《現人神の導べ》11 教えて! ユニエール先生!

とりあえずある程度の常識は教えたため、何か質問はないか? と言うので、まんまと乗っ取ってやった午前の座學のお時間です。

「さて、この世界の者達は魔法の仕様が違うので、仕様が同じ世界から來た妾が教えてやろう。なお《魔力作》などは同じなので、口を出していない。では諸君、まずはおさらいだ。そもそも魔法とはなんぞや」

魔法とは……。

世界にはマナというエネルギーが満ちている。

このマナを取り込み、魔力へ変換し、魔法という現象をおこす。

「さて勇者達よ、理法則は知っているな? 重力も分かるな? ああ、何も詳しく説明しろとは言わん」

「『うんうん』」

「それとは別に、この世界には魔法法則が存在する」

「『へぇー!』」

「まあ、名前で察せるだろう。魔法は魔法法則に、他は理法則となる。分かりやすい実験がある」

《攻撃魔法》にある地や氷屬の魔法だ。

魔法により作られ撃ち出された土や氷は、重力に引かれず真っ直ぐ飛んでいく。

《魔力作》で曲げることは可能だ。

「これで魔法法則は実したと思う。普通土や氷は落下する。だが、魔力が霧散するまで真っ直ぐ飛び続ける。では次、魔法の種類を教えよう」

※攻撃魔法

《無 火 水 風 土  闇 氷 雷》

※防魔法

《結界魔法》

※神聖魔法

《回復魔法》

※補助魔法

《強化魔法》

《妨害魔法》

※時空魔法

《空間魔法》

《重力魔法》

※使役魔法

《召喚魔法》

《従魔魔法》

《人形魔法》

霊魔法》

※生活魔法

《生活魔法》

「という事になるが、この世界の者達とはここがもう違う。《攻撃魔法》と纏められていない各屬魔法になっている。《使役魔法》とかもそれぞれ4つ別だ。さて、君達勇者の魔法仕様を知る前に、この世界の魔法はどんなであるか」

勇者達の魔法が新しく、4番世界の住人は古い魔法仕様だ。

10番世界のコンセプトはやろうと思えば何でもできる世界だ。努力さえすれば全ての魔法を覚えられる。使いこなせるかはまた別だが。後は人の壽命で足りるかもまた別だ。

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そして4番世界、生まれた時點で使える魔法が決まっているようだ。《生活魔法》は全員使える。

4番と番號が若いだけに悲しいね。

そして古い形式の魔法というのは、分かりやすく言えばRPGだろうか?

初級、中級、上級、超級で魔法陣が用意されている。

この魔方陣達はというマギライブラリ……世界の記憶領域へアクセスすれば見れる。ただ、どのランクまでアクセスできるかは個人差がある。

才能がある者は超級までアクセスできるだろう。使えるかはまた別だ。発させられるかは魔力量や《魔力作》依存だし。はあくまで図書館。

とは言え流石にこれだけでは使い勝手が悪すぎる。

魔法陣を自作して作るオリジナル、もしくはアレンジ魔法と言われる方法。

これの問題は魔法陣に使われる魔導文字を覚える必要がある。文字が分からなければ編集はできまい。

「さて……実はもう一つあるのだが、先に魔法陣について話そう」

魔法陣とは……。

使う魔法を選択した際に展開され、その魔法陣に魔力を流す事で、魔法が発する。この魔法に魔力を流す行為を詠唱と呼ぶ。

長ったらしい決まったあれはないが、効果がない訳でもない。人間気持ちの問題とも言うしな。一応影響あるのだ。

まあそれは置いといて、魔法陣には魔力暴走防止機能というのがある。

詠唱失敗した! 注いだ魔力はどうなる? 魔法陣が魔力を飲み込んで自壊する。

魔力暴走防止機能、優秀だろう?

「魔法陣の重要は分かったと思う。では3つ目の方法だ」

イメージで使用するオリジナル魔法。

イメージを魔力と言うエネルギーを使用して、現化する方法。

これは非常に自由度が高い。なぜなら魔法陣を使わないから。

その代わり……リスクがある。

魔法陣を使わないという事は魔力暴走防止機能がないという事だ。

《魔力作》に失敗、イメージの不完全などなどにより、魔力が暴発し腕を持っていかれたりする非常にリスクの高い方法だ。

利點はイメージからなので、自由度がかなり高く、発までが早い。そして、魔法選択時の魔法陣の展開により、使用する魔法バレを防げる。魔導文字が分からなくても以外の魔法を使える。

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最大の欠點が魔力暴走防止機能が無いことだ。

「この世界の魔法仕様はこんなところか。そうそう、君達も既に見ただろうが、魔法陣は屬がついてるし、影響を與える規模は魔法陣のサイズで分かる」

「何屬かは隠せないと思っていいのかな? 魔導文字ってのが分かれば発前に容まで分かっちゃうのか……」

「そうだな。そもそも杖に付いてる寶石などで得意屬がバレたりするから今更だ。火ならルビーってな。詠唱速度を上げるにはひたすら《魔力作》だ。これで詠唱時に無駄な魔力も省けるしな。必須技能だ。サボらず暇ならやっとけ」

「ユニエール先生は魔法陣解析できますか?」

「できるぞ」

「どのぐらいで出來ますか?」

「超級規模すら妾の視界にった時點でアウト。魔導文字フル暗記済み」

「…………先生バケモンだったわ」

この部屋には一応教師以外にも、騎士達や侍數名が何人か待機している。

信じないが大半だったが、片手間で鎧を溶かしているのを見てしまった事のある騎士は完全に顔が引き攣っていた。

これにはシュテルン満面の笑み。

……シュテルが鎧を溶かした時、魔法陣が表示されていなかった事に気づかなかったのは果たして幸運なのか、不幸なのか。

自然神の能力なので、魔力消費無く即発である。

「さて、肝心な君達の魔法仕様の話しにろうか」

魔法使用時、自的に魔法陣が生、魔法図書マギライブラリに記録される。

魔法陣のサイズは効果が複雑ならより細かく、効果範囲が広いなら大きくなる。

初めて使用する際はオリジナルと同じイメージから使用し、マギライブラリに記録させる。それ以降はマギライブラリの魔法陣を使用すれば、同じが使える。

魔導文字は不要には為らず、自された魔法陣をより最適化するのは手

の魔法陣は効率がいい……とはいい難い。

魔法陣の効率はどれだけ的にイメージすることができるか、だ。

同じことをする魔法でも、考え方が違えば魔法陣も多違う。個人差が出る。

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ただし《神聖魔法》と《生活魔法》は前のままだ。

元々にあった魔法陣はそのまま殘っているから、自由度がかなり増したということになる。

ただし、魔法図書マギライブラリが個人の魂、神でも良いが……それに依存するため、保存できる魔法容量に個人差が出た。

消したり追加したりは個人で好きにできるので、厳選してねってことだな。

狐っ娘が尾をゆらゆらしながら聞いてくる。

「はい、先生!」

「何だ清家」

「《生活魔法》が前のままは良いとして、《神聖魔法》はなんでですか? 《回復魔法》なんですよね?」

「ふむ。では教えてやろうか。この世界は《回復魔法》の使い手がないと習ったな。なんでだと思う?」

「持って生まれる可能が低いからじゃ?」

「んぁー……《神聖魔法》は々特殊でなぁ。清家、もし失った腕が《神聖魔法》生えてきたらどう思う?」

「……稼げそうですね!」

…………はて、褒めるべきか? 叱るべきか?

とか思ってたら、隣の宮武が清家を々呆れ気味で見つつ……。

「実際生えてくるんだったら奇跡だよねー」

「そうだ宮武。まさに奇跡だ。《神聖魔法》……神の聖なる力。神の奇跡の一片なのだ。……言っておくがこの世界に神は存在するし、10番世界にも神はいる」

「そう言えば神様がいるって習ったけど……」

「はっきりと斷言しよう。神々は存在する。ただ君達がイメージする神々とはちょっと……いやだいぶ違う。別に人類の為にいるわけじゃないし、人類の味方でもない。だからと言って敵でもない。世界の為にいるのであって、人類という生のためではない。突然気にった者を孕ませたりもしない」

「観測者……ってやつ?」

「まあそれでも良い。祈れとも謝しろとも別に言わん。別に信じていようがいまいがどちらでも良い。ただ貶すのは止めろ。八つ當たりの対象にするのも止めろ」

「……貶すって?」

「ああ、悪口を言うなってことだ。お前達とて見ず知らずの奴に突然悪口言われたり、突然八つ當たりされたらイラってするだろ?」

まあ、余程の事じゃない限り神々は基本地上に干渉しないけどなぁ。

基本じゃない例外が私です。とは言え、私も神としては干渉しないけど。その辺りはちゃんと切り替えている。切り替えるも何も、遠く離れたアリの巣こっかが滅ぼうと神としても帝としても、一個人としても興味ないのだが。

周囲4大國が滅びそうなら帝としてかざるを得ないが。我が國にも影響が確実に出るし。

そう言えば、この世界の神々に顔出してないや。後で神界行こうかな?

「とまあ、今は神々自はどうでもいい。《神聖魔法》とは神の奇跡の一片を人類が使えるようにしただから、変更がないのだ。変えようがないとも言う。《回復魔法》から《神聖魔法》に名前が変わったのは……人類のオリジナルを《回復魔法》と言い、神々の力と分けるためだろうな」

「じゃあ私達のイメージで回復する魔法が作れるんだ」

「さて、ここでなぜ妾がお前達に座學として教えるかだが……それをさせないためだ」

「『えっ?』」

「《回復魔法》はあった方が良いと言うか、ほぼ必須じゃない?」

言いたいことは分かる。言うとおり必須魔法とも言えるだろう。

だが、お前達は便利の裏にある危険を理解していないのだ。

先に釘を差しておかねばなるまい。

「お前達、自分のについてどれほど理解している? 中2なら……子供の作り方は既に分かってるな。では自分達のの作られ方もある程度は分かろう。だが……所詮ある程度だ。その程度の知識で絶対に安全と言いきれる《回復魔法》ができると思うか?」

「ま……さか……?」

「察しが良いな清家。その通りだ。やたら効率の悪い、発すら困難な魔法ができるならまだ良い。一番の問題は魔法陣が小さく発できてしまう不完全なだ。薬は毒にもなり、毒は薬にもなるように……下手したら悪化させる、何かしら不合のある魔法ができかねんのだ。よって、《回復魔法》系統の魔法はお勧めしない。どうしてもというのなら、妾のところに來い。魔法陣を見てやる」

我が國、アトランティス帝國では《回復魔法》の使用は止されている。使用が確認された時點でしょっぴく。なぜ止するのかは知らせてある。それでも無視するならばそれはそれ。ただ、我が國民達に使用することは許さん。

我が國は大神殿と冒険者ギルド本部に治療院がある。そこで《神聖魔法》持ちが待機しているからな。わざわざ《回復魔法》を使う理由がない。國民なら保険で安くけられるし。

「ちなみに、生理痛ぐらいなら《生活魔法》の"ファーストエイド"が実は効いたりする」

「『えーっ!』」

「まあ痛み止め程度のだが無いよりいいだろう」

しっかり混じってる清家であった。

「さて、では的な話に行こうか」

先程も言ったように、魔法とはイメージである。

火を飛ばす魔法だけでは効率が微妙だ。

火の溫度は? 更に形狀は? どのような飛び方? 後スピードは? などなど。

ただ、敢えてイメージを曖昧にする方法もある。

火の溫度も決め、形狀は勿論飛び方にスピードも決めた魔法があるとする。當然この魔方陣を使えば全て同じ魔法が飛んでいく。つまり、自由度はない。

そこで敢えてイメージの一部を曖昧にする。

火の溫度も決め、形狀は勿論飛び方を決めたけど、スピードは曖昧。するとこの魔法、スピードだけはある程度自由が効くようになる。その分魔力消費など効率が落ちるが、戦闘での使い勝手は上がるかも知れない。

「どんな魔法を作るかはお前達次第だ。実際作って、自分の戦闘スタイルに合ったものを試行錯誤するしか無い。いろいろ試してみると良い。ただ、周囲の被害は考えろよ」

「『はーい』」

正直一番ラクなのはゲームやらアニメの魔法再現するのが早い。

見ているのだからイメージも楽だしな。私もやってた。

「そうそう、お勧めの《魔力作》訓練を教えてやろう」

まず水を出します。

にします。

魚の形にします。

くねらせ空中を泳がせる。

「これ、お勧めだぞ。とは言え最初から水は地味に難易度高いから、まずは土とかで何かしら立の像を作ると良いぞ。まー、水の沢山ある風呂った時にでもやってみろ。魔力を流して維持、イメージ通りに形を変え、かす」

それに慣れたら次は、どんどん魚をリアルにしていくんだ。鱗の1個1個とか、ちゃんと目も再現してみたりとかだな。

水を増やせば増やすほど制難易度は上がるし、これが良い訓練になるんだ。

ハイエルフのセラフィーナに教えた訓練法だな。

「そして更に難易度を上げるなら、魚自を増やせ。2匹をどれだけリアルに作れ、違和なく泳がせられるか。まあ、別に魚じゃなくても好きなのでいいのだが。こんなドラゴンだったり、龍でも良いし、こんな鳥だって良いぞ」

「『おぉー!』」

「先生はどのぐらいできますか!」

「ふふふ、1人水族館など容易い」

魚が部屋いっぱいに大量に現れ、人を避けるように空を泳ぐ。

「『すげー!』」

子供達はテンションが上がり、この世界の者達は絶句する。

そしてお風呂った時に実際に試し、學生達も絶句する。1匹ですらあのリアルさはかなり厳しいと。そしてらかに違和なくかすことの難しさを知った。

知ったことにより、シュテルのやってみせたことの規格外さがよく分かった。

フェルリンデン王國の王城、勇者達がいる區畫とはまた別の場所。

その一室には上流階級のお偉いさんが集まっていた。

「勇者を召喚してから一月。報告を聞こう」

誰が使えそうで、誰が使えないか。非常に重要である。

戦闘能力があり、多バカな者が好ましい。なぜなら扱いやすいから。

戦闘能力があり、賢い者ほど扱いづらい。上手く導できるかが問題だ。

「教えている者達からの報告では優秀だ……と。中々教育されています。恐らく我が國にもある學園の様な場所から召喚されたかと。學校……と言うワードが恐らく。戦闘については素人でしたが、勇者だからか飲み込みが早いと」

「ほう? 學園からとなると貴族の可能が高いか?」

「だとしてもまだまだ子供ですね。顔にも出やすく、マナーなどはこれからじゃないか、と。例外もいるようですが」

「例外?」

「ええ、陛下も覚えているかと。侍を連れたドレスのを」

「あれか……」

「はい。あの者は他の勇者達とは違う世界からのようですが、本人も、侍も……言うことがないどころか、あれほど綺麗な作は見たこと無いレベルだと。よって、勇者では要注意人となります」

「上級貴族の令嬢だとしたらそう簡単には踴らんか? ふーむ……」

「上げられた報告を見る限り、かのはかなり厄介かと」

まず開幕謁見の間でのあの行。そして勇者達に魔法を教える知識。

何より本人の戦闘力の底が見えない。一番得意なのが《時空魔法》……《空間魔法》と《重力魔法》だと言うじゃないか。大人ですら使えるのが一握りだと言うのに。才能を持って生まれても、扱いが難しくて役立たずとすら言われる2つだ。

しかもかなり気軽に頻繁に使っているという。保有魔力どうなっているんだ。

そして何より、國璽こくじを使用しているとか。王族の可能が非常に高い。

だが、驚くところはそこじゃないだろう。世界をいでまで、元の世界の仕事を継続する。意思もそうだがいったいどうやって……?

召喚される前に魔法陣を解析し手を打ったと言うが、魔法陣が表示されてから召喚されるまで3秒らしい。その瞬間に解析と対策を済ますのだ。

模擬戦には參加せず、戦闘力は不明。だが一撃で、古いとは言え的の鎧を一瞬で溶かしている。《魔力作》は確実に王宮魔法使いを超えているという報告あり。

かのが勇者達に進めた訓練法。手本で見せたを超える者はいない……。

「現在の戦闘力をなんとか見れないかと模索している最中です。……王族の可能も高く、かなり厄介ですがいかがなさいましょう陛下」

「元王族だろうが孤児だろうが、我が國に召喚された勇者である事には変わるまい。手足のない王家などどうでも良い。魔法使いなら囲めばよかろう……それに、じゃないか。男でも與えたらどうだ。くっくっくっ」

「ふむ……」

「まあ、どの道予定通りだ。我が國の學園に通わせろ。という楔を打ち込め」

「仰せのままに」

3つの目的のため、勇者達を學園へと放り込む。

1つはこの世界の更なる常識を與える為。今まで教えたのは基礎中の基礎だ。

2つ目は戦闘科にて、戦う技や知識を。今まで力作りだったのだ。

そして、最重要な3つ目……同い年の友を得るように。

まだまだ子供だ。友を見捨てる事はできんだろう。それが楔となり、勇者達の行を縛る。

知識に技を教えられ、ついでに楔まで付けれるのだ。利用しない手はない。

さすが國である。汚い。しかし、有効なのは間違いないだろう。

勇者とは世界を脅かす魔王を倒す強者である。更に人々は勇者を支持するだろう。國としては扱いが厄介なのである。

學園の誰かしらが親友となれば上々だ。人になればなお良い。勇者とて人間。更に若いとなれば異は気になろう。人にもなれば相當な楔となる。

しかし悲しきかな。例のにそんな常識は通用しないのだ……。

? 知らない子ですね。だって無いもん。は行方不明になって長い。

? 邪魔になるなら速攻で捨てるだろう。と言うか、覚がそもそも違うのだ。人間と言うか、生はいずれ死ぬものである。早いか遅いかの違いでしか無い。

よって、楔にはり得ない。他の勇者達には効くだろうが、一番行を制限したいであろう相手に全く効果がない。

シュテルが言うならこの一言だろう。『妾は慈神ではない』

會議の數日後、勇者達に學園にることが知らされる。

今後旅にでたりなどもするだろうから、四人一組で1パーティーとするから決めておいてくれと。1人1人じゃ面倒だからこれは妥當だろう。

勇者達のパーティー決めが始まった。

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