《クラス転移はts付きで》三十三話~理不盡程滅茶苦茶なはない~

「は、ハンガス先生」 

「っ! な、なんだい?」 

 

ホームルームになり、化學科の教室までの道がわからないのでボクがハンガス先生に話しかけると、怯えた様にこちらを見てきた。……ま、まあ、昨日までは普通だった生徒が、いきなり殺気を放って睨んできているんだからね。ボクなら泣いて逃げるよ。 

 

「い、いや、その、か、化學科の教室への行き方とかがわからないので、教えてもらいたいんですけど」 

「あ、ああ、そういう事か、ならし待っていてくれ、俺は一応化學科の教師だからな」 

 

そう言い、ハンガス先生は急いで用意をしだした。 

ハンガス先生は、ボクの様子を見ているようで、時折、ボクに目線を向けてきていた。 

 

「ハンガス先生、そんな怯えなくてもいいですよ? そもそも、ボクはハンガス先生に対して、憤りとかは覚えていませんから」 

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ボクが、ハンガス先生を落ち著かせるために、ゆっくりと語りかけると、ハンガス先生は落ち著いたようで、し顔がよくなっていた。 

 

「すまない、転していたようだ、よし、じゃあ、教室に行くからついて來い」 

 

もう、完全に落ち著いたようでハンガス先生は、元気に笑い、ボクを教室へ案しようとしてくれた。 

 

ハンガス先生についていくと、そこは、魔導化學科教室、と書いてある札がかかった大きい教室だった。て言うか、化學科って略されてたんだね。魔導化學って、 

結局魔法は使うんだね。 

 

「よし、ついたぞ、席は空いている席に自由に座っていいからな」 

「分かりました」 

 

ボクが教室にると、そこには既に五、六十人居て、ばらばらに座っていた。 

ボクは、橫に誰もいない席があったので、そこに座り、授業が始まるまでの時間を潰すために、ラムと會話し始めた。 

 

(はあ~、こういう時間って結構怠いよね。すぐに眠くなる) 

(何言ってんのさ、眠くなるのは君だけだよ。ほら、先生が來たんだからしゃきっとする) 

 

ボクがここに著いたのが結構ぎりぎりだったらしく、しだけ會話するとハンガス先生が教卓の前に立った。……相変わらず、一のCの人たちはハンガス先生をにらんでいたが。 

 

「この中には知っている奴もいるだろうが、ハイドリヒ先生は、別の仕事で學園から去っていった。來週に新たな教師が來るが、今週は來ないので俺一人になるが我慢してくれ」 

 

ハンガス先生が、ボク達のクラスで行ったことと同じことを言うと、周りの人たちは、「やった」とか、「楽になるー!」というようなの混じった目線をしていた。 

その中で悪を抱いている人は一のCの人たち以外しかいなかった。……何がそこまでのヘイトを生み出すんだろうね? 

 

「あと、今日から勇者たちが編したが、花形とは程遠い化學科には、ほかに比べてあまり人が來なかった。まあ、その奇特な勇者は教卓の前に出て自己紹介をしろ」 

 

ハンガス先生がそう言うと、教室には笑いが起き、結構フレンドリーな人だった。……なんでこんなフレンドリーな人を睨んでるんだろうね? あと、ボクは奇特ではないんだけど? 

 

教卓の前に出てきたのはボクを合わせて二人、もう片方はボクの友達であるコウタだ。 

 

「じゃあ、コウタからやってね、異論は無しだよ」 

「うぇ!?」 

 

ボク達の共通點三つを言うと、怠惰、他力本願、基本何もしない。と言う様な、結構な、くずコンビという悲しい奴だ。いわゆる悪友的な奴。 

 

「えー、俺の名前はコウタだ、特技は特にない、この化學科にったのは、特に他にりたいのがなかったからだ、よろしく」 

 

コウタがすごく適當に自己紹介をすると、教室にいた人たちのほとんどがコソコソと、會話をしていた。 

會話の容は、「勇者って仰々しいだと思ってたけど、あんま俺らと変わんなくね?」とか「いや、コウタっていう人がそう言う奴なだけで、向こうは、滅茶苦茶偉そうなやつかもしれないぞ?」と言う様なじのものばっかだった。……はあ、君のせいで勇者全が変な集団って思われちゃうじゃん。まあ、実際、五、六人位は変人なんだけどね。 

 

「ボクの名前はライムです、特技は……ないと思います。科學部にった理由は、面白そうだったからです」 

 

ボクがそう言うと、「やっぱり俺らと変わんないね」とか「結構殘念系?」とか言い出してきた。更にはラムにも文句を言われた。 

(君はコミュ障だからって、もうし良い自己紹介あったでしょ?) 

という風に小馬鹿にしてきた。ムカつくね! 

 

「よし、殘念な自己紹介が終わったから、お前たちは席に戻っていいぞ」 

 

ハンガス先生はボク達に自己紹介をさせておきながら、ボク達を馬鹿にしてきた。こういう事をしてきていたから、睨まれていたのかな? 今なら共できるよ、社會的に殺してから理的に抹殺してやりたいレベルだよ。 

 

「ああ、あと、座ってるやつらにも言うが、お前ら全員こんなじの自己紹介をしてたから、同類だぞ?」 

 

どうやら、さっきの発言は、ボク達だけを馬鹿にしようとした訳ではなく、コミュニケーションの一つとして言ったらしい。……ほぼ初対面の人にそう言うコミュニケーション方法は、難易度が高くないかい? それが普通なのかもしれないけど。 

ま、まあその結果、こう言う様な事が日常茶飯事のようで、教室中の人は苦笑いをして、「俺もこんなじだったのかぁ」とか、「またしてやられた」という風なじのことをつぶやいていた。 

 

(そこまで人徳がないわけではないんだね、それよりも人徳はかなりある様だし、やっぱりハイドリヒさんが何かしたのか?) 

(ん? ラム? どうしたの? 急に悩みだして? 呆けた?) 

 

ボクがラムのことを心配して言うと、ラムはため息を吐き、本當に君は楽観的だね。と言われた。心配してやってるのに。 

 

「よし、じゃあ、授業を始めるからな」 

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