《現代知識で異世界無雙したかったよ……》裏話。ダンジョン攻略からの帰宅直後

「なんで私が契約なんてせねばならんのだ」

師のような格好をした小柄な男がそう言った。

「お前は世にも珍しいワービーストだけど、ネクロマンサーとか吸鬼みたいに人様の役に立てるわけじゃないだろ。だから王都で暮らすには後ろ盾が必要なんだよ。ご主人の好意を素直にけ取れ」

執事のような格好をした年がそう言い返した。

「え?私の意見は?」

「何がご主人の好意だ!ご主人の意見聞いていないじゃないか!」

その通りだな。やっとお家に帰ってきたと思ったら、部屋までに當たり前のように付いてくるんだもん。驚くわ

「ご主人、ちょっと魔力を放出してくれ」

「い、いいけど」

「むっ!これは!」

小柄な男が驚いている。

「どうだぁ?魔力を放出しただけでこの威力。直接摂取したらどうなっちまうんだろうなぁ?」

「貴様ぁ!なんと卑怯な手段を」

え、なにこれ

……

………

…………

數分後、指先から魔力を吸いながら黒い貓は

「くっころぉ!!」と鳴いた。

……

………

…………

「ふっ、私の名を決めるが良い」

お前それでいいのかよ……

ディーノもお前も飯目當てか。

「私たちモンスターは良質な魔力に惹かれてしまうのだよ。自然の摂理というものだ」

ちゃっかりもう契約してるし、俺の心の聲聞こえちゃってるし

「そのような瑣末な事は捨て置け、私の名を決めるのだ」

うーん、そうだなぁ……

「じれったい!では私の事はファントムと呼ぶがよい!」

え?名付けさせてくんないの!?

隨分と勝手な貓が來ちゃったな……

「聞こえているぞ」

ひっ!

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