《現代知識で異世界無雙したかったよ……》各國防衛戦。セイレーン

「あぁ……マジかよ」

王都に向かってくる大量の黒い魔を見てアスカは呟いた

「私だって魔國に當てられる援軍が貴方しかいないとは思いませんでしたよ。チェインとシャドウも死業之衆カルマでしたっけ?…ジャンヌさん達と行を共にしてるなんて知りませんでしたし」

現狀の戦力と自分の部下について嘆く魔國の王クレア

「俺をここに配置したのはそのチェインさんなんだよなぁ…それとも俺だけだと不安か?」

「何を言いますか、我がセイレーンは魔導兵を大量に所持していて、さらにたくさんの魔法使いの兵を抱えています。そこに貴方が加われば怖いものなどありませんよ」

そこに歩いてくる1人の兵士

「クレア様、魔法部隊の配置終了しました。私はどうすれば?」

「私は後方で消滅魔法の準備、アスカさんは先行部隊と共に魔を倒してもらい、先行部隊を突破してきた殘りをファリテの部隊で殘滅してください。余裕があったらファリテも先行部隊に合流してください」

「了解致しました」

「オッケー!それじゃあさっさと済ますか!」

3人は違う方向に向かって、それぞれの仕事を果たすため、歩き始める

……

………

…………

「あぁクソ!マジで數が多いな!」

押し寄せる黒い魔の波の中でアスカはぶ、先程からかなりの數を倒しているのに一向に減る気配がない

なんとか魔が王都に攻撃する事は最小限に防げているが、これではいつまで持つか分からない

ライフカウンターはまだ使えねぇし……いよいよヤバいかもな。俺は死なねぇけど、ここを通しちまう

剎那、風が走る

「無事ですか?アスカさん」

その聲と共に周囲の魔が切り刻まれ、元の姿などカケラもないほどの塵と化す

「王都防衛はアスカさん達のおで余裕があったので、私の部隊も連れてきました。ファリテ・グレゴリア參上です。実踐は久しぶりですが、全力で頑張ります」

そういや、忘れてたけどこの人も隊長クラスだ。下手したらクレイと同等って可能も……ってそりゃないか

「ガァッ!」

獣のような雄びをあげ、魔の群れに単獨で飛び込むファリテ

「お、おい!1人で行くのは…」

「大丈夫だと思いますよ……あの人、大陸に6人しかいない…Sランク冒険者だったらしいんで」

驚くアスカに兵の1人が指摘する

事実、ファリテが突っ込んだ魔の群れは即座に絶命していく。その様子はまるで獲と捕食者のようだ

「あぁ、案外脆いんですね……もうちょっと頑丈になってくれないと困りますよ。こっちは溜まってるんですから」

その言葉は背筋が凍るような冷たさを放っていた

「隊長の冒険者時代の二つ名聞きます?」

その問いにアスカは黙って頷く

「殘獣王サディスティックビースト」

「……俺と相良さそうだな……」

SとMだからな

……

………

…………

その後、クレアの消滅魔法による殘滅で魔國セイレーンにおける防衛戦は幕を閉じた

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