《クラス転移はts付きで》五十九話~意識の切り替えが早い奴ほど信用がないはない~

「あはは、君は間抜けだなぁ、顔に何故分かったんだって書いてあるぞ? まあ、私は君が神法を扱える事にとても驚いたがな」

暴れまわるラムを無視しようと頑張っていると、悪い笑みを浮かべていたハンガス先生がボクに向かって歩きながら、語り始めた。……子供の様にしか見えないボクを襲おうとしている犯罪者にしか見えないけど。

「しかし君は何者だ? 君は異世界から來た人間と言うことは変わりないだろう? 何故神法を使えるんだ?」

流石にどんどんと接近してくる危険、詳しく言うと貞の危険をじるため、暴れていたラムも靜かになっていた。

「そうか、なら君の中にいるもう一人の君に聞こうじゃないか強制現インカーネイション」

「うわわ」

ボクが黙りながら後ずさってると、急に魔法を唱え、ボクのに包まれた。勿論防ごうと思ったのだが、起が早すぎて防げなかった。

「え、え、何で外居るの?」

「わ、分からないよぉ、もう分かんないんだよぉ!」

ボクのに巻き付いているの輝きが強くなり、目を開けていられず目を瞑り、そして目を開くとラムが目の前にいた。

ラム自も何故外に居るのかが分かっていないらしく、混して暴れていた。

「君は教えてくれるかな?」

「そうか、ライムみたいにお掃除してしまえば解決するのか」

ハンガス先生はラムに話し掛けていたが、ラムは混しているようで、目を濁らせてさっき冗談で言ったボクの案を本気で採用しかけていた。

「ストップッ! ストーップ! 落ち著いて! 今その人を殺っても意味がないよ!」

「んぅ? 何いってるんだい? 別にお掃除してもいいじゃん、別にその後記憶を消せばいいんだから」

ラムは錯しきっており、闇墮ちしたヒーロー、若しくはヒロイン的な発言をしていた。流石に押さえないとヤバイことになってしまうので、必死に押さえていた。……本當に何でボクはこんなことをしているんだか。

「はは、使徒などに私が殺せる訳がない」

ボクがラムを止めるために発した言葉が、ハンガス先生の何かにれたようで、呆れたように語り掛けてきた。しかしハンガス先生はボク達の事を神自ではなく、使徒と思っているようだ。まあ、神と思われたら大問題だが、大抵の神はボクほど間抜けではないだろう。だから間抜けな使徒と思われたのだろう。

何か心が痛いな。

「と言うか君程間抜けな使徒なら、普通の練者なら誰でも対応できると思うがねぇ、まあ能力が分、若しくはコピー等ならそれでも良いのだろうが」

ハンガス先生はボクに話し掛けてきているのか、それとも獨り言なのか、分かり辛いのだが、取り敢えずボクは理解できなかった。

「貴は何者だ?」

流石に今意味不明だからと暴れる事は得策ではないと考えたのか、落ち著きを取り戻していた。ここまで意識の切り替えが上手いと、ただの演技にしか思えないよ。

「まあ、別に君たちに言わなくても良いのだが……私の名前は」

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