘を危険な場所へ向かわせるわけにはいかん。ハルトよ、帰ったら覚悟しておく事だな」

「…ありがとうございます」

「…扶桑に、ですか?」

ハルトに急に扶桑に行くと言われた詩織はなぜ行くのか疑問に思う。

「うん、お米が食べたいからね」

それが顔に出ていたのかハルトが(本人にとっては重大でも傍から見るとしょーもない)理由を述べると詩織はクスッと笑う。

「そんな理由で鎖國している國に行くのですか?」

「お米という魂に刻まれた食べしくて仕方なかった所に詩織さんの話を聞いたので…」

「ハルト様は扶桑出ではないのに不思議なことをおっしゃいますね」

「ははは…まあ、ちょっとね」

ハルトは自分が転生者であることを詩織達にはまだ話していないことを失念していた。自分が転生者であることを伝えるべきか悩んでいると詩織が

「私も連れて行っていただけますか?」

と聞いてきた。ハルトの面倒事センサーはすぐに反応した。

これなんかあるぞ…しかも面倒事レベル10段階中8ぐらいのかなりやべぇのが。

しかし、ここで斷ると扶桑皇國に行くのに時間がかかる上に、よくよく考えたら向こうについてもどこに行けばいいのか分からない狀態になるので選択肢はなかった。

「いいですよ。向こうに著いた時の案もお願いします」

「ありがとうございます。記憶がし古いですが街並みが変わっていなければ大丈夫です。ところでどうやって行くのですか?」

「詩織さんの記憶を読み取ってそこに【ロングワープ】するだけだよ」

「き、記憶を読むなんてことができるんですか?!」

「うん、でもしっかりとその場所を考え続けてくれないとできないんだ」

そう言いながら詩織さんに場所を思い浮かべてもらう。

「ちょっと失禮」

瞑想狀態の詩織さんにれて無事、扶桑のどこかへと【ロングワープ】を繋げることができた。

「そういえば、詩織さんは変裝しなくて大丈夫ですか?」

「むこうだとほとんど顔を見せていなかったから平気よ」

ほとんど顔を見せていなかったってどんなとこにいたんだ…なんかマジで嫌な予しかしねぇわ。ま、どの道なんかに巻き込まれる気がしたしいいか。

そう思いながらハルトは【ロングワープ】で開いた空間をくぐり、詩織もその後に続いた。

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