目の前に建ち並ぶ店の數々。王城へと真っすぐ続くその道は人で賑わっており、學生から家族連れ、そして老人など賑わう人々は様々。ほとんどの店では歩き食べの出來る食べとお菓子やアクセサリー、怪しいアイテムを売っている所もちらほらと目に付くが、他はとても繁盛している様子だ。

だが、その中で一際目立たない路地裏といったじの場所があり、丁度その橫を通りすがった時、そこには６人の男がを取り囲み、何やら脅されているような景が目にった。

「やめてっ」

「いいじゃん、ちょっと俺たちと遊ぼうぜ」

を取り囲む男達は全員茶いフードを著ており、時折その中から彼らが著用している鉄の防がチラチラと覗かしていた。中には短剣を腰に隠し持つ者や逆に槍と杖を大開に見せるよう手にしている者がおり、ただの脅し道だとしても明らかにオーバーな裝備を付けた冒険者たちにアウルは疑問を持った。そもそも何故、たった一人に対してそのように頑丈な裝備を裝著しなければならないのかと。

「おい、お前、その子から手を放せ！」

そのときその様子を眺めていたアウルの橫から大きな杖を持った年がそうび、好戦的な目を向け男達へ杖を向けた。杖の先にはボーリングほどの大きさは無いものの、その半分はありそうな大きさの寶石が嵌っており、とても重たそうだ。それに足して純白の軍服を著ているのでおおよそはこの年の正が分かる。

貴族だ。

「うっせぇ！　ガキは引っ込んでろ！」

「お願い、助けて、、」

まあ、いかついガタイのおっさん６人、しかも全員が完全防備でいる大人たちに囲まれていれば怖いよね。

「ドレミア家の次男のハクとして命じる。その子から手を放せ！！」

聞いたことも無い貴族の名。ここに來る前に一応、中より上の地位の貴族の名前は覚えてきたつもりだけどドレミア家って…。それも次男という微妙な立ち位置。そのポジションを使って命じてもあまり効果はないような気がするけど。

「ちっ、貴族のボンボンかよ。見て見のふりをすれば痛い目に合わなくて済んだのによ！　それも今までに聞いたことも無ぇ貴族の名だ！　お前ら、やっちまえ！　で、さっさとこの娘を拉致って逃げるぞ！」

いや、もう普通に拉・致・って言っちゃってるけど...。お巡りさんこの人です！！

って、そういえばこの世界では警察じゃなくて警備兵だった…。

するとその中のリーダーと思わしき男の命令により、全員一斉にハクと名乗る年に斬りかかりそれぞれ短剣や剣などをハクに振り下ろした。ハクはその刃が自分に屆く前に水魔法を放ち、ハクに斬りかかっていた５人はそれによって後方へ弾き飛ばされてしまった――が、５人が後方へ飛ばされた瞬間、一人後ろにたっていた男が腰を低くし、地面すれすれの低さからハクを槍で突いた。

ハクは魔法を５人へ放ち態勢が整わせることが出來ず反応が遅れ、その男に槍で突かれた。

はずだった。

ハクは槍が自に突かれる瞬間、目をつぶった。だが、痛みが全く伝わってこない。再び目を開けるとそこにはもう６人全員の姿は目の前にはいなかった。よく見るとＴの字になったその路地裏の壁には６人が全員、気を失い壁に埋もれていることがわかった。

「なっ」

ハクとは唖然と目を見開き６人の男が埋もれた壁とアウルを見ていた。

「えっと…大丈夫ですか？」

怪我はしてないと思うが一応聞いてみる。もしかしたらし槍の先がハクの腹に當たっていたかもしれない。

「助けて頂きありがとうございました」

はアウルに禮を告げ、怯えて地面に倒れていたは立ち上がりすぐさまこの場を去っていった。

「僕の名は先程名乗った通りハク。魔法學院へ向かおうとしていた途中でいが多數の男に囲まれていたのを目撃したので止めにろうとしたが、その必要は無かったようだね。というより君がいなければ僕は死んでいたかもしれない。助かったよ。君は？」

「俺はアウルだ。ハクも魔法學院に行くのならこれから會うことも多いかも知れないな。よろしく頼む。俺は今回、魔法學院に學しようと思っているのだが、そもそも魔法學院はどこなんだ？　王城と貴族のエリアの近くと聞いていたが」

「ああ、魔法學院は外からの進、攻撃をけにくくするために學院施設全を囲うように巨大なバリアが張られているのさ。だから學院部から外を見ることは出來ても外から中を見ることは出來ないようになっているんだよ。でも君の言った通り、學院はこの道を真っすぐ行けばあるから丁度いい、僕と一緒に行かないかい？」

「では案頼む」

「はい、頼まれました。けど本當にこの道を真っすぐ行くだけだけどね。ところでさっき一何が起こったんだい？　確実に僕は槍で突かれるところだったのに。それに君は僕からし距離があったはずだ」

「普通に時間停止魔法を使い６人をまとめて毆っただけだ」

「普通に時間停止魔法を使っただけって…。そもそも時間停止魔法は超級魔法。普通に使えないから…」

時間停止魔法は確か初級魔法の本に書いてあったはずだが…。まあ、次に実家へ帰るのは數か月後になると思うからその時にでもまた読み返せばいいか。