俺は今非常に面倒な狀態になっている。

「お姉様ぁ！どこに行ってしまわれたのですかぁ！」

そう、メリルに追われているのだ。

今日はクレイと一緒にアルデバラン家に帰る日だったから騎士団の待機所にメリルと一緒に向かったんだ。(メリルは勝手についてきた)

そして出會い頭にクレイが俺に

「ジャンヌ、君は今日も綺麗だね。そろそろ今の生活にも慣れたろう。だから僕とランチに行かないかい？もちろんディナーでもいいよ」

なんて言うからメリルが………

……

………

…………

「お姉様に近づく害蟲がぁ！ライトニングキャノン！」

元素魔法の雷系最上級！？

弟子りしたての魔法使いが出來る魔法じゃないんだけど

「うわぁっ！危ないなぁ」

正面からけ止めた！さすがクレイだ。若干忘れかけていたが戦闘力なら俺の知り合いの中でもトップだ！

「ちょっ、ちょっと待ってメリル！落ち著いて！」

「お姉様！止めないでください！あれは危険です！お姉様のだけが目當てですよ！」 

やめろぉ！とか言うな！

「それは聞き捨てならないな。最初は確かに一目惚れだったけど、今はジャンヌの全てに惹かれてるんだ！」

「ク、クレイさん…」

恥ずかしいこと言うんじゃねぇよクレイ！

「お姉様を拐かすな！」

「仕方ないからここは逃げようか」

クレイの速度に誰も反応できなかった。クレイは即座にメリルをスルーして後ろにいた俺をお姫様抱っこして扉を蹴破って逃走。

そんなことがあって今も逃走中

「ジャンヌ、どうしようか？」

「今日はクレイさんだけでお兄様のところに行ってください。私はメリルをなだめてきます」

「そうか、頑張ってね…」

そんな顔するなよクレイ、メリルはやりすぎたからな。しっかり叱らないとな。姉として