「さて、晝食にでもするか」

「どこで食べるー？」

「孤児院」

「「「んん？　孤児院？」」」

「妾は今無にカニが食いたい」

「「「ますます分からん」」」

首を傾げる勇者達を連れて、王都にある結構大きな孤児院へと向かう。

王都の孤児院だけあってマシな建をしており、一応手れもされているようだ。

孤児院の庭では子供達が走り回って遊んでいるが、こちらに気づき一斉に建へと走り込んでいった。

「なに、逃げられた？」

「なんという逃げ足……」

「妾達みたいな格好が突然來れば、當然の反応だな。責任者が出てくるはずだ」

第三者から見ればお嬢様と護衛２侍１に加え、冒険者の護衛２とよく分からない狐獣人１だろうからな。

冒険者の護衛３とはならない。清家の格好は未だに和ロリである。

孤児院からシンプルな黒いローブを著た、２０臺後半のが出てきた。

「ようこそいらっしゃいました。どういったご用件でしょうか？」

「庭を借りたい。持參した材料で料理したくてね」

「え、庭で料理……ですか？」

「流石に王都の道端でするわけにもいかない。貸してくれれば子供達の分も作る予定だ。晝食まだだろう？」

「え？　ええ、まだですが……」

「我々が用意しよう。どうせ匂いで寄ってくるだろうしな」

孤児院相手にはし強引なぐらいが丁度いい。

孤児が悪い訳でもないのに、変に負い目をじているからな。

……まあ、ふんぞり返られれても困るが。

眷屬騎士とヒルデがせっせと庭に準備を始める。

業務用のようなサイズの巨大鍋だ。まあ、実際業務用鍋なのだが。

そして空間収納から出される１０メートル超えのカニである。

「は？　でか」

「なんじゃこりゃ……」

「うわー……」

「アシェットキングクラブ。強さは我々の世界でA+に相當し、竜種に次ぐ海の最高級食材とされる」

「これ、海底だよね？」

「勿論」

「じゃあ実質A+以上か」

「そうなるな。そもそも海底まで行く手段が必要だ。竜種よりはマシの幻の食材。會うことさえできれば、ワンチャンある」

野菜がざくざく切られ、アシェットキングクラブも関節関係なく分けられる。

本來はいのだが、殘念ながら相手が悪い。バッサリ切られて鍋の中へ。

料理が進むにつれ良い匂いが周囲に漂う。

そしてその匂いに釣られて、お晝時で空腹の子供達が顔を出しているのが分かるが……まあ、そっとしておこう。

「そう言えばそろそろ代しないとか」

「ヴィーラントヴィーとアルベルトアルが６番世界で、ディアナとローゼが４番世界でしたね？」

「……そうだな。フィーナはどうする？　帰るかまだいるか」

「うーん……どっちでも良いんだよねー……。帰ったらダンジョン行くし、こっちいるならそれはそれで良いし……」

「ふむ……」

フィーナは本當にどっちでも良さそうだな。

こっちの世界じゃ足りないから、帰るならダンジョン潛ればいい。殘るなら勇者やメグの面倒を見てればいい。

基本こんな旅行なんてしないから、歩きの旅もたまには良いようだな。

やはりと言うか４番世界より、勇者達の６番世界に興味がありそうだ。フィーナはよく宮武と話している。文化が全然違うから興味を持つのは當然っちゃ當然か。

とは言え、今のところ文化が違いすぎて參考になることも無さそうだが。

科學？　多オリジナルの効率が上がるかな？

醫療？　《神聖魔法》で良いよね。

である。

科學より魔導文字。醫療より信仰だ。

世界が違うなら當然必要な知識も変わる。活かせるならそれに越したことはないが、役に立たないものが大半だろう。

科學も《魔導工學》使うならまあ……使え無くもないか？　地球に無かった金屬もあるが……完全に無駄とは言い難いか。

知らなければどちらが世界に、自分に合っているのかも判斷できないのだから、知識を求めるのは良いことだろう。

「代って何の話？」

「妾の眷屬達が代で異世界旅行中でな。その代ってだけさ。まあ、一応創造神様から妾が言われている分、仕事と言えば仕事だが……実質旅行だ」

「なるほど、異世界旅行かー……俺もしてみたい気はするけどねぇ……」

長嶺の悩みは言葉の壁か。……こいつ何考えてんだ？

「お前、忘れてないか？　勇者補正で言葉の壁問題は解決済みだろうに」

「……ああ！　あれ、でもこの世界だけじゃないの？」

「ああ、なるほど。違うぞ？　転移時に変わってるんだから、どこ行ってもそのままだな」

「あー……そう言えばそんな事言ってたか。と言うと……英語とかも？」

「そうだぞ。外國語のテストが楽できるな？」

「やったぜ…………あれ、書きは？　筆記」

「その言語を意識しながら書けばいい。文法も勝手にやってくれる。つまり自翻訳機能付きだ」

「おおー……やったぜ……」

嬉しそうだな、長嶺。

まあ同じ世界ならまだしも、異世界だと言葉の壁は死活問題だからな。でも異世界の場合、言葉じゃなくて武力もないとな。か魔に食われて終わるぞ。

盜賊もいるし、スリとか詐欺もあるからなぁ。

「ユニ様、できましたよ」

「うむ、では食べるか」

「カーニ！　カーニ！」

「異世界でも無言になるのかな？」

「……どうなんだろうな？」

「なるぞ」

「「なるんだ……」」

いやまあ、無言にはなるけど理由はだいぶ違う……気がしなくもないが。

アシェットキングクラブだけでなく、海底にいるカニや貝とか自が高級だから。

地球の海も命懸けっちゃ命懸けだが、デンジャラス差が桁違いだからな……。その分値段も桁違いだけど。獲りに行った漁師か王侯貴族ぐらいしか食えんよ。

「「「いただきまーす」」」

「いただきます……」

「おう、食え食え。饒神がいる世界のものは格別だ」

「「「…………」」」

「おいひい……」

一口目から黙々と食い始めた勇者達は置いといて……。メグも一言だけ言ったら黙々と食べ始めた。目はキラキラしている。幸せそうで何よりだ。

さて……後ろの子供達にもな。

とは言え、警戒して來ないだろうから……。

「お前達が來て料理をけ取らないと、あのお姉ちゃん達が食べられないぞー」

料理をよそっている３人。まあ、眷屬３人だな。子供達に渡してから、自分の分を用意するので事実である。

１人がとことこやってくると後は早かった。わらわら子供達がやって來て群がり、孤児院の管理者だろうに怒られて綺麗に並ぶ。

「このようなご馳走、ありがとうございます」

「勝手にやったことだ、気にするな。それと場所代と寄付な」

「えっ、流石にこんな額は……」

「孤児院で見たら大したことあるまい？　節約して半年ぐらいだと思うが」

「結構な額だと思うんですけど……」

「まあ、いらないってんなら回収するだけだ」

「い、いえ、ありがとうございます」

「「カニうめー！」」

清家と長嶺はいつも通りだ。

大小學生が中心の孤児院の子供達と競うように貪る中學生である。遠慮のえ・の字もない。宮武の２人を見る目が凄く冷たい。

「おい楓、尾なんとかしろ」

「え？　ああ無理、勝手にく」

「せめて俺叩くのやめろ」

「カニが味しいのがいけない」

「…………」

長嶺は諦めたようで、清家のご機嫌な尾に背中を叩かれつつ食べることを選んだ。……離れるという発想は無さそうだな。

「そう言えば宮武にプレゼントがある」

「え、プレゼント？」

「はいこれな」

「服……？　なんか魔みたいな……」

「ちょっとエッチな魔風セット。下著付き」

「えっ……えっちな……あー……なんと大膽なスリットでしょうか……」

幅広の帽子に、腰から左右にスリットがっているノースリーブワンピース。それにポンチョの様な外裝マント。勿論どれも黒である。魔風だから。

「ゲームならまあ、著たけど……リアルでこれは躊躇いが……」

「魔風って言ったけど、実際に魔法使えるし魔だな？」

「まあ……？」

「ちなみに素材は清家のと同じだから」

「やっぱりいいなぁ……。リアルだからこそ……著るべきなのか……」

「まあ、今のより遙かに防力高いからな」

うん、恥心的な意味ではゲームの方が著やすいだろうけど。ステータスも上がるんだし？　スリットが深すぎるだけで、見た目が悪い訳でもないから能的にも著るだろう。

でも、リアルな今の方が著るべきだ。見た目より能重視するべきである。裝備の防力がそのまま生存に関わるのだから。まさにイコールと言って良いレベルなのだから、能を選ぶべきである。多の遊び心えろには目を瞑れ。

「スリットあった方がきやすいしな」

「むぅ……著替え……あ、はい」

もこもこと土で個室を隣に作った。勿論著替え用。

にしても、ここの子供達はよく食うな。食える時に食べておきたいのは分かるが、出すなよ。いや、マジでな。

清家と宮武の服の素材であるアラクネの糸。普通の鋼の剣じゃ斬ることは不可能である。正確には、従魔ベアテのアラクネの糸は……だろうか。

ベアテは契約時に最適化がり、格が上がって進化したけれど、流石に我々と同じく永く存在すれば更に進化するわけで。當然エマニュエルもだ。

まあつまり、蜘蛛系でも最高位に等しいベアテの出す糸が、ただの鋼に負ける事はあり得ない。糸を布とし、服に加工できているのは製作者がベアテ本人だから。

アラクネの糸は理法則ではなく、魔法法則に従っている。

全ての魔法は者が形を変えるのは比較的楽だが、他者が変えるには相手を上回る必要がある。でなければ基本弾かれて終わる。下手したら干渉しようとしたタイミングでカウンターを貰う事になるだろう。

世界が違うのだから『服が鋼の剣で斬れないのはおかしい』という常識なんぞゴミ同然である。まあ、服が斬れなくても鋼の剣で毆られたら當然骨が逝くので、衝撃吸収などが付いた魔裝だが。

お、著替え終わったか。

魔風セットをに著けた宮武が簡易更室つちのかべから出てくる。

「うわ、なんか魔がいる」

「宮武も貰ったのか、いいなー」

「おらよ」

「うおっ」

「所謂チェーンメイルだな。中にでも著とけ。防力では清家達以上だぞ」

長嶺にはマナタイトクォーツで作ったチェーンメイルを渡しておく。防力では最高の代だ。しかもかなり軽い。男を著飾る趣味はないからそれで十分だろう。

「生足魅の……」

「見すぎ」

「……履いてない」

「はーいーてーまーすー」

「まじで」

「捲んな！」

清家と宮武がイチャイチャし始めたのを放置して、チェーンメイルを著るため簡易更室つちのかべに向かって行った長嶺。

「あ？　別に全部ぐわけじゃないしここで良いのか」

「まあ、そうだな。おっと、シャツもあったか」

薄い生地のシャツを２枚渡し、結局上半に。シャツを著て、チェーンメイルを著て、更にシャツを著て、鎧を著る。見事な重ね著だが、こいつタンクだからな。

「わざわざシャツ２枚重ねたのは緩和用？」

「まあ、そうだな。後は消音も兼ねて」

「なるほど。金屬同士の接防止……金屬？」

「マナタイトクォーツは一応金屬扱いだぞ。見た目水晶だが」

モグモグ頬張る子供達を見ながらのんびりティータイムに灑落込んでいると、ふよふよと風の霊がやって來て遠慮がちに元に張り付いた。

割りと霊を見るようになってきたな。世界的には良いことだ。むしろ全然いなかった今までが異常だからな。

生まれたてのい霊を霊と言う。霊から霊、霊から霊王になる。この呼び方の違いは、エネルギーの保有量だと思っていい。つまり作できるエネルギー量の違いでもある。

霊は１５センチ、霊は３０センチ、霊王が４５センチぐらいの型だ。ただし、はっきり人の形をしているのは霊王ぐらいである。

私の契約霊は契約時の最適化により、霊王の上である霊皇になっている。大６０センチの完全人形だ。各屬１ずつ契約している。

フィーナの契約霊は霊王クラスだ。一応キャパシティが存在するので、無制限契約は不可能。當然霊のランクが上がる毎に必要コストは増える。

水、風、地の霊王と契約できているフィーナは十分ぶっ飛んでいる。

霊達は神々の代行。

お仕事は世界のバランスを保つこと。この『世界のバランス』というのがまた幅広いのだが、基本的に地上の生は特に認識していない。

一部魔眼持ちや、エルフやドワーフなどしか霊自がそもそも見えないからだ。しかも、見えたところでただ飛び回って遊んでいるようにしか見えない。

霊は基本的に見えないが、霊側から姿を見せる事は可能だ。見せる理由がないから基本的に姿を見せる事はないが。

一番重要なのは屬バランスの均等化。これはもはや生には見えないし、分からない。分かるのは霊達と、親とも言える饒系の神々だけ。私の持つ自然の神眼で見ることができるの１つだ。

この屬バランスが崩れると、自然災害……異常気象フェスティバル開催である。

全てほどほどに、多すぎてもなすぎてもダメなのだ。どれか１個でも崩れると、全てに影響を與え、最終的には死の大地と化す。一度死んだ大地は霊王達でも復活させるのに苦労する。

後は神々の與える加護の微調整などもある。

私の拠點であるアトランティス帝國。當然私の加護が土地に與えられているのだが、契約霊含めたかなりの數の霊達が加護の調整を行っている。

じゃないと加護が強すぎて一瞬にしてジャングルと化すだろう。饒系最上位の加護はそれだけのだ。現人神のせいで余計に加護の影響が強いし。

霊達は神々の代行。その力はかなりので、ドラゴンすら霊には喧嘩を売らない。そもそも霊とは何かを知っているので、喧嘩を売る理由もないのだが。

大霊を怒らせるのは人類だ。怒らせた挙句國を持ってかれるとか案外ある。

水の近くにできた王都で、水の霊に水を汚すな！　と怒られたにも関わらず、無視した結果……大津波で一瞬にして王都が壊滅とか。

可く見えてヤバいやつ。それが霊達。

霊と契約できれば《霊魔法》が使えるが、霊に魔力渡して代わりに使ってもらう魔法である。生より霊の方が魔法適が遙かに高いから、強いのだ。

で、この張り付いてる霊は……お母さんに甘えている子供狀態である。実際生まれたてだし、饒系最上位の私だから間違いではない。逆に霊からしてもトップもトップだから、ちょっと恐る恐るだったと。

今がチャンスだぞ。契約霊達がいると私に近づけんからな。

おや、また１人來たな？　……こいつ元霊王か。霊じゃそこまでの練度は無いはずだからな。しかし、霊王達には一度飛び回って供給したのだが……風か……一番荒れてたもんなー……。

手を差し出すと手のひらに乗ったので、エネルギーを供給してやる。

霊の狀態からみるみる人の形になり、背もびていく。

「何してるの？」

「子供達の世話」

「子供……子供？」

「流石に端折りすぎたか。霊達の世話だ」

「霊かー」

「裏では人類の拭いで大わらわだ」

霊達への指示も私が出した方が早いからなぁ。

供給が終わって再び霊王クラスになった霊は、來た時とは全然違う速度で飛んで行った。働き者だこと。それに続いて、張り付いていた霊も飛んで行った。お前は無理するなよ。消滅するぞ。自分のを維持するギリギリまでなんて蕓當は霊王だからこそだからな。

さて、私の紅茶がフィーナの霊に飲まれたわけだが……まあ、冷めてたし良いか。……れ直さなくてもすぐ溫められるんだけどな。飲み盡くされたから仕方あるまい。ヒルデに新しく注いでもらう。

「にしても、よく食べたな」

「先に自分達の分確保しといて良かったですね」

「「うんうん」」

危機を察して先に自分達の分を１杯分確保していた眷屬達である。

「よもや食い盡くされるとは」

「その、すみません……」

「ああ、別に構わんさ。元々食べさせるつもりで作っただからな。むしろよく食べたと心するぐらいだ」

いやマジで。

さて、そろそろお暇するかね。長嶺の盾もしないとだからな。

「食事は済んだし、買い行くぞー」

「「はーい」」

「良い盾あるかねぇ……」

「邪魔したな」

「いえ、ありがとうございました」

「計畫的に使えよ」

「はい、勿論です」

子供達にブンブン手を振られながら孤児院を後にする。

後は勝手にするだろう。流石に他國の孤児院まで面倒見るつもりはない。

「孤児院かー」

「向こうじゃ馴染みないよねー」

「これだけの時間じゃ、正直稚園とかと違いをじないなー」

「どういう生活をしているか見ている訳ではないから、そんなもんだろう」

孤児院なので、當然彼らを迎えに來る親はいない。院長達が親代わりだ。

そして、國がどうするかで彼らの扱いもだいぶ変わるだろう。その辺りにいちいち口を出す気はない。

「勇者と言えど、あれには無力だよねぇ……」

「勇ましい者。意気が盛んで勢いがあり、恐れずに危険や困難に向かっていく者。それが勇者だな。力がなければただ口先だけのうざいやつにしかならんから、自分に何ができて何ができないのか。把握しているのは良いことだと思うぞ、うん」

「武力しか期待されてないよね、勇者って」

「魔王倒してめでたしめだたしな語は良いけど、魔王を倒せさえすれば人生はその後の方が長いわけで……」

「よし、この話はやめよう」

「余計なことはせず、金だけ渡しておけば後は勝手にやるさ。むしろ面倒見るつもりがないならそれぐらいが一番良い」

「そう言えば、ユニエールさんのところはどうしてるの？」

「うちは簡単だ。學園に放り込んでる。あそこは寮もあるからな。後はそこで好きなの學んで、卒業から就職で立派な大人だ」

子供達をどうするかはそれこそ國の方針だろう。規模が規模だからなぁ。子供、若者を大事にしない國はだいたい滅ぶか、隣國に飲み込まれるのがお決まりだ。

「まあ、お前達が気にすることではない。そこは國の仕事だ。そもそも他國どころか異世界だしな。気になるなら寄付だ寄付。金があればどうにかするさ。むしろ金でどうにもならないなら、ぶっちゃけもう詰んでるからな」

金で解決しない問題を孤児院がどうにかできる訳もなく。

そもそもの話が、６番世界出の勇者達からしたら孤児達は可哀想と言えるのだろうけど、４番や１０番世界からしたら孤児なんか別に珍しいものではない。だって、魔に親が殺されるなんてザラだからだ。隣の家の◯◯が、畑仕事中に襲われた……とか。村ではよくある事。

そう『よくある事』なのだ。そんな『よくある事』に國が対応しない訳がない。それに貴族からしても『アピール』するには割りと孤児院や教會が使われるのだ。

だから、案外切羽詰った孤児院は珍しかったりする。

貴族というのはメンツで生きる職業だ。貴族とは分を指す言葉ではあるが、メンツで稼ぎ生きる奴らだ。甘く見られたらそれで終わりだし、変な噂が出回った時點でも終わりだ。孤児院や教會への寄付などの『アピール』は割りと必要で有効。

それらのお金は自分の領地などからしずつ捻出したりする。その辺りのやりくりも腕の見せ所だ。

そして當然王族にもこれは當てはまるわけで、特に神々関係の教會。そして子供達と言った孤児院は分かりやすいため、よく利用される。利用とは言うが、Win-Winの関係と言ったところだ。片方はお金など支援があり、片方はアピールになる。

「まあ、６番世界の中學生が考えるような事ではないな。この世界に骨埋めるつもりなら考える必要も出るだろうが？」

「「「さらさらありません」」」

「そもそも買いに向かいながら話すような事でもありませんよ」

ヒルデのツッコミはいつも容赦がない。私に慣れているとも言えるが。

こいつ神の私を脇に抱えて運ぶし。ふざけてる時だから反論できないしな！

『そうされない振る舞いをしてください』の一言で轟沈だ。ハハハ。

侍の鑑は主人にも厳しい。