「アウルさしぶり。元気だった…？」

「ああ、おはよう。元気だった….よ….」

アウルの顔はし以前より痩せており、魔力ではない何か別の暗いオーラがアウルの周りを漂っていることに気づいたハクは「？」を頭に浮かべたような顔をしてアウルを見続けていた。

「その様子だと何かあったみたいだね？」

「まあな。ちょっとした冒険をしてきた」

「その様子だとやはり森がえぐれるほどの発を起こしたのはアウル、お前のようだな」

「まあな」

「何故、何も無い森を？　まあいい、後でクラスが終わった後に絶対何が起こったかを教えろよ？」

「はいはい」

メリッサはケイト先生が教室にった事によって話を辭めた。最近、あまりメリッサが周りにいないと思ったら遠距離からずっとアウルを監視していたようだ。まあ、アウルの地下研究施設はかなり高位な結界を周りに張っているからその結界にアウルたちがったことによりメリッサはその間、アウルの監視が出來なかったようだがやはり遠距離から監視されるのは気分があまり良くないな。

「皆さんおはようございます。この數週間の間、皆さんは何をしていましたか？　ちなみに私はアキレア帝國へ仕事もかねて旅行をしていました」

「俺は何も」

「俺も～」

「あんまやること無いよね～」

「ケイト先生、羨まし～」

ほぼ全員が何もしていなかったようだ。祭りで休みと言っても大通りはいつもよりし屋臺が出ていたりするだけであまりいつもと変わらない。というよりこの町は各村や他國から毎日のように旅人や商人が訪れるため、年中お祭りのようなものなのだ。祭りがあろうとあまり珍しいわけでも無く、そもそもこの休日の間、人混みの中へり買いをしようと思い通りに出た者も多くはないだろう。なんせいくら力や魔力があっても人ゴミの中で歩いていれば非常に疲れる。これは自分の能力ではカバーできない慣れでしか対応の出來ない問題なのだ。

そして見る限りこのクラスの生徒たちはほぼ全員、人ゴミが苦手なのだろう。見るからに運不足で真っ白な質をしている。

「あまり楽しく無かったようですね。まあ、祭りの期間での話はまた今度にします！　では授業を始めます♪」

誰に聞いても良い話は出て來ないだろうとアウルを含めるクラス全の生徒の表を見てケイト先生は授業へと話を進めた。

「で、今日は皆さんの能力、健康狀態などを調べたいと思います。この休みの間、運を全くしなかったという子も多いと思いますし、現在自分のがどのような狀態なのかを知っておくと今後の目標も立てやすいと思います」

というわけでクラス全員が力測定を測定することになった。そして今、クラスの生徒達は自のか弱さに驚き始めていた。

「握力、17.78kg」

「ふん。まあまあだな」

「次！　…握力、10.23kg！」

「まあ、子なんだから當然よね？」

「次！　…握力、20.12！」

「よっしゃ！」

「あいつ凄いな！　案外、鍛えていたんだな！」

次々と前代未聞の握力の數値をこのクラスの生徒達はたたき出していく。

１５歳の平均握力は男子で35kg。子で25kg。

このクラスの生徒達は男子で18kg。子で10kg。これは小學生並の握力なのである。全く鍛えていなかったのが目に見えるようにわかる。というより外見からして重いすら持ったことの無いような生徒がほとんどだ。

「次、反復橫跳び！」

のろのろと３つの線を踏んでいくクラスメイト達。結果、クラスの平均は男子が21回。子が24回。男子が子に負けている。制限時間が20秒で線を踏んだ回數が21回の男子は大、１秒に１回しか踏めていないことになる。マジで遅い。

「皆さんお疲れ様でした。これで立位前屈、背筋力、垂直飛び、握力、脂肪率、反復橫跳びの測定が終わりました。そして結果発表…。アウル、ゼレシア、アリシア以外の生徒は全員、平均能力より圧倒的に能力が低下しているので明日の合宿に參加しなければいけなくなりました」

「え？　マジですか…」

「はい、マジですよ、エルド君。ちなみに選ばれた生徒全員、能力Uですので來週の合宿では最低のランクで２４時間制の筋トレーニングが組まれます！」

どうやらアウル、ゼレシア、アリシアの３人以外は全員明日合宿に行ってしまうようだ。ところでハクはどうしたのだろうか？と、思っているとハクもそのの一人にっているようだ。確かに今思えばハクが魔法以外の手段で戦っているのをアウルは見たことが無い。魔法大會でさえ、近距離戦闘を行おうともせず、ひたすら魔法で攻撃し、を守っていた。

「そういえば貴方、魔法以外は凄く弱かったのを今思い出したわ」

アリシアがハクにそう言う。

「はあ…。先生、まず何故僕たちが力測定なんてものをしなければならないんですか？　そもそもこの學校は魔法を學ぶ為の場所であるはずだ。力が無くとも魔法は使えるし、力が上がったからと言って魔力や魔法能力が上がることはないように思う」

「まあ、それは合宿に行けば分かることです。決まってしまったことには何も言えないですよ？　ハク君？」

逆ギレしたハクはすぐにおとなしくなり、席に座った。ハクの言っていた事は半分、本當であるが、もう半分は噓である。それはハクがその合宿へ行き、トレーニングをしてくればいずれ分かることだろう。

ところで殘された俺達はどうなるのだろうか・・・？