既に儚月とは戦ったことがあるので、何の

神力かは分かっている。儚月の神力は質変換。

これは発させるとその質が駄目に

なってしまう。ただ普通に戦ったら勝てない。

それに加え前みたいに神力を使えなくさせたら

もはや勝ち目はない。

「言っておくが、前みたいに神力を封じる

ことはないから安心してくれ。今はこっちに

それを行える者はいないからな」

儚月は余裕そうに言ってくる。しかし

こちらはくことはできない。き方が

分からないからだ。

「佳君、どうする？」

サグメちゃんが小聲で言う。

「相手の出方を探ろう。相手がしでもいたら

一気にケリをつけよう」

とは言ったものの、多分正面突破であいつを

倒すことはできないだろう。

「どうした？今になって怖気づいたか？」

儚月がこちらを煽ってくる。その手には乗るか。

「來ないならこちらから行くぞ」

そう言い放った瞬間、

「避けて！」

とサグメちゃんがんだ。きっと予測能力で

じ取ったのだろう。俺はその場から思いっきり

橫に倒れた。俺が元いた位置を見ると、そこは

紫に変している。あれがに當たっていたら

どうなっていただろう。

「大丈夫！？佳君」

「ああ・・うん」

サグメちゃんが倒れている俺に言い寄ってきた。

俺は立ち上がる。

「次は逃さないぞ」

「今はあいつを倒すことに専念しよう」

「ええ、そうね」

俺は再びあいつに剣を向けた。