《職業通りの世界》第1話 大変迷な出來事

「よーし、それじゃあ行くぞっ!!」

「「「「「「おおっ!!」」」」」」

擔任の気合のった掛け聲に、男どころか子まで大きな聲で応え、グラウンドに生徒たちの大聲が広がる。

普段はだらけ切った擔任だが、高校2年生の10月19日である今日は修學旅行。しかも、人が多いと言われている福岡県に行くことになった擔任は、ビール腹を無いものにするかのようにきっちりしたスーツを著ている。…デブなのに。

「楽しみだな~!修學旅行!!」

隣で俺が作ったパンフレットに目を輝かせているのは、お嬢様である館山朱音あかね。

俺が養子なので一応兄弟になるのだが、お嬢様がだらしないので弟という扱いになっている俺が兄のようにじる。

「昨日から楽しみにしてたもんね!」

その隣で一緒にパンフレットを覗き込んでいるのは、同じクラスでお嬢様の友達である原野くるみだ。

ピンクの眼鏡をかけて、 俺たちといる時以外は黙って本を読んでいる地味なじのやつだが、眼鏡を外すと意外と可いらしいのはお嬢様報だ。

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「俺も楽しみだな!こんな可い朱音さんと一緒の班になれたからな!!」

そして、俺の隣でガッツポーズをして、軽く涙を流しているのは元気が取り柄というじのおちゃらけた杉野巧たくみ。

好きだが、彼が一回もいた事が無くて、ついこの間もナンパをしたほどのに飢えている奴。楽しいから一緒にいる事が多いが、お嬢様には近づけさせん。

「まあ、理由は様々だと思うけど、楽しみにしているという事はみんな同じだよね?」

どうしようもない巧を後ろから笑いながら、話して來たのは、學級委員長である高野悠ゆう。

絵に描いたような正義の強いやつで、んなスポーツが出來て、勉強も出來る文武両道な奴。

顔も爽やか系のイケメンで、1日に1回は告られているほどだ。

「うるせっ、何でも持ってる悠さんには分からないだろうね!このモテない俺の気持ちは!なぁ、陸人!?」

「そこで俺に振るなよ……」

俺はバスに乗り込みながら、巧の何とも言えない振りに戸っていると、こっちを見ているお嬢様が一瞬、ニヤリと笑みを浮かべた。

お嬢様は知っているから笑ったのだ。俺が勉強もスポーツも適當に平均程度にしている事を。

何故そんな事をしているかと言うと、簡単に言うと俺に視線がいかないようにするためだ。

小學生の時に習っていた空手で、黒帯の人を倒したくらいだ。やろうと思えば、トップになれるし、小學生の時に大學生でも苦労する問題を解かされていたので、今の高校の問題は簡単過ぎて満點を出せる。

けど、俺に目がいってしまったら俺が執事をしている事がバレるかもしれない。だから、々とセーブしていると言うのに、お嬢様は!

「おいおい、そんな事を気にしてたら、キリがないだろ?だからこういうのはれるんだよ」

俺は巧にそれらしい答えを返して、お嬢様を見る。もう席についてしまったので顔は分からないが、隣に座っているくるみの聲で、笑っている事は分かった。

「まあ、そうだけどよぉ。何かでも、悔しくね?」

「悔しいと思うのなら、今日のホテルで自習でもしとけ」

隣で項垂れた巧を橫目で見た後、俺はスマホを開く。

お嬢様があのパンフレットに印を付けていた所はグラウンドで暗記した。今からそこをネットでも良いから片っ端から下調べをしなくては。

「おっ、もう観地の事を調べているのか?なら、人なお姉さんがよく集まる公園でも調べーー」

巧が喋り終わるのを待つまでも無く、足を思いっきり踏んで中斷させた。巧のび聲がバスに響き、巧は向こうで反省文を書かされる羽目になったのだが、それを書く事は無かった………。

バスが走り始めてから約一時間。高速道路で航空へ向かうつもりだったのだが、車が橫転したらしく、暫く通れないらしいので、急いで迂回ルートを探し出して、山のトンネルを通っていた時の事。

突如、の人の聲がバスに響いた。

『あ、聴こえてますか?私は、戦乙であるミスラと言います。これからあなた達の中から7人、私が管理している『カルスト』に來てもらいます。異論は認めません』

誰一人としてついていけてない中、突如、巧の足元に円に何かの文字が描かれた輝く何かが現れた。それはまるで魔法陣のようだ。

「お、おいっ!何なんだよこれ!?なぁ、陸人!?」

巧が俺に助けを求めているが、俺は巧の魔法陣を確認した時點で、ある所へ駆け出していた。

そこはお嬢様が座っている席。俺の席から4つほど前にある。そこに行くまでのバスの揺れや周りの戸う聲を無視してお嬢様の所へ駆け寄った。

「……ねぇ、どうしよ?」

駆けつけた席には、2つの魔法陣があった。それはお嬢様とくるみの足元にある。

うくるみの橫で、ただ悲しそうに俺を見るお嬢様を見て、が苦しくなる。

俺はお嬢様の右手を取り、その場に跪いて右手を両手で包み込む。

「俺がお嬢様だけを行かせる事なんてあり得ません。俺も一緒に行きます」

もう、この現象を疑う事なんて頭に無かった。ただ、お嬢様から離れるのがどうしても辛いんだ。

俺はお嬢様を強めに抱き締める。

「これなら俺も一緒に行けると思います」

「……うん、きっとそうだよね」

が強さを増し、バスが照らされる。そんな中で、クラスのみんなは戸い、喚いているが、俺とお嬢様はただ、お互いを抱き締め合った。お互いに違えてしまう事を何よりも恐れた2人は、と共に意識が消えていった………。

「もう!何やってんの!?定員は7人って言ったのに、どうしてあなたが來てるの!?これじゃあ8人になっちゃうじゃない!!」

バスで聞こえた丁寧な口調とは違う、怒っている聲を俺は正座をして黙って聞いていた。

こういう場合は黙っていた方が良い。

「ちょっと、聞こえてるんですけど!?」

あれ?口に出ちゃってたか?それは失敬。気をつけないとな。

「無禮な事を言っていたらすみません。俺はなんて言いましたか?恥ずかしい事に、なんて言ったか記憶に無いんですけど」

「言ってないけど、心の中で思ったでしょ!?ここで思った事は丸聞こえなんだからね!?」

マジか……、試しにからかってみようかと思ったが、拳を握りしめてこっちを見ていたのでやめておく。

さっきから俺に怒っている神は、き通るような青い髪を腰辺りまでばし、きをあまり妨げないようにや足、腕に青い縁がある銀のアーマーを著ている。

長は俺と同じくらいだろうか?そして、かなりの人には違いない顔つきをしていた。

「……あ~、んんっ!話を戻すわね」

し耳を赤くしているが、神たる威厳を持って言った。

「あなたの転移はもう決定されているのですが、他の人とは違い、"勇者"という稱號がありません。ですが、特別に誰よりも世界に適応出來るようにしておきました。これで大丈夫だと思います」

勇者という単語に首を傾げたが、俺の足元にあの魔法陣が展開されている事から、もう何かを聞こうとしても遅いのだろう。

なので、俺は思った事を口にする事にした。

「よく分からない世界に送りつけたあなたを呪う事にならないと良いですね」

それだけ呟いて、俺の意識は強制的に刈り取られた………。

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次の話から異世界の話にります!

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