深夜、靜まり返った城。王の寢室に忍び寄る影が一つ……その人は全を黒いきやすい服で包み、とかに特徴的なはしていないが……一つ特徴を挙げるとすれば、顔を髑髏の仮面で隠していた

「………まさか城にばれずに侵するだけじゃなく、罠に引っかからずにこの寢室まで來るとは……その腕だけは褒めてあげますよ。侵者さん」

侵者は寢ていると思った王が自分の存在に気がついているという事実に嘆する

「流石……と言ったところだねぇ、僕としては完璧に気配は消していたと思ったのに……」

侵者は顔を隠しているが、聲からだと分かる

「気配は消せても、匂いは消せませんよ。それとも……私の魔法をご存知ないのにここまで來たのですか？」

その言葉で侵者は理解する

「なるほど……便利なものだ。獣覚魔法……まさか人間である君が獣の嗅覚を手にれているなんてね」

「さて、貴方はどうするつもりですか？この場でおとなしく投降し拘束されるのであれば王の寢室に侵した罪としては破格の終刑で済ませてあげますが？」

王はそう言いながらも全に魔力を張り巡らせ、戦闘態勢だ

「どうせ終刑になるなら、ここで全力で殺し合って死ぬか…普通に負けて死刑かを選ぶかな…そういう人だからさ。僕は」

侵者も臨戦態勢だ

「じゃあ……始めましょうか？」

……

………

…………

「不落なる魂の外套ソウルアーマー」

侵者のが圧された魔力で形された黒いローブと燃え盛る青い鎧に包まれ、その手には……そうまるで死神の鎌のような巨大な鎌が握られていた

「……そ、その魔法は……」

紛れも無い。錬金師の國アヴァロンの王城にて巻き込まれた事件で、英雄狩ヒーローハンターに殺される寸前の所を助けてくれた死神の魔法

そんな魔法を使える人は1人しか知らない。1人しか居てはならない

「クレア・スペルヴィ……一國の王と言えどやっぱりまだいね。殺す為のを制していない……殺すつもりなら、相手が誰であろうと心を揺りかされてはいけない」

侵者はそう言いながら、仮面を外す。その仮面の下には今しがた外した髑髏の仮面なんかより、よっぽど死神らしい狂った笑みを浮かべたしいの顔があった

「……ジャンヌさん……最近、重犯罪者を粛清と稱して殺害してるのは本當に貴方なのですか？」

クレアは震えた聲で目の前の命の恩人に問う

「あぁそうさ……犯罪者の次は大だ。今宵の粛清対象は君だ。クレア・スペルヴィ」

唖然とするクレアの首に向かって死神の鎌が振り下ろされる

「おっと、そこまでだ」

「さて、どうやって嬲りましょうか？」

突如現れた二つの影に死神の鎌は止められる

「不死帝アンデットインペリアルに殘獣王サディスティックビースト……クレア・スペルヴィも合わせたら、ちょっと不利かな？……じゃあ、君たちの首は次の機會にってことで」

ジャンヌは即座にその場から消える

「……ジャンヌさん……どうして………」

月明かりが照らす寢室で、クレアはそう繰り返すしかなかった