やっと學生らしい生活が始まると思い、心に青春という名の希を見出していたアウルだが、アウル、ゼレシア、アリシア以外のハクを含めてほぼ全員のクラスメイトたちが強化合宿へ強制的に向かうことになった。そしてSクラスとAクラスの生徒以外はほぼ強制參加らしいので同學年で學院に殘ることとなったのはこの三人とAクラスの連中だけなのだ。しかし、この學院のAクラスの連中は全員…頭がおかしい。ほぼ全員がテロリストのようなものだし、まず學院一破壊と邪魔をするのが好きなクラスとして有名だ。

何故、Aクラスだけにそのようなメンツが揃ってしまったのかは不明だが、とにかく相手にするのがとても面倒と學院では唯一、他のクラスと學年の生徒たちから忌み嫌われている。

そして今日が強化合宿の日。

學院の育館には転移魔法を用意している教師と魔法使いたちとがやがやと喋り合っている生徒達が集まっていた。

「じゃあ、行ってくるね」

し下を向き暗い表でいるハク。どんだけ能力が無かったんだか…。

「行ってきなさい！　そして貴方のその痩せっぽっちのを改善してくるのよ？」

応援の言葉を掛けながらもし口端を上げニコっという擬音よりニヤッといったじの笑顔を作ったアリシア。

「えっと…。頑張ってくださいね！」

そして素直にハクを応援するゼレシア。この育館には今、１年生の全クラスの生徒達が集まっている。Aクラスの生徒達は來ていない。流石に魔力センスだけでり上がったSクラスとは違って一応、平均的な努力はしているようだ。

「アウル、やっぱり洗い落とされない強化魔法とか無い？」

ケイト先生によると、この強化合宿の行われる島はとあるアイテムを裝著している人間以外は魔法の使用が止されるらしい。念のため、參加者である生徒達には魔法流しの滝という場所で全員の強化能力や魔力によって無意識に強化されている部分も全て洗い流し、ありとあらゆるものを絶ち生徒達の本來の能力だけでこの強化合宿を行わせるらしいので、アウルが今ここでどのような強化魔法を使い、その魔法をいくら隠そうとしたとしても直接その魔法流しの滝とやらでに付著した魔力を全て洗い流されては何もすることは出來ない。

「無理だな。諦めて鍛えるんだな」

「…….」

再びハクの表が暗くなり、最後の希が閉ざされたことによりハクはトコトコと歩いて強化合宿參加組みの列へ向かった。

そしてAクラスの擔任以外の教師達と參加者が育館に大きく用意された円陣の中へ集まり終わると、円陣の教師達が揃って手を上げ周りで転移魔法の用意をしていた他學年の教師達と外部の魔法使いたちが詠唱を始め、育館の床に書かれた大きな円陣が白くり出し、円陣を中心にして詠唱していた教師と魔法使いたちが唱え終わると円陣がより明るくり、育館中がに包まれた。そしてあまりの明るさに瞑っていた目を開けるとそこにもう円陣にいた生徒と教師たちは消えていた。どうやら學院所有の島とやらへ転移されたようだ。

殘されたアウル、アリシア、ゼレシアの三人はSクラスのクラスメイトたちを見送ると、明日からAランククラスの授業に參加することになった三人だが、今日は何もすることが無いので各自寮に戻るのだった。