《悪役令嬢がでれでれに溺されるまでの話》15 やってしまった
前回までの簡単なあらすじ☆
「お兄様、がんば!(作者視點)」
お兄様の剣の稽古を見ているとき、ふとウィルさんが目にる。
(さわやかなイケメンだなー。モテモテだろうな)
なんて呑気に考えていた。ウィルさんがこちらの視線に気づき、にこっと笑う。そのときだ。
「………あ!!」
思わず聲を上げてしまった。
「うわっ!びっくりしたー。リオーネ、急に大きな聲を出すんじゃないよ!」
「あ、ごめんなさい!お兄様!えっと、すいません用事を思い出したので失禮します。それでは!」
「え?お嬢様?!」
「?リオーネ様?」
「あ!おい!」
颯爽と小走りし部屋に戻る。お兄様達が何か言いかけたが無視だ無視。今はそれどころではない。
部屋に戻り椅子に座る。落ち著くために深呼吸。
(すーはーすーはー)
「お嬢様?どうかなさいましたか?」
コレットが私を追って來たみたいだ。
「いいえ、先ほどの講習の宿題が終わってなかったのを思い出したのよ。今からやるわね。」
「承知しました。紅茶をお持ちしますね。」
コレットが部屋から出て行く。
私は思い出した。ウィリアム・カイザー、それはゲームの攻略対象。騎士さまの名前だ。
そして彼の容姿は前世の私が晶畫面越しに見ていたあの人そのものだ。癖のついた淡い水の髪のに優しそうな藍の瞳。まるで王子様のような笑顔。
(なんで気づかなかったんだよ!!)
最悪だ。攻略対象とは関わらないと決めたではないか!いやでも、ゲームの中で彼に會うのは16歳で學校の高等部にったヒロインと悪役令嬢が授業で森に魔退治に行くときに護衛として騎士団がつく。そのときだったはず。
(まさかこんな早くに會うなんて思わなかったんだよ!)
誰にしているのか言い訳を考えてしまう。
(これ以上関わって変なフラグが立つのは嫌だし、なにより死にたくない。よし!もう會わなければいいんだ!!これ以上めんどくさいのはごめんだし!)
そんな結果に基づいた私はコレットが持ってきた紅茶を味しくいただいたのだった。
だが、悲しいことに人生はそんなに上手くは行かないのだ。
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8 123悪魔の証明 R2
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