《悪役令嬢がでれでれに溺されるまでの話》3 狀況確認

さて、あのゲームの悪役令嬢リオーネはどの攻略対象でもハッピーエンドには処刑されていた。

まぁ、何故だか知らんがヒロインが好きになった攻略対象を何故だか知らんが悪役令嬢も好きになってしまうという強制當て馬狀態であり、どのルートでもリオーネはヒロインを暗殺しようとして、返り討ちに合うというものだった。

(…ということは、私は攻略対象に関わらずヒロインを殺そうと思わなければいいということか。)

大したことではない。だって、前世の記憶が戻ったリオーネ・ヴェルナーは見た目4歳でも中は17歳であり、

とても平和だった日本生まれだから人を殺そうとは微塵も思わなかった。

(さて、落ち著いてきたからかが乾いたな)

ガチャ。

「お、お嬢様!!起きて大丈夫なんですか???」

ビクビクしながらも心配そうに駆け寄ってきたコレットは私の新しいメイドである。次々に辭めていくメイド達と比べたら1ヶ月という驚異の數字で働いているメイドだ。

髪と目が茶の顔にソバカスのある地味な印象を持っている。

「えぇ…大丈夫よ。し頭がズキズキするけど

特に外傷は見當たらないわ。心配してくれたのね。

ありがとう」

4歳のが鏡を見て立ち盡くしているのだ。

まるで、自分に見惚れているみたいに見える狀況を

打破しようと ニコッと笑ってごまかす。

コレットの目が大きく見開いた。

「お、おお嬢様が……ありがとうだなんて……」

あ、まずい。

今まで素直な言葉も言わず悪態をつき

4歳とは思えぬ真顔でもなかった

突然、笑顔で素直に謝したのだ。

キャラ崩壊をいいところである。

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