《クラス転移はts付きで》五十話~人に嫌なことをされるほど最悪なはない~

翌日、ボクは朝早くにレティシアさんに起こされた。

「うぅん、何? こんな朝早くから?」

「そんな事はどうでも良いのよ! それよりもシンノスケが好きなものを早く教えなさい!」

どうやら、惚れたのは噓じゃなかったみたいだ。ただ、そんなふざけたことで起こされるのはすごく不愉快だ。

「……おやすみー」

「わーわー! 寢ないでよ!」

……別に惚れるのは良い、ボクにとってはシンノスケが邪魔を余りしてこなくなるから、得だ、ただ、今度はボクの睡眠の邪魔をレティシアさんにされてって、ボクは呪われてるのかな?

「ねえ、ボクが一番嫌いなことは、お菓子を取られることと、オムライスを取られることと、カシモトを傷つけられることと、睡眠時間を取られることなんだ」

「……一番が富ね、って、それがなんなの?」

その目には、「んな事は関係ねぇんだよ! さっさと教えろやボケが!」と言うことが浮かんでいた。

ただ、ボクはそんな脅しには屈しない!

「んぅ? なに? こんな朝早くにぃ?」

(ラム! あとは頼んだ! ボクは睡眠をして居るから! レティシアさんの対処しといて!)

ボクは快適な睡眠をとれ、レティシアさんは有益な報を得られ、win-winだ。……ラムは知らないよ? だって元はボクだしね、それにボクは使えるものは使っていく主義だからね!

「って、ライムが、昨日の変態になった!?」

「僕は変態じゃないんだけど」

(後で覚悟しとけよ?)

ふふ、ボクが嫌なことなんてお菓子を取られる事とかしかないよ? 悪戯とかだってシンノスケに鍛えられて、普通のだったら対処できるしね。

「まあ、変態でもなんでも良いわ! 早く教えなさい!」

その臺詞を聞き、ラムは悩んでいるようだったが一向に思い付いていない。そこで、ボクも考えてみたけど、思い付いた事が、嫌がっているボク、と言う事しかなかった。

「ごめん、まともなのが思い付かなかった」

「え……そ、そう、しはしゃぎすぎたわね、もう寢てて良いわ」

ラムの悩みに悩んだその臺詞に、駄々をねても仕方がないと思ったのか、不満を一つも言わずに諦めていた。これで一件落著だね!

(そうかそうか、君の中ではもう一件落著なのか、じゃあ、僕も今から一件落著させるね)

そんなことを思っていると、ラムがいきなり不穏な言葉を吐き出してきた。すると、分を使われたのか、ボクは外に出された。何故かで亀甲縛りされているが。

「……どうやら私は疲れているみたいね、早く寢ましょう」

そして、この狀況から唯一ボクを助けられるレティシアさんは、ボクが縛られている姿で現れたのを確認し、そして夢だと思ったのか、ベットに寢付いてしまった。

「ら、ラム? ボクを縛って何がしたいの?」

「このまま、カシモトの部屋に置いてきたらどうなるんだろうね? 僕は急にそんなことを思い付いたんだ」

聞き分けのない子供をあやすように、ラムはボクに語りかけた。

今のカシモトは男であり、ボクの人であり、そして元子だが、レズビアンだ、そんな人の部屋に置かれたら、どうなるかは瞬時で理解できるだろう。翌日には腰が立たなくなり、滅茶苦茶になっているだろう。

「ひえぇ!? そ、それだけは!」

「あれれ、そんなに期待しちゃってるんだぁ、ラブラブだねぇ」

そんなことを言われながら、全速力でダッシュされカシモトの部屋に置かれてしまった。そして翌朝、ボクは予想通り足腰が駄目になっていたが、想定外だったのは途中でラムまで捕まり、……止めよう、本當にあれは駄目だ、何故地球の時の男のボクが男になった……本當に止めよう、自殺しそうになる、今度カシモトに會ったら注意しておこう。せめてボクの前以外でって。

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