「っ…なんなのあれ……」

パラスアテナは上を見て絶した。パラスアテナの上空には黒き翼を羽ばたかせ宙を舞う闇に墮ちた墮天使たちがなくとも數百いることが確認できた。

それを見て絶したのはパラスアテナだけではない。その場にいた全ヴァルキリーが絶をして生きることを諦めた。

「ヴァルキリー諸君ご機嫌よう。私は『純』のエリザベータ、この地を滅ぼすために參りました」

「みんな、今すぐに逃げなさい」

パラスアテナは剣を手にして全ヴァルキリーに指示を出す。そして自分はしでも時間を稼ぐためにの力を発して『純』に向かって行く。

パラスアテナが『純』に向かって行くのを確認したヴァルキリーたちはパラスアテナの行を無駄にしないためにき出した。

「ふふふ…あなた、かなりいいわ。合格よ。実験はあなたに決めた」

『純』に向かって剣を振ったはずのパラスアテナだったのだがいつのまにか『純』はパラスアテナの背後にいた。

そして『純』はパラスアテナに手を當てて自の魔力を與える。

「あっ…ぅぅ………」

パラスアテナは苦しんだ。自分の中に自分じゃない何かがってくる覚があった。自分が自分じゃなくなる覚…自分を失う覚がパラスアテナを襲った。

「安心しなさい。苦しいのは今だけ。すぐに私の闇で支配してあげる。すぐにそこにいるような闇のヴァルキリーにしてあげるわ」

『純』は微笑みながらパラスアテナに魔力を流し込んだ。『純』の魔力が加わる度にパラスアテナは自我を失った。

そしてパラスアテナの純白の翼は徐々に禍々しくなっていく。

黒く…黒く…更に黒く…しずつパラスアテナの純白の翼は闇に支配されていく。

翼の支配と並行してパラスアテナの神の支配も進んだ。

そして翼が完全に闇に支配された瞬間、パラスアテナの神は闇の底に閉じ込められた。

パラスアテナの神が完全に支配される頃にはすでに他のヴァルキリーは避難を終えていた。それがせめてもの救いだったのかもしれない……

「パラスアテナ…」

「ミカエラ様、私を殺してください……」

自分の前に立つ憧れの存在、その人に自分の未來を託した。ただ一人この空間に存在するに託した。

「支配完了。じゃあ、最初の命令、あのヴァルキリーを討て」

『純』の命令に従いパラスアテナはミカエラに剣を向けた。酷く悲しそうな表で闇を纏いミカエラに剣を振るう。

「パラスアテナ…ヴァルキリーの長としてあなたを討ちます」

ミカエラがそう言い剣にの力を流し込んだ瞬間、パラスアテナの瞳からは大粒の涙が溢れた。