「パラスアテナ、全軍の指揮はあなたに任せます。私は『慈』の相手で手一杯でしょうから…」

ミカエラが余裕のない聲で言うのを聞きパラスアテナは黙って頷いた。

「さて、お初にお目にかかります。あなたが『慈』でよろしいのでしょうか？」

「うん。そうだよ〜僕は『慈』のディートリヒ、お姉さんは？」

「私はヴァルキリーの長を務めておりますミカエラと申します。以後お見知りおきを…」

「うーん、これから殺すやつの名前なんか覚えるのめんどくさいなぁ、それよりお姉さん強いね。しは楽しめそうで安心したよ。わざわざこんなど田舎まで來て手応えのないやつばっかだったら退屈だしね」

『慈』の年ディートリヒにそう言われたミカエラは怒りをわにして剣を強く握る。

「魔族風が調子に乗るなよ」

「乗ってない、乗ってない、うわぁ、すごいの力だね〜その力、僕の闇に沈めてあげる」

ミカエラがの力を解放するのとほぼ同時にディートリヒも闇の力を解放する。

「………これほどとは………さすが、その歳で『慈』を與えられるだけはある。將來が怖いので今のうちに詰ませていただきます」

「ふう、おっかないなあ…」

ミカエラが剣にの力を纏わせるのと同時にディートリヒは拳に闇の力を集中させる。

「リュウ様、彼の戦いをよく見ておいてください」

「え？」

「さすがは『慈』の使い手だけあって闇の力がしっかりとについている。リュウ様が闇を扱えるようになるためにも闇での戦いをしっかりとみておいてください」

「……わかった」

僕はシャインに短くそう答えて2人の戦いを見屆ける。

2人の戦いはほぼ互角、若干ミカエラが押しているくらいだった。やはり、ミカエラは強い。『純』たちと同じような魔力を持つディートリヒを相手に互角以上に戦えるのだから…

「ふざけおって…」

「ん？」

「あやつ本気とは程遠いです。おそらく自分で力を押さえているのでしょうが…」

「ふざけるな、何故本気で戦わない」

「え、だって本気でやったらつまらないじゃん。これくらいの力で戦ってた方がギリギリの戦いってじがして楽しいし」

「私を…侮辱するつもりか？」

「別にそんなつもりはないよ。ただ君は僕より弱いのは事実。だから本気で戦うつもりはない。それに君も何か隠してるでしょう？」

「………いいでしょう。あなたを倒すためにこの力を使いましょう」

ミカエラはそう言いながら手にしていた剣を地面に置く。