《現人神の導べ》33 第4番世界 訓練の日々

「のわああああああ! ぐふっ……」

「おぉ……勇者よ。死んでしまうとはけない……」

「死んでない!」

エルザにふっ飛ばされ、地面と抱擁をわした長嶺は、シュテルの煽りによって飛び起きる。

「ぐぬぬぬぬ……。強すぎる……」

同じ得……片手剣と盾持ち同士で模擬戦中だった。

「當たり前だろう。妾の眷屬だぞ。種族で言えば人間ではなくワルキューレだ」

「ワルキューレ!?」

「ヴァルキリーとも言うな」

「戦乙じゃん」

「まあ、そちらの神話とはだいぶ違うが。元人間の妾の眷屬騎士だ。妾や同期達と800年模擬戦したりで鍛えてるんだから、強いに決まってるだろ」

「ぐぬぬぬ……もう一回!」

「いいでしょう」

再び戦い始めた長嶺とエルザからし離れたところでは、イザベルと清家が模擬戦をしていた。雙剣による手數と、獣人の能力。スピード重視の模擬戦中だ。

それらを見ながらシュテルはティータイムと灑落込んでいた。

「はて、今後はどうしたものか……」

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が、どこまで干渉したものかと悩んでいた。

神としても帝としても無関係ではないのだ。更に勇者という問題もある。

勇者という方向はまあ、同じ勇者の者達を死なないように見ているだけでも十分だろう。

帝に関しても10番世界にはまだ影響が出ていないので、現狀問題はない。世界が繋がろうが我が國のスタンスにブレはない。

神としては……現狀影響の出ると分かっている3つの世界に待機中。

10番世界は自分の國があるから問題はない。

4番世界はとりあえずフェルリンデン王國で勇者達の面倒を見てればいい。

6番世界は旅館を確保したのでたまに変えるぐらいでいいだろう。

各世界の神界にでもいればいい……と言うわけにもいかんし。現人神だから。更に自然神でもあるから神界より地上の方が居心地がいい。

「ふむ? 整理したじ別に悩むこと無いな。現狀維持か」

目の前でおきた場合……ちゃんと両目で見える範囲なら気まぐれでかなくもないが、能力で知した方は基本的にガン無視だ。そっちまでやったらキリがない。

星のコアから宇宙まで能力で、転移すればどこでも行けるのだから。

毎日祈るような信者でもないならそこまでしてやる義理もない。

元人間としての考えやは一応あるが、あくまでベースは神である。だが元人間としての考えやは大事である。あるからこその現人神だ。

無い神が地上に降りるのは々不味い。そもそも會話にならんのだから。

4番世界で例えるなら、召喚陣を何を言わずに突然吹き飛ばして終わりだ。當然周囲の被害など一切考えない。神からすれば人間の國などアリの巣と変わらん。

アリの巣に水やら流し込むのと同じじで王都を吹き飛ばす。

地上に降りられる時點で現人神系統だ。そうなると基本地上にいるわけで。そうなったら當然王都を吹き飛ばした者を狙うだろう。そうなればもう大戦爭だ。

軽く人類側が消し飛ばされて終わり。神からしたらの一種が滅んだだけだから別になんとも思わん。

シュテルのなるべく穏便に、周囲の被害無く……と言う考え自が元人間の方を優先しているためだ。どうにもならないのなら神として吹き飛ばせばいいが、それはあくまで最終手段である。

「ユニエールさん、毎日欠かさずティータイムしてるね」

「見た目がいいから絵になるだろう?」

「うん……まあ」

「実はこれぐらいしかやること無いのだがな。させて貰えないとも言う」

「あれ、思ってたのと違う」

「これでも二柱しかいない、上級神を超えた超越神の一柱だからねぇ……。上に立つ者、下を使うのが仕事。自分でくわけにもいかんのさ。妾がいたら大それで片付くから余計にな。だからこうして見かけ上はのんびりしているのだ」

「見かけ上なんだ……」

「念話で指示を出したり、上手くいっているのか能力で確認したり……と裏ではしているのだよ。勿論意味もある。上の者のバタつきは下の者、部下に伝染する。常に堂々と余裕を持っているのも仕事なんだ。『何の問題も無い』と言うな」

「分かるような、分からないような……」

「王様がバタバタしてたらかっこ悪いだろ」

「それは……確かに……」

「貴族のご令嬢とか、夫人がティータイムしてるのもある意味仕事さ」

「ただ遊んでる訳じゃないんだ?」

「そりゃそうさ。一種の報収集だよ。家に招き家の報を與えつつ、會話で様々な噂などを仕れる……。ただ飲むだけでも作法とかあるしな。出來なければバカにされるし、それは沽券に関わる。家もバカにされる。あれで大変なのだよ」

「うわぁ……」

ティータイムは夫人やご令嬢、更に使用人達の戦爭だ。

貴族の最大の敵は噂。真偽はどちらでも良いのだ。人がそうだと思ってしまえばそうなのだから。思い込み、先観と言うのはなんと厄介なか。

夫人やご令嬢と言った組は噂話が大好き。それらをティータイムで仕れ合い、不利になりそうな噂があれば夫に流したり、使用人達と対処するのだ。

上流階級の貴族、上に行けば行くほどこの傾向が強い。

話していた宮武はドン引きであった。

でも悲しいことに、貴族社會とはそういうなのだ。そしてそれら貴族の手綱を握るのが王家の仕事。

「じゃあ貴族の男達は?」

「奴らの仕事も々あるぞ。領地があるならそれもせにゃならんし、お城で働いている者もいるだろう。夫人や子供を連れてのパーティー參加も仕事の1つだしな」

「小説とかだと家を継ぐのは長男で、他は家を出るとか聞くけどそれは?」

「そうだな。騎士になったり、文目指したりとあるが……絶対に長男である必要も無い」

「そこは能力次第なんだね」

「そりゃそうさ。誰も家を潰したくは無かろうし、親とて子には自分に合ったことをして貰いたいだろうさ」

「それもそうか……。よし、魔力回復したし再開しよっと」

魔力の回復待ちで同席していた宮武が再び魔法練習に向かう。

比較的のんびりした日々を過ごしていた。

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